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[23878] ゼレンスキーの国会演説を終えて(その1)返信 削除
2022/3/23 (水) 19:27:11 徳翁導誉

> ゼレンスキー大統領が各国の国会で演説を行ってるのが話題ですね…
これまでゼレンスキーは、各国に合わせた演説を行ってきましたし、
時にはドイツやイスラエルなどで、相手国に対する苦言を述べたりもしていたので、
日本に対して、いったい何を語るのか?というのは、正直かなり興味があったのですが、
いざ演説を聞くと・・・当たり障りのない内容で、ちょっと肩透かし(笑)。

アジアで最初に制裁を行ってくれた感謝と、停戦後の都市復興への支援要請。
あとは、他のアジア諸国にも呼び掛けてって感じでしたか。
まあ軍事面の方では、実際に日本が手を差し伸べられる部分も少ないですし、
そうした日本の影響力の小ささを思えば、敢えてパフォーマンスする必要性も無いのかな?
イスラエルに対しては、「武器を提供して!」とか、「共に戦おう!」など、
いろいろろ勇ましい事を言ってたみたいですけど、あちらは小国でも軍事面では期待できますしね。
ゼレンスキー大統領自身がユダヤ系なので、同胞意識をくすぐる狙いもあったでしょうし。

で、敢えて日本向けだった所としては、「日本の調和と文化が好き」なんて話と、
あとは、ロシア軍の侵攻を「津波」に例えたくらいでしょうか?
福島とか、広島や長崎、東京大空襲、日露戦争や北方領土に関する言及とかは、全くありませんでしたし、
アメリカ議会での真珠湾発言は伝え聞いてるでしょうから、敢えて刺激的な言葉は用いなかった面も?
どれだけ相手国民を高揚させる演説を行った所で、上述の通り、
今回の戦争における日本の貢献など、たかが知れているのが現実ですからね。
だったら、日本に対しても、間接的には世界に対しても、波風が立ちそうな内容は必要ないと。
実際、ここで広島とか長崎なんてワードを出したら、今度はアメリカ側の機嫌を損ねるでしょうし、
それはそれで、日本からの批判なんかて比べ物にならない程、ウクライナにとっても大ダメージですから。

となると、ドイツとイスラエルに対してはキツイ発言もしたのって、
私が思っている以上に、ゼレンスキー自身のユダヤ人意識が強いからなのか?
それとも、各国の国民性まで考慮した上で、いろいろとパワー・ワードを混ぜているのか?
例えば、いろいろな国民に何かを行わせたい場合、
 アメリカ人に対しては、「ここで行えば、あなたはヒーローですよ」と言い、
 イギリス人に対しては、「紳士であれば、これを行うでしょう」と言い、
 フランス人に対しては、「決して、これを行ってはいけません」と言い、
 イタリア人に対しては、「これを行えば、女性にモテますよ」と言い、
 ドイツ人に対しては、「それを行うのが、ルールです」と言い、
 日本人に対しては、「皆さん、それを行ってますよ」と言う。
そ〜んな国際ジョークを、なぜだか急に思い出してしまいました(笑)。

う〜ん、あとは他のアジアの国々でも、こうした演説は行うのでしょうか?
じきに韓国では行われるでしょうけど、台湾は・・・中国の立場を考えると無いかな。
ならば中国でとなると、あっても当然 検閲でしょうから、演説の内容的には面白く無さそう。
安保理決議で棄権に回ったインドとか、様々な事情が渦巻くASEAN諸国とか、いろいろ面倒そうですし、
ウクライナへの影響を考えれば、制裁に参加してくれた国だけを巡る感じになりますかねえ?
対ロシアを考えれば、中国に釘は刺したい所でしょうけど、
下手に巻き込まれる事を共産党政権は望まないはずで、そうなれば自重がベターなのかな。

そして余談ながら、今回の関連報道で、今更ながらに知ったんですけど、
2019年に行われた就任演説の際、ゼレンスキー大統領は、
「サッカーではアイスランド人に、祖国防衛ではイスラエル人に、技術力では日本人になろう」と、
ウクライナ国民に対して、訴えてたみたいですね!!

