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[23879] ゼレンスキーの国会演説を終えて(その2)返信 削除
2022/3/23 (水) 19:27:39 徳翁導誉

> > > > > ウクラナイナ全土に侵攻してしまった今となっては着地点が見えないなと。
> > > > 恐らく当初は、ロシア版の「対支一撃論」だったのかな?と、個人的には見てますね。
> > > > ウクライナなんて、ロシア軍が1発強烈に喰らわせれば、すぐに折れるって感じで。
> > > > まあ実際、8年前のクリミアでは、驚くほどアッサリと事が進んだ為、
> > > > その成功体験に引きずられて、ウクライナ全土でも上手く行くと、安易に考えてしまったと。

> > > 私もこれについては同意ですね。
> > > 一撃を加えれば東部は諦めるだろうと思っていたと思います。

> > ここで言う一撃の成果は、東部2州の独立承認だけに留まらず、
> > 現在の和平交渉で、ロシア側が求めてるような条件も呑むこと込みですけどね。
> > と言いますか、仮にわずか数日で終わったとしても、
> > これだけの兵数を動員して、東部2州の独立承認だけでは割に合わないですから、
> > 中立化&非武装化は非現実的なので、同盟締結とロシア軍駐留という条件くらいは求めそう。

> まぁ、ゼレンスキー大統領が逃亡すれば、
> 治安が回復するまでと言ってロシア軍の駐留のハードルとかは低かったでしょうからねぇ。
> 非武功は無理でも中立化もしくは親露化は可能だったように思えますね。

駐留以前の話として、まずは占領する事が必要ですから、
それを考えても、大統領が逃亡すれば、混乱もしますし、戦意喪失もするので、
ロシア軍としても、スムーズに事が運んだ可能性はありません。
それこそ開戦の直後、「キエフは2〜3日で陥落」という予測が出た時点で、
アメリカ側としても、ゼレンスキーの脱出計画は進めてたはずですし、
やはり一般的には、その計画に乗って、国民を捨てて脱出しちゃうケースがほとんどなんですよね。
そういう意味では、その後に見せるゼレンスキーのアピール力以上に、
この際の決断力の方が、実は戦況を大きく左右したと言えます。

また一方で、そうやって踏ん張っても、ウクライナ軍が混乱している数日以内に、
一気にロシア軍が押し寄せてしまえば、そこでチェックメイトな展開だって有り得ましたが、
目先の消耗を気にして出し惜しみをしたのか? 一度に全軍を動かす能力に欠けていたのか?
その理由は何故だかは解りませんけど、ロシア軍は事前に配備させてた20万人の兵力を全投入せず、
戦力の逐次投入という愚を犯していったのも、当時から気になる点ではあったんですよね。
今更な指摘かも知れませんけど、これもやはり大きかったかと思われます。

> > 逆に言うと、東部2州を諦めて、シャンシャンと手打ちをするには、
> > やはり開戦前でなければ無理だったと思いますし、

> う〜ん…仮に東部2州をあっさり諦めてしまえばさらに次へ次へと要求されると警戒しませんかね。

いくらロシアが横暴とは言え、ロシア軍が実効支配してないエリアまで、
ロシア側に寄越せと主張した所で、現実的に実現するべくもありません。
そうなると、8年前のように武力蜂起させたり、今回のように戦争を始めたりと、
実効支配に至るまでの下準備が、非常に大変なモノとなりますので、そうそう実行できませんよ。

ちなみに、ここで言う「東部2州」というのも、2州の全域ではなく、
あくまでも親ロシア派の支配地域に対してであり、それも独立を承認と言うよりは、
韓国と北朝鮮の間にある休戦ラインのように、ドンバス地方にも休戦ラインを引いて、
そこを実質的な国境線とする事で、戦争の口実や、支配地域の拡大を防ごうという意図ですね。
大統領就任時のロシア側からの要求は、停戦の遵守と、双方の捕虜を全て解放する内容でしたので、
ロシア側の負担の大きさを考えると、緊迫化前であれば、そこで手を打てた可能性が高かった気がしますが、
東部2州の奪還を公約に掲げて当選し、当然ながら話し合いでは埒が明かず、支持率が急落すると、
新兵器を投入して武力で奪還しようとした選択が、決定的に悪手だったと私は思ってますからね。
この戦争が始まって以降、ゼレンスキーの評価が爆上がりになって、有耶無耶になってますけども・・・・