ここで思わず日本の名前が出てくるのは、日本人として素直に嬉しい反面、
当時から既に、日本の家電は世界シェアを失っていた事を思うと、情報が古いなとも(苦笑)。
(まあトランプも就任当初は、80年代の日本イメージで語ってましたし、政治素人だと そんなモノ?)
とは言え、ウクライナは豊かな穀倉地帯と鉱物資源を誇る一方で、
4000万人の人口と、東側陣営では高かった技術力の方は、まるで活かせていない現状でしたから、
そこを何とか打破したいというのが、彼なりの成長戦略の1丁目1番地だった事は伝わります。

あと、一番最初にサッカーの話が出てくるのは、2012年に欧州選手権をポーランドと共催した誇りと、
FWシェフチェンコに代表される サッカー人気の高さを思えば、ツカミはOKな感じでしょうか?(笑)
2000年前後は日韓W杯もあり、ちょうど私もサッカー観戦にハマっていた頃なので、
その当時、旋風を起こしていたディナモ・キエフの活躍は、鮮烈な記憶として残ってます!!
ちなみに、ここでアイスランドの名前が挙がっているのは、就任演説があった頃、
初出場となる欧州選手権ではベスト8、そして2年後のW杯にも初出場した上、
バイキング・クラップと呼ばれる、印象的で熱狂的なサポーターの応援姿も相俟って、
サッカー中小国にとって、最も解りやすい理想モデルであった為ですね。
(いつか日本も、世界中でサッカー新興国の代名詞となるくらい、躍進して貰いたいなぁ・笑)

で、そんなアイスランドと日本に挟まれ、登場してくるイスラエルが地味にカギなのかな?
ウクライナ自体も、クリミアやドンバスの問題を抱えていますから、国防の話が出るのは解りますし、
まあ、ゼレンスキー自身はユダヤ系なので、そこでイスラエルの名前が出てくるのは解ります。
とは言え、少し事情は異なるものの、同じく国内にパレスチナ問題を抱えていて、
しかもガザ地区に対しては、空爆を行うなど強硬姿勢なイスラエルを、目標像に掲げる行為は、
今から見れば・・・かも知れませんけど、非常に危うくは映ります・・・・
実際、ドンバス紛争に関しては、イスラエル同様に実力行使に出て、それで今回の戦争を招いてますので。

ちなみに、一国のリーダーが、具体的に他国の名前を目標像として挙げる行為は、
政治の常識的には、かなり異例であるとは思うものの、
ですが、具体的なイメージが思い浮かべられるので、国民に訴えるには良い手法だと思うんですよね。
例えば、当時はまだ、自民党との政権交代を狙える立場にあった社会党が、
「アメリカの豊かさ、ソ連の社会保障、イギリスの議会政治、日本国憲法の平和主義」を掲げた際、
世論の反応は、なかなか良かったと聞いてますからねえ。
(その後、提唱者の江田三郎が社会党内の主導権争いに敗れて、このモデルは形骸化)
現在の日本の技術力と同様、「現実はそんなに良いモノじゃない」っていうのはあるでしょうが、
実の所、そこはあまり重要では無くて、幻想であれ何であれ、各国から良いとこ取りして、
それで少しでも、自分たちの暮らす社会が良くなるなら、それで充分に成果アリですので!!
そして、目標となるイメージは、多くの人が共有できるほど、その成果も出やすいと。

> いや、こういう言う方は不適切と言われるかもしれませんが、
> 演説によって他者を戦争に誘う姿はヒトラーと被ってしまうんですよねぇ…

まあ、悪の指導者の代名詞がヒトラーになってますので、
今回も「プーチン=ヒトラー」な言われ方が多いですけど、
でも実際の所、メディア戦略の面では明らかにゼレンスキーの方ですよね(苦笑)。
強いて例えるなら、プーチンはヒトラーよりも、スターリンの方がまだ近いかも?