う〜ん、何というか、そりゃウクライナ側の立場を考えれば、確かに言い分も解るんですよ。
ロシア寄りなヤヌコービッチ政権を転覆させたと言っても、それはあくまで国内問題であり、
そんな事を理由に、国土の一部を奪われたとあっては、国民的に納得など行かない事でしょう。
ですけど、ゼレンスキーが取った行動というのは、ヤクザに喧嘩を売るようなモノですからねえ。
もちろん、理不尽な要求を受けても、それを毅然と拒否すれば格好良いですし、
ヤクザが仕返しに発砲してきたら、社会通念的に悪いのは明らかにヤクザの側ですよ。
とは言え、その発砲により、家族が命を失うなんて事になったら、
一家の主として、その対応が間違いでは無かったと、本当に言えるのでしょうか?
ヤクザだって、ナメられた おまんま食い上げですから、暴力行為に及ぶ可能性は現実的に充分あります。
今回の一件って、解りやすく言ってしまえば、そういう話だと思ってますし、
警察は介入せず、家族の犠牲は増えていき、それでも正義を貫く事は、本当に正しいのか否か?
どれだけ世間から喝采を浴びても、今更 後には引けなくても、
私自身の感情で言えば、「立派だ!」と称える気には、とてもなれないんですよね。

って、話が途中で逸れてしまいましたが、実効支配が重要という事を踏まえると、
ウクライナ全土の占領には遠く及ばないとは言え、既にこの戦争の結果、
現時点でも、そこそこ地域はロシア軍の占領下に入ってしまっていますし、
どれだけウクライナ軍が善戦しているとは言え、ロシア軍を押し返すほどの力は無い以上、
一時的にせよ、仮に停戦が為ったとしても、当然ながらロシア軍は占領地域から兵など引きませんよ。
そうなれば、停戦ラインは開戦前の東部2州を2分するラインから、現在の前線のラインとなってしまい、
こんなモノ、ウクライナ側が飲めるはずもありません・・・・
逆にロシア軍の側からすれば、これだけ兵士の血を流して、今更東部2州の中間線には戻れません。
だからこそ、みかじめ料をヤクザに払う感じに、東部2州の中間線で双方妥協するのが最善だっただろうと。
いや本当、これは後出しジャンケンではなく、既に1万人以上の死者を出してる時点で、
納得できなくても妥協するのが、最も現実的な選択だと思ったんですよ、個人的には。
プーチン政権だって、いつまでも続く訳でもなく、そのうち状況だって変化するかも知れず、
そうした機会を逃さないよう、ウクライナ自体を豊かにする方が、却って早道だとも思いましたし。

> 海路はありますが、セヴァストポリが孤立してますし、
> 次はセヴァストポリに繋がる地域を…といった感じに要求がエスカレートする可能性も考えると、
> あっさり損切りという判断も難しいかなぁと。

実効支配しなければ、いくら要求しても、非現実という話自体はそれとして、
実現性の程はともかく、ロシア側の戦略というか、理想を言えば、
2014年時に示された「ノヴォロシア連邦」の領域が、勢力圏の目標範囲を示している気がします。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/79/2014_pro-Russian_unrest_in_Ukraine.png
そして今回、キエフの陥落まで目指すとなれば、このノヴォロシアの領域に加えて、
ドニエプル東岸に残る3州と、ドニエプル川と面する西側の3州も、追加されるのかな?と。

ただ、現在の戦況を見ると、単に南部の守りが薄かった可能性もありますが、
結果的には現時点で、クリミア周辺の沿岸部の占領が最も進んでますし、
ロシア軍の側も、東部2州の完全掌握より、クリミアとの地続き化を優先しているのが解り、
それだけクリミア(セヴァストポリ)を最重視している様子が伝わります。
となると、黒海沿岸の東部を占領した後は、沿岸西部の占領を目指すんですかねえ?
オデッサを落とせば、ウクライナは完全に海路を失いますし、
親ロシア派が実効支配する 隣国モルドバの沿ドニエストル地域とも、地続き化が成りますから。
とは言え、ハリコフ攻略もこれだけ苦戦するとなると、オデッサ攻略も簡単じゃ無いはずで、
マリウポリを落として沿岸西部への輸送路を確保した上でないと、安易に作戦へ動けないとなれば、
ロシア軍が全線で立て直し、再攻勢を仕掛けるタイミングというのも、ここらから逆算できるかも?
って、一向にハリコフが落ちないなら、沿岸東部から そのまま北上て、挟撃を図るかも知れず、
何よりも首都キエフの陥落を優先するなら、ドニエプル西岸から北上して、挟撃を図る可能性もありそう。
当たり前の話ですが、結局はロシア側の優先順次第で、いろいろと作戦方向は変わるでしょうし、
そもそも、このまま熾烈なウクライナ軍の抵抗が続けば、侵攻自体が進まない可能性も十分あります。