ゼレンスキー周辺は、政治的には素人でも、映像作りや売り込みではプロの面々ですし、
それこそ開戦直後、13名の離島守備隊が、投降を拒否して全員玉砕したとして、
華々しく喧伝され、大統領も英雄勲章を贈ると述べてましたけど、
その後、実はロシア軍の捕虜として、生き延びていた事が明らかになったんですよね。
正直、この一件を聞いた時は、「真珠湾攻撃の九軍神かよ!」と思っちゃいました(笑)。
あの時も、戦死したとされた9名の内、実は1名が捕虜になって生き延びており、
それがタブー視される風潮が、後に生還した特攻兵を追い込む事になりましたし・・・・
逆に言うと、今はネット時代なので、人の口に戸は立てられなかった感じなのかな?

> まぁ、彼の演説を受けて直接的に参戦しようという国が出てこなければ良いのですが。
アメリカの世論調査を見ると、かなり参戦意見が強くなっていますね。
保守党支持者はまだ3割ですが、民主党支持者は5割に達しており、
半年後に中間選挙を控えている事を考えても、ちょっとマズい感じはするかも?
バイデン政権も、いろいろと読み間違えて、今回の戦争勃発に至ってますし、
「ここまでなら大丈夫だろう」と、判断を誤る危険性はありそうなので・・・・

> > > 反戦デモも1万人レベルですよねぇ…
> > 赤の広場に10万人とか20万人とか詰め掛ければ、さすがに軍や警察も手出しが困難ですし、
> > 仮にそうなったら、さすがにプーチン政権も終わりだとは思いますよ。

> う〜ん…仮に10万人集まっても支持派がマジョリティならそう問題ないのでは。
> と思ったのですが実際に10万人が赤の広場に集まるということは
> その後ろにその何10倍の人がいるということになるのですかねぇ。

と言うよりも、本当に怖いのは、その10万人が暴徒化する事なんです!!
より厳密に言うと、暴徒化してクレムリンなり何なりを襲うと群衆が1000人や2000人ほど出て、
その後ろには、実際に手は出さなくても、それを支持する大群衆がいれば、
軍や警察だって止められませんし、一旦そうなれば、どんな強権的な独裁政権でも終わりかねません。
(60年安保の際、警察だけでは手に負えず、防衛庁も出動に同意せず、岸内閣はヤクザや右翼を動員・苦笑)
また、世間の人々も、そうした行動に積極的な支持は与えなくても、
それだけの熱量があって物事がひっくり返った際に、敢えて反対の声が挙げる事もまずありません。
別に賛成はしなくても、理解できる行動であれば、大体の人は何となく受け入れるモノですからねえ。

逆説的に言うと、日本でも7年前の安保法制反対デモでは、それこそ10万人が集まりましたが、
だからと言って、それで安倍政権が倒れ無かったのは、そのデモが平和的に行われたからですし、
8年前にヤヌコービッチ政権が倒れたのは、デモ隊が暴徒化したからです。
で、デモの暴徒化を担ったのが、過激な民族主義者たち(いわゆる広義のネオナチ)であり、
それを後方援助していたのが、アメリカのCIAだったって話ですね。
いや当然ですが、デモ参加者に「暴徒化しろ!」と言ってる訳ではありませんよ。
ただ現実的に、平和なデモよりも、暴徒化した群衆の方が、政権崩壊に繋がりやすいという話で。
そして、それを今の時代にアメリカでやろうとしたのが、選挙で敗れたトランプでした(苦笑)。

> 逆に考えると今の支持率がある間は10万人のデモはないという感じでしょうか。
いや、出来ないって事は無いと思いますよ。
ロシアの人口は、日本よりも多い1億4500万人も居ますから、
その内の0.1%が集まるだけで、簡単に10万人という数は超えますので。
そういう意味では、やはりロシアは西側ほど自由な民主国家では無いですし、
それでも尚、反プーチンで立ち上がろう!とする人数が、充分に揃わない程度には、
国民からも支持されている・・・というか、アンチでは無いって所ですかねえ。

現状だと、やはり政治的な信念がある人くらいしか立ち上がらないでしょうし、
そういった人間は、社会全体だと一部に過ぎ無い事を思えば、
もっと反政権的な民意が高まるには、政治信条よりも、市民生活が苦しくなる必要があるかと?
いろいろ不満はあっても、そこそこ暮らしていけるなら、大多数の人はわざわざ立ち上がらないですし、
一般市民が立ち上がって変わるときと言うのは、男性だけでなく女性、特に母親たちが、
「子供たちの為!」にと集結した時に、運動自体が大きくなるって事が、歴史的には多いかな?
ただしロシアの場合、ダーチャと呼ばれる郊外別荘を、庶民たちでも結構保有しており、
経済制裁やコロナ禍の中でも、それで何とか自給自足が出来ちゃったりする社会なので、
他の国に比べると、なかなか崩れないって所はありそう(国防意識も世界標準よりも高い国民性ですし)。

> > また、プーチン政権は実質20年続いているという事で、
> > ロシアの若者たちは、良くも悪くも「プーチン時代」しか知らないんですよね。
> > それを評価しない若者も、それを評価する若者も、それぞれ居るのでしょうが、
> > どちらもプーチン基準でしか、なかなか物事を見られないと。
> > 「悪の独裁者を倒せば、平和が訪れる」などというのは、おとぎ話の世界であり、
> > 現実には「独裁者を倒すと、更なる地獄が訪れる」のが、歴史の常ですし・・・・

> ロシアで仮にプーチン大統領が革命的に倒されたとして、
> その後の政権はどういった指向の政権になるのでしょうかねぇ…
> ソ連が崩壊しても結局アメリカとの対立を指向する国であった訳ですが…
> 下の方でおっしゃられてましたが、ロシアまでNATOに加入して、
> アメリカの友好国といった路線にいくのか、結局プーチン的な人が取って代るだけで、
> 中露で反米勢力の代表格的な路線なのか。

いや本当、考えれば考えるほど、様々なシナリオが思い浮かびますよね。
独立の直後、エリツィン時代のロシアは、別にアメリカとは対立路線じゃなかっと言うか、
そもそも、対立するような余裕自体が無くて、エリツィンなど却って、
ソ連時代に逆行しないようにと、アメリカから相当の支援を受けていましたし(笑)、
新興財閥オリガルヒの支援の下、経済優先の新政権が誕生すれば、親米路線だって充分に有り得るかと?
また逆に、軍事クーデターとかが起こって、プーチン以上の強硬路線に進む可能性だってありますし、
ロシア社会が混迷して、中国の軍門に降るしか道が無くなる展開だって、あるかも知れません。
それとロシアは連邦国家であり、いくつもの共和国や自治区を内包してますから、
中央の統制力が弱まれば、独立宣言祭りになるかも知れませんし、内戦突入の可能性だってあります。
で、結局は混迷するロシアをまとめる為に、また別の強権的な指導者が誕生する事も充分考えられます。

正直な所、ロシアって、あまりにも多くの要素を抱えているので、
どうサイコロが転がるか次第で、様々な目が出る可能性があり、本当に読めない存在なんです。
逆に言うと、そんな不確定な国だからこそ、ソ連みたいな実験国家が誕生したりもすると(笑)。
「ロシアはヨーロッパか?アジアか?」なんて問いがありますけど、
ぶっちゃけ、あそこはヨーロッパでも、アジアでもなく、ロシアという1つの世界なんだと思います。