ただ、結果的にであれ、意図的にであれ、南部の戦闘が激戦化していて、
クリミアとの地続き化や、沿岸部の完全奪取が、優先して進められる展開であると、
これはもうロシア側にしても、中長期戦は覚悟したって戦略方針だと思うんですよね。
元々の「ノヴォロシア連邦」案でも、キエフを含む北東部はターゲットでは無かったですし、
政治的に、首都陥落のインパクトが大きい為、そちらも狙ったと考えれば、
占領ラインで一旦停戦が行われるなら、確実に押さえるのは、むしろ南東部の方であると。
逆に言えば、南東部だけでなく、北東部まで目標を加えた事で、同時に二兎を追う形となり、
それでも行けるとウクライナ軍を侮った結果、未だロシア軍は一兎も得られていないのかな?
同じ南東部でも、ハリコフと沿岸部を別と考えれば、2正面どころか3正面作戦になってますし。

2月24日に、ロシア軍のウクライナ全面侵攻が始まりましたけど、
そこで電撃戦が成功すれば、恐らくは3月18日の「クリミア編入」記念日を目安に、
ロシア側としては、勝利を収めたい構想だったと思うんですよ。
ですが電撃戦は不発に終わり、今後 立て直しの再攻勢が行われるのだとすれば、
次なる目安設定は、5月9日の「対独勝利」記念日となるでしょうし、
それも不発に終わって、中期的な包囲作戦に移行したとすれば、
その次の目安設定は、9月2日の「対日勝利」記念日となりそうな気がします。
で、これ以上 戦争が長引くようなら、記念日に合わせてとか、
そんな余裕は全くなくなるでしょうし、そこまで行っちゃうと泥沼の長期戦かな?
ウクライナもロシアも、冬の寒さは厳しいので、年越しあたりに もう1回、
事態が動くタイミングがありそうですけど、それさえ越えたら本当に終結が見えません・・・・

ただ言えるのは、目前に迫ってるであろうマリウポリ陥落の後、
クリミアとのランド・ブリッジ(陸上輸送路)を確保したロシア軍の部隊が、
続いて どちらに向かうかで、プーチンの考え方が見えそうだという事。
それがキエフ方面に進むなら、未だ数ヶ月以内の短期決着に固執しているって事でしょうし、
それがオデッサ方面に進むなら、中長期戦も覚悟してジックリと腰を据える感じでしょうし、
それがハリコフ方面に進むなら、とにかく占領地を確保した上での停戦を望んでるのでしょうし、
相も変わらずに3正面作戦を続行するなら、ウクライナ側にも一筋の光明が見えてくるかも?
いかに大軍でも、それが分散していて、更には戦意も低く、補給も不十分となれば、
各個撃破の可能性も出てきますし、一旦どこかで撤退が始まれば、雪崩を打って総崩れも有り得ると。
そして、こうなってしまえば、もうプーチン政権は終わりでしょうけど・・・とは言え、
これで「めでたし、めでたし」と終わるかとなれば、ウクライナはまだしも、ロシアはそうは行かず、
今度はロシアの不安定化が、世界に大きな不安の種を撒き散らすかも知れません・・・・
それこそ100年前に起こった、ロシア革命の二の舞のような感じで。

> > > ここまでの動きを見るとウクライナ軍の抵抗はロシアとしても予想外だったのでは?
> > > と思うのですが…

> > まあ実際、負ける事など考えたくは無くても、
> > 最悪のケースまで念頭に置きつつ、最大限の努力で、最善を尽くして戦うのが、
> > リアリストであるべき軍人や政治家の在り方だと思いますけどねえ。

> もちろん敗北シナリオは考えるべきですが、
> 正直消耗戦というぷらんDは最も悪手かと。
> それなら損切りで撤退して御免なさいした方が利口だと思うんですよねぇ。

もちろん、「軍事的な正しさ」で言うなら、その通りです。
ですが現実的には、「政治的な都合」というモノが、その上に存在し、
軍事的な正しさと、政治的な都合は、常に一致する訳ではありません。
そうなると最終的に優先されるのは、軍事的な正しさよりも、政治的な都合の方なんですよね。
そして多くの場合、その「政治」の根幹を為すのは、国家全体の利益と言うよりは、
権力を握る人々の保身であったり、私利私欲であったりすると・・・・

ハッキリ言って、軍事的な正しさが最優先されるのであれば、
今回のロシア軍にせよ、太平洋戦争時の日本軍にせよ、
損切りとか撤退以前に、そもそも開戦自体を行っていないはずです(苦笑)。
だからこそ、逆説的に言えば、中世の王政国家とかの方が、
国王という個人の下、軍事と政治が より近い関係にあり、戦争のコントロールも用意だったと。
その一方で、近代的な民主国家は、国力増強の上では格段に上ですけど、
戦争のコントロールという意味では、途轍もなく困難なモノになっているかと思われます。
今回は、攻め込まれた相手がヨーロッパの国だったからこそ、これだけ騒がれてるだけで、
選挙目的で安易に兵を出し、支持率や保身を考えると有効な打開策が無く、
グダグダになって有権者の嫌気が満ちた所で、無責任に切り上げて混迷が深まる・・・なんて展開が、
冷戦終結以降の30年でも、一体どれだけあった事か・・・・

と、そうした過去の話はさておき、現在のロシアの話に戻すと、
泥沼の消耗戦をするくらいなら、素直に手を引く方が賢い選択でしょうし、
プーチンや軍上層部にしても、そんな事は百も承知だとは思います。
ですが、これだけの大軍を動かし、これだけの資金や物資を注ぎ込み、それ以上に兵士や将官を失い、
経済制裁も喰らい、国民の不満も高まり、それで何も得られず負けて引いたとなれば、
プーチンや軍上層部は実権を失うだけでは済まず、恐らくは逮捕や命の危険だってあるはずです。
これで引いて、権力が維持できるほど、プーチン体制は盤石であるとは思えないですし。
それを思うと、国家・国民・国軍の事を考えれば、引く方が妥当な策であっても、
自分たちの事を考えると、まず間違いなく、そんな決断は出来ないはずです。
却って、そんな決断が行えたとすれば、それはそれで凄い事だと思います!!
その決断が出来たとすれば、開戦判断の咎はともかく、自己保身よりも国益を優先したって事なので。

> もちろんすぐに制裁は解除されないでしょうし、賠償支払いまで必要になるかもしれませんが…
> まぁ、理屈で分かっても感情は納得できないかもしれませんが。

う〜ん、ロシアが「敗北」を認めた場合のシナリオかぁ・・・・
プーチン政権が転覆して、親欧米派の政権が誕生したともなれば、
西側諸国らの制裁も、案外すぐにでも解除されたりするのかな?
特にEU諸国の場合、ロシアへの天然ガスの依存度を考えると、
旧共産圏の東欧諸国は、100%に近い国とかもありますし、
西欧諸国でもドイツやイタリアは、50%くらいありますからねえ。
大義名分さえ整えば、背に腹は代えられないと思いますよ。

あと、その場合に賠償金を払うかとなると・・・そもそも、この手の戦争で、
侵攻側が素直に負けを認めるケース自体、大戦後はほぼ無いかと思いますし、
その上、賠償金までとなると・・・湾岸戦争くらいなのかな?
第1次大戦の教訓もあって、過度な賠償金請求は御法度になってますし、
第2次大戦での賠償金が、実質的には最後な気もしますね。
とは言え、ウクライナの復興費だって、確実に必要なる事を考えれば、
EU諸国がロシアから購入するエネルギー代金の一部を、ロシアに渡さずプールして、
それをウクライナ支援の原資とする方が、賠償金よりも実現の可能性が高いかも知れませんね。