> ロシアがアメリカと対立的になることってそうメリットがあるとは思えないんですよねぇ。
WW2オンラインをプレーすると、実感できるかも知れませんけど、
地政学的に言うと、実はロシアって、アメリカのベスト・パートナーです(笑)。
アメリカは海を通して、欧州とアジアという2大世界と面していますが、
ロシアは陸続きで、欧州とアジアに面しており、
海洋国家と大陸国家で住み分けしつつ、この2大世界を挟み込む立地にある為、
分け合って支配する事が可能なんですよね。
同盟関係ではなく、仮想敵同士でしたけど、それが最も上手くハマったの冷戦構造です!!
言い方は悪いですが、米ソがプロレスを繰り広げる事で、欧州とアジアを分割支配できたと。
ちなみにアメリカから見て、イギリスと日本は、それぞれ欧州とアジアへの橋頭堡として最適です(苦笑)。

> 中国は一応社会主義国家ですがロシアは資本主義国家なわけですし。
> まぁ、この対立構造を持ち出すこと自体が時代遅れと言われればそれまでですが。
> 資本主義側の2番手群(イギリスやフランス)と同格の国としてやっていけばいいのになぁ
> と思ってしまうのは的外れなのでしょうか。

それこそ、少し前に別スレッドで語った↓
http://tokuou.s500.xrea.com/cgi/kjbn/kjbn.cgi?tree=c23844
ソヴィエト連邦時代の「世界の超大国」路線から、
ロシア帝国時代の「欧州への大国」路線に回帰ですね。
これはこれで、普通にアリだとは思いますよ。

と言いますか、ロシアがEUに所属した方が、今よりも大きな存在感を発揮できるかと?
欧州議会は、ほぼ人口比に応じた議席数が、各国に割り振られていますが、
ロシアの人口は、EU最大のドイツの2倍近くある上に、
エネルギー供給では、EU諸国の首根っこを押さえている事を考えると、
ロシア単独でも、EU内でかなりの存在感を発揮できますし、
ドイツとロシアでタッグを組めば、EUを主導でき、旧共産圏も影響下におけて、アメリカにも対抗可能です。
でもまあ、そんな新たな加盟国の登場は、現時点で主導権を握るドイツやフランスを始め、
旧共産圏の東欧諸国だって望んでいないでしょうし、
そして何より、EU加盟により自由な動きを制限される事を、ロシア自体が望んでいないと。

ですから逆説的に言うと、今回のような戦争があり、そしてプーチンが失脚した直後でないと、
ロシアのEU加盟なんて厄介な問題は、トントン拍子じゃ進まないでしょうし、
そういう意味では、チャンスがあると言えば、チャンスがあるんですよね。
何か大きな事が起こった直後のドサクサじゃないと、複雑な政治力学の構造って、大きく変化しませんので。

> > > 日本でも一時期あった反安倍政権のデモでももっと多い人数でしたし…
> > > 何だか物事を自分たちの考えたい方に取っているような気がするのですよねぇ。

> > 反安倍政権というか、2015年に国会周辺で行われた安保法制の反対デモが、
> > 主催者発表で12万人(実際には10万人弱かな?)でしたね。
> > ちなみに、オグリキャップ引退の有馬記念に詰め掛けたファンが17万人(笑)。
> > って、日本ではデモで10万人が集まっても、あまり影響が無いんですよね・・・・

> まぁ、それだけの人数が集まっても結局のところ次の選挙で自民党が負けたかというと…
> 仮に自民党が敗北をしていればその時に集まった人からすれば「それ見たことか!」と言えますが、
> この情勢だとただ単にマイノリティの集まりとしか見られませんからねぇ…

まあ、安全保障の問題なんて、一部の人が強く関心を持つだけで、
大多数の人は、そこまでの関心は無い対象の話ですからねえ・・・・
経済ほど生活に直結する訳でもなく、影響が出るのも恐らくは20年30年後の話ですし。
と言いますか、賛成にせよ、反対にせよ、強く関心を持ってる人にしたって、
では実際、どこまで深く考えているかとなると、何となくとか、気分的にと言うのが多数派かと?

例えば、集団的自衛権に関して言うと、日本が最も影響を受けるのって、
アメリカと同盟関係にある韓国で、第2次朝鮮戦争が勃発した場合に、
今までと違って、日本も実質的に自動参戦となる可能性が高くなり、
その為に、北朝鮮からも先制攻撃を受ける危険性が、格段に上がった事を意味するのですが、
「韓国を守る為に、日本の市民が犠牲になる」事に関して、嫌韓な保守層はどう考えているのでしょう?
恐らくは、その辺りまで考えずに、保守というスタンスだから賛成というか、
もっと言うと、ネトウヨ層に関しては、左翼が反対するから賛成って所もあるかも知れません(笑)。

その一方で、安保法制に反対するリベラル層の方も、
本気で法案を潰したいなら、創価学会の婦人部を戦略的に巻き込むべきだったと思うんですよね。
現在の自民党は、公明党の意向を無視しては物事を進められませんし、
公明党の方は創価学会の意向に逆らえず、創価学会も実働部隊の中核である婦人部を無視できません。
そして婦人部というのは、簡単に言ってしまえば「お母さんたちの集団」であり、
何だかんだ言って創価学会は、戦前からの経緯もあり、平和主義を掲げている教団なので、
「子供たちの将来的な危険性」を訴えれば、動かせる可能性もあったと思うんです。
しかし、そういった戦略的な動きは見られず、反対運動自体が目的化していた印象もあり、
こちらもこちらで、本気で何とかしようと頭を悩ませてる人は少ないだろうな、と感じてました。

要するに、大多数の市民は大して関心が無いのは当然として、
賛成や反対を主張する人々も、結局は中身にまで関心が無いのがほとんどだと。
と言うか、そもそも、これを通した当時の安倍総理自身が、法案を通す事を目的化していて、
法案の中身の方は、そんなに関心が無い事も、透けて見えてましたからねえ・・・・
でもまあ、結局の所、人間ってそういう生き物でしょうし、
そうした人々の集合意見が民主主義の実態なので、そんなモノだろうなとは思ってますけどね(笑)。

> 声が大きいだけの少数派って結局のところ反発を受ける方が多いと思うんですよねぇ。
> 根拠はと言われるとありませんけど。

う〜ん、そうした側面が無いとは言いませんが、
どちらかと言うと、それで反発するのは、逆方向にいる「声が大きいだけの少数派」かな?
大部分の人は、自分の関心が無い主張なんて、「ふ〜ん」と聞き流して気にも止めませんし、
それで引っ掛かるのは、逆鱗じゃないですけど、反対方向にアンテナが立っていてこそです(笑)。

ただ一方で、幾らか小さいモノでも、いったん「流れ」が生まれてしまえば、
深く関心を抱かない人たちほど、無意識というか、何となくな空気感で流れに乗っかり、
それが積み重なって、やがては大きな流れになる事も、決して珍しくは無いですからねえ。
勝ち馬に乗るとか、そこまで明確な意識はなく、それこそブームに乗るみたいな感覚で。

例えば政治の話を続けるなら、知事の人気とかって、その辺りが顕著に現れやすく、
小池知事にせよ、橋下知事にせよ、東国原知事にせよ、
初当選時の選挙では、そこまでの得票率で勝ってる訳じゃないんですよ。
しかし、ひとたび当選して、マスコミも大々的に報じると、一気に支持率が爆上がりすると!
それこそ、選挙前の賛成・反対なんて意見は、簡単に消し飛んでしまう程に(笑)。