また、プーチン政権が存続した上で、ロシア軍が撤退した場合でとなると、
講和条件にも依りますけど、恐らく西側諸国は制裁解除など即応しないでしょうし、
賠償金を払うレベルまで、ロシアが負けを認めるとは思えません。
もしも有り得るとすれば、ウクライナの方がゴメンナサイして、
ロシアから支援金を受ける形でしょうか?
まあ、これは和平というか、実質的なウクライナの有条件降伏でしょうけど。

> > > ただ、長期化は負担も多いでしょうし、引きどころは想定していないものですかねぇ…
> > このまま順当に進めば、少なくとも首都キエフまで落とせると考えているでしょうし、
> > そこまで行けば、ゼレンスキーが逃げるなり、確保するなり、死亡するなり、何らかの結論が出た上で、
> > とにかく新しい大統領は立てるでしょうから、とりあえずは、そこで1つの区切りは着きますよね。
> > まあ、そこで引いたらアッと言う間に、傀儡政権など瓦解しそうですけど、
> > その辺の都合は別として、とにかく引きたいのであれば、そこはポイントにはなります。

> ウクライナが混乱して少なくとも今後数年もしくは数十年NATOへの加入がなくなったとみれば、
> ある意味でも現時点でロシアの最低限の目標は達成した気もしますけどね。

う〜ん、正直な所、そもそもウクライナやグルジアのNATO加盟って、
アメリカがロシアを揺さぶる為に、両国の望みを利用していただけの側面が強く、
その実現性など望み薄である事は、ロシアだって、それなりに理解はしていたはずですから、
ぶっちゃけた話、それは開戦のための大義名分というか、そこまで深く気にしていないと思うんですよ。
それに、地続きの隣国が混乱しているといのは、決して望ましい事ばかりでは無いので・・・・

> ただ、誤算は親露国になる可能性を削いでしまったことでしょうけど。
でも現実的には、開戦前から既に難しくなっていた面もあるんですよね。
ハッキリ言って、元々は同じソ連国民であり、民族的にも近く、ロシア語話者も多いので、
両国間で交流もありますし、親近感だって高いのは事実だったと思います。
しかし一方で、ソ連が崩壊して、ウクライナやロシアとして独立した後、
新たに生まれたEUと、混迷するばかりのロシアを比べた場合、
一体どちらに属する事を望むかとなれば、それはロシアへの親近感よりも、
EUに対する憧れの方が遥かに勝っていた事も、否定できない事実だと思うんですよね。

ただ一方でEU側からすると、旧共産圏の東欧諸国ですら、お荷物な感があるのに、
更に欧州の東端にある旧ソ連諸国など、西欧諸国として関心が薄かったでしょうし、
東欧諸国よりも、国内が混迷してるとなれば、尚更 消極的であったと。
そういう意味では、必死に旧ソ連諸国を繋ぎ止めようと、支援をくれるロシアというのは、
良く言えば現実的、悪く言えば打算的なパートナーなのであって、
理想を言うなら、EUこそが夢の彼方のパートナーである気持ちは、誰にもあったと思います。

で、親EU派と親ロシア派の争いというのは、ウクライナ系とロシア系の対立もあったでしょうが、
それ以上に、理想主義か?現実主義か?の争いという側面の方が強かった気がします。
しかし、2014年のウクライナ騒乱に伴う、クリミアの編入や、そこから現在まで続くドンバス紛争は、
独立以降 長く続いてきた、ウクライナ系とロシア系、理想主義と現実主義の対立を、
一時的かも知れませんが、かなり鎮めた側面はあるらしいんですよね。
言うなれば、日本軍という共通の敵が出来た事で、国共合作がなったイメージに少し近いのかな?
まあ、それって要するに、親ロシア派の心が、ロシアから離れてしまった事を意味しており、
もうその時点で、「親露国になる可能性」というのは、かなり低かったと思うんです。
簡単に言えば、いくらロシアに親近感があっても、彼らはあくまでもウクライナ国民であり、
自国に仇なす存在となれば、親近感など消え、現実的なパートナーでも無いって感じですよね。