> > と言いますか、今回ロシア国民に「立ち上がれ!」と言ってる人の何割くらいが、
> > この安保法制の時に立ち上がったのでしょうか?
> > もっと言っちゃうと、安保の時は逆にデモに反対するというか、
> > 小馬鹿にして批判してた人の方が、何となく多数派なイメージ(根拠は無いですけど・笑)。
> > でもまあ、ロシアの反戦デモで捕まってるような人たちって、
> > 恐らく日本に居れば、SEALDsみたいな人たちでしょうからねえ。

> 多分今「立ち上がれ!」と言っている層と安保法制の際に反対と言っていた層は違う層に思いますね。
> 今「立ち上がれ!」と言っているのはネトウヨのような人たちの気がします。
> むしろ層としては当時の安倍総理支持層かなと。
> 彼らは欧米でいうところの極右民族主義的な思想のように感じますね。
> だからこそウクライナのために立つウクライナ民族支持(共感)なのでしょうし、
> ロシアの為に立たないロシア民族に立ち上がることを求めるのかなと。
> まぁ、欧州の極右政党はこの件はどちらかというとロシアよりのようですが。
> 自分たちの国第一の考えなのでロシアの戦争よりもロシアの制裁への反発による自国資源の高騰に反発している感じですね。
> まぁ、自国の利益が第一という感じですね。

いや〜、恐らくは そんなに深く考えてはいません(笑)。
本当に、自らの思想信条に基づいて動く人であれば、
その行動基準というのは、当然ながら、その思想信条によって導き出されますが、
ネトウヨ層・・・と言うか、それ以上にもっと大勢の人は、
結局の所、掲げている思想信条などは、見せかけだけの表面的な旗印であって、
その行動基準は「自分にとって得か?」であり、更に言えば「どれが心地よいか?」ってモノかと。

ですから、ゼレンスキーがアメリカ議会でのオンライン演説で、
真珠湾攻撃に関して触れただけで、手のひらを返してしまう訳ですね。
それまでは、ウクライナを応援・・・と言う以上に、ロシアを叩く事が心地よかったのに、
ゼレンスキーの演説で不快にさせられたから、今度はウクライナを叩くべくネオナチ論に傾倒すると。
そういう意味では、一昔前までの右肩上がりな時代と違って、
停滞期から下り坂へと突入した昨今の社会情勢下では、
自分が何かを得る事よりも、他者が何かを失う方が、より得に感じるというか、
そちらの方が機会が多いからこそ、大バッシング時代を迎えているような気はしますね。
「自国第一主義」とか言っても、どうすれば国益が最大化するか?ではなく、
どこに叩けるターゲットが居るか?の方が、その主題になってしまっている感もあります。

それこそ、「嫌なら日本から出てけよ!」という決まり文句にしても、
だったら民主党政権の時には国外にしてたの? それとも当時は民主党政権支持だったの?と問えば、
出来損ないな言い訳を、あれこれと並べられる姿が目に浮かびますし、
そういうタイプの人たちが述べる愛国心って、結局は中身が嫌韓反中でしか無かったりするので。
いやいや、日本を愛するのなら、日本について語ってくれとは、常々思わされるんですけど、
こうした風潮って、それこそ20年前はネット内に限定されてましたものの、
ここ20年でネットから世間へ広まる傾向も定着し、今ではネットに留まらなくなりましたからねえ。
結局、ストレスが増大した社会の中で、何かを叩いてスカッとしたい欲求が高まっているのでは?

> > ちなみに当時、たまたま東京駅からバスに乗った際、デモの影響でルート変更となり、
> > 偶然、高い位置の車窓からデモの様子を見下ろせましたけど、実際に凄い黒山の人だかりでしたよ。

> それは貴重な体験ですね。

東京駅に下りた際、上空を何機ものヘリコプターが旋回していて、
「いったい何事だろう?」と思ったのですが、バスの車窓からの風景で謎が解けたと(笑)。

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