そうした事情は開戦前から、プーチンだって解ってたと思いますし、
もっと言えば、8年前のクリミア編入や東部3州の独立宣言だって、
プーチンの本音からすれば、正直、あまり望んでいなかった事だとは思うんですよ。
それで得られる利益と、それで失う損失を天秤で掛ければ、デメリットの方が大きく、
そんな強攻策よりも、時を見て、再びロシア寄りの政権誕生を待つ方が有益であると。
ですが一方で、自国開催のソチ五輪やロシアW杯を人質にされつつ、
このまま好き放題にやられてるのを、黙って見過ごすとなると、
強権的なプーチン政権の支持基盤を揺るがしかねず、
また、クリミアや東部3州では、軍やFSBの下工作が進められていたであろう事を思えば、
この状況下でGOサインを出せないのでは、彼らの支持だって失いかねないはずで、
(下手をしたら、既に後戻りできない段階で、承認を求められた可能性だってありそう)
国益よりも、政権の維持を考えて、仕方無く決断・・・って印象が、個人的に当時はありました。
それこそ、満洲事変や北支事変で、政府としては不拡大の方針であっても、
結局は状況に抗えず、承認してしまう感じに似ているのかな?


> > とは言え、ここまでの大軍を動員したとなれば、
> > キエフだけでなく、ハリコフやオデッサも落として、
> > ドニエプル東岸と黒海沿岸の地帯だけは、確保しないと引けない気はします。
> > ただ、そうやって求めれば求めるほど、長期化や戦死者増加のリスクは増す一方ですけどね。

> この一週間正直戦線ってそこまで動いていない気がするんですよねぇ…
> 停戦交渉が進んでいるからかもしれませんが、
> もしかすると本当にロシア軍の限界が早くも来たのかとも思ってしまうんですよねぇ…

「限界に達した」というのは、一面では正しいと思いますよ。
しかしそれは、開戦前に用意してあった物資が限界に達したという事であり、
ロシア軍自体が限界に達したというのとは、ちょっと違うかな?という気がしますね。
電撃戦を念頭に始まった作戦が行き詰まり、いったん小休止に入ったと。
言うなれば、戦争の「第1フェイズ」が終わっただけで、
この静けさは、第2フェイズへと移り変わる前触れ期だと思うので、
停戦交渉がどうこうというのは、現実には大して影響ないだろうと思います。

そもそも、2月下旬に開戦となったのは、それ以上 遅らせると、
雪解けの季節を迎えて、大地がぬかるみ、進軍が困難になるからであり、
そして現在、補給線が伸びた事も相俟って、
ロシア軍が兵站の確保に苦労しているであろう事は、想像に難くありません。
また、逆に言えば、だからこそ電撃戦が念頭にあり、事前に準備した物資もその程度だっただろうと。

そういう意味では、ここらで一旦 戦線が膠着するであろう事は、個人的にも想定内でしたが、
しかし一方で、1ヶ月経ってもハリコフが落ちないというのは、正直予想外でした。
首都キエフと違い、ハリコフはロシア国境から、わずか40kmの距離にありますし、
8年前にロシア側が仕掛けた、ウクライナ東部の独立工作においても、
ハリコフは、ドネツクやルガンスクと同じく、ターゲットとなりましたからねえ。
他の2州と違って、ハリコフ州では放棄した親ロシア派が鎮圧されてしまった為に、
橋頭堡を確保できなかっただけで、ロシア側も攻略目標としての優先度は高かったはずです。
また、キエフ総攻撃という作戦面から考えても、ハリコフにも兵を出していては兵力が足りず、
かと言って、ハリコフを背にしてキエフを目指せば、挟撃や後方遮断の恐れがあるので、
キエフを攻める上でも、ハリコフの陥落は前提条件であると思うんです。
そこを思うと、ウクライナ軍は善戦してますし、ロシア軍は苦戦しているのでしょうね。
(マリウポリなど南部の戦況ばかり報じられ、ハリコフなど東部がスルー気味なのは何故なんでしょ?)

そういう意味では、ここは1つの交渉タイミングである事は確かなのですが、
プーチンが妥協できるラインと、ゼレンスキーが妥協できるラインを考えると、
この段階で折り合いを付けられる可能性は、残念ながら、ほぼ皆無だと思うんです・・・・
プーチンも、ゼレンスキーも、下手な妥協は政治生命どころか、リアルに生命が危うくなるので。
となると、ロシア軍が立て直しを行って、再度の攻勢に打って出るはずで、
仮に、立て直しが行えないほどロシア軍がガタガタなら、プーチン政権が一気に瓦解しそう。
とは言え、さすが現状では、そこまでガタガタでは無いだろうと予測すると、
戦争の「第2フェイズ」への突入は避けられないでしょうし、
ロシア側の余力を考慮すると、優勢に事を進めるなら、これが最後の機会となるはず。
ベラルーシ軍に対する参戦プレッシャーも、かなり上がって行くでしょうし、
そういう意味では、勝利の為には形振り構わず、市民に被害を出す攻撃だって躊躇しないはずで、
ここに突入してしまうと、戦場はより凄惨となり、犠牲者の数も1ケタ上がるかと思われます・・・・
そうなった場合に、まずはハリコフ、そしてキエフが持ち堪えられるかですよねえ。
(今でこそ膠着状態なものの、キエフとハリコフが落ちれば、ドニエプル東岸は一気に崩れかねない)

ただ、そこで持ち堪えてしまうと、ロシア軍が諦めて撤退する可能性もあるでしょうけど、
それ以上に、手段を選ばず大量破壊兵器を用いる危険性の方が増すでしょうし、
そして恐らく、可能性として最も高いのは、市民を巻き込んでの泥沼の市街戦な気がします。
で、こうなってしまうと、犠牲者の数は1ケタどころか、2ケタ上がる事になるかと・・・・
これが、この戦争の「第3フェイズ」って所でしょうけど、
ここから立て直して、優勢に事を進めようとすれば、中国の後援が不可欠になるかな?
経済的に考えれば、中国が今のロシアを助ける、デメリット以外の何物でも無いですが、
しかし一方で、このままプーチン政権が瓦解して、隣国のロシアが不安定化してしまったり、
ましてや親米政権など誕生してしまった日には、中国の安全保障にとって重大なリスクですし、
半ば仕方無く、プーチン政権を支える可能性は、西側で思われてるほど低くはないと思います。

> ロシアとウクライナの発表するロシア軍の損害に差がありすぎで実数が分かりませんが。
> それなりに損害は出ているのでしょうし、もしかすると当初想定していたよりも被害が大きく、
> 既に限界なのかもと。

損害という意味では、わずか1ヶ月あまりで、5名もの将官が戦死した事は、
ロシア軍にとって非常に大きな痛手でしょうし、これは絶対に想定外だったと思います。
この戦争に投入されてるロシア軍の将官が20名だそうですし、
ここ50年間で、戦死した米軍の将官は2名などと聞くと、尚更ですね。
兵士たちの士気の低さも問題でしょうけど、指揮系統が乱れるのは それ以上に問題なはずです。
また、この損害の衝撃は、軍の上層部にダイレクトに響いていそう・・・・
末端の兵士が大勢死ぬよりも、肩を並べる数名の将官が死ぬ方が、より身に迫るでしょうから。

こうなってくると、仮に戦争が長引いて、ロシア軍の消耗も増していった場合、
プーチン政権を倒すのは、民衆によるデモよりも、軍部によるクーデターの可能性の方が高いかも?
もちろん、今回の開戦に関しても、軍内部の強硬派が大きく関与しているとは思いますけど、
ロシア軍の上層部が、全て強硬派で固まってる事なんて無いでしょうし、
クーデターであれば、高級士官だけでなく、中級士官でも可能ですから。
ただ、その場合の危険性を考えると、軍事クーデターのシナリオは見たくないなぁ・・・・
正直、プーチン政権よりマシになる保証なんて、全く無いですからねえ。

> まぁ、想定外だったために戦力の補充をしているだけかもしれませんが。
想定外・・・というか、期待外れという表現の方が的確かも知れませんが、
まさしく現在、ロシア軍は戦力の補充は行っていると思いますよ。
ロシア軍の武器弾薬が、現時点でどれだけ備蓄&製造されてるかは解りませんけど、
単純に兵数だけで言えば、全軍90万人のうち20万人を投入した所なので、
広大な国土を守るのは手薄となりますが、まだまだ投入する兵数を増やす事は可能ですし、
ロシアは徴兵制が健在な国なので、いざとなれば徴兵経験のある若者も300万人くらい居ます。

とは言え、頭数が揃っても 士気や練度が低ければ、あまり使い物にはならないでしょうし、
それでも兵員が増えれば食料を輸送せねばならず、その辺りの苦労や不満の高まりを考慮すると、
防衛戦ではない今回の戦争においては、そこまでの無茶は難しそう・・・・
ゴリ押しすれば、その分だけ、プーチン政権の寿命も縮まる気がします。
となると、立て直して、再攻勢に出たとしても、
開戦当初ほどの勢いは、なかなか期待できないと思いますし、
それでも戦果を挙げようとすれば、やはり非情な攻撃が増えていくのでしょうね。
また、ロシア兵(特に徴集兵)が、凄惨な戦いを躊躇するとなれば、
人数的には少ないものの、チェチェン兵やシリア兵が全面に立ってくるかも知れません。

> > > 核を用いてしまうと一時的に攻撃は凌げてもその後を考えると…
> > > NATO軍に対して使用となるとそれこそ各国本土にも核攻撃をするくらいの覚悟は必要な気が…
> > > 一度使ってしまうといつ使うか分からないと各国には当然思われるでしょうし。

> > もし核を使うとすれば、やはりNATO軍に対してですよ。
> > それも1発、相手の損害が少ない範囲で、威嚇目的として。
> > 言うなれば、「ここで停戦しよう」という、合図の為の核ですね。
> > しかし、ここでアメリカ側も核で応えてしまえば・・・恐らく核戦争です。

> これ怖いのが日本にある米軍基地も攻撃対象になるのではというところですよね。
> ロシアと同時にベラルーシも制裁を受けているので逆を返せば日本もロシアの攻撃対象になりえるのではと。

全面核戦争ともなれば、もちろん在日米軍基地だって狙われるでしょうけど、
とりあえず、戦場が東欧近辺で止まってる限りは、その危険性は低いかな?
確かに、日本はロシアの隣国ではあるものの、そこにあるのはシベリアの大地で、
米軍としても攻撃する価値が低く、ロシア側も守る価値が低いですからねえ・・・・
戦略的に、核で在日米軍基地を狙う事があるとすれば、ロシアよりも中国の方が危険性が高そう。

また、アメリカ国外であっても、米軍基地を攻撃などしたら、
核報復は解りませんが、少なくとも米軍参戦は確実になりますし、
核を用いず、通常兵器による攻撃であっても、そこは変わらないと思うので、
プーチンが自暴自棄にでもならない限り、その可能性は低いような気がします。

> > > う〜ん…仮にキエフが陥落してゼレンスキー氏が死亡したとしても、
> > > 逆に神格化されちゃいそうな気もするんですよねぇ…
> > > プロパガンダの一種だとは思いますが、長期化してウクライナにも厭戦気分が蔓延ってきてからならともかく、
> > > 現状では逆に士気が上がる気がします。
> > > 彼自身が指揮官というわけではないでしょうから、軍事的には大きな損失ではないでしょうし。

> > 文字通り、「役者」である彼を失うとなれば、看板的にも厳しいと思いますよ。
> > 替わりの新しい大統領を立てても、あれだけの演技力は誰も真似できないでしょうし、
> > 選挙を経ているか否かの正当性の面でも、やはり段違いだと思うので。
> > 確かに、彼自身の指揮官としての能力は、この際 別に構わなくても、
> > 演技力と正当性に裏打ちされた「錦の御旗」としての存在効果が、軍事的にも非常に大きいと。

> 冒頭でも述べた通り正直彼の「役者」としての能力は少し怖いなと思いだした今日この頃です。

アメリカ議会でのオンライン演説が行われた直後、
「大変な時なのは分かるが、ウクライナ大統領はスーツを持っていないのか?」という、
アメリカ人の経済評論家のTwitter投稿が、世界的に炎上するという事が起こりましたけど、
投稿した本人の真意はどうあれ、これって地味に、芯を食った指摘なんですよね。
実際の所、ゼレンスキーも開戦当初はスーツ姿でしたが、
かなり早い段階でTシャツ姿に変わり、無精ヒゲも伸ばし始めたのは、
明らかに「見た目」を意識した上でのメディア戦略であり、
だからこそ、Tシャツは綺麗だし、無精ヒゲもキチンと手入れされていると(苦笑)。

いや別に、その行為自体は悪いとは思いませんけど、見る側は理解しておいた方が良いと思いますし、
それを指摘する事さえ憚られるような空気感は、あまり健全だとは思いませんね。
そもそも、こうした「非常時の見せ方戦略」って、最近では一般化してきており、
日本の首相とかも、大きな自然災害とかあった際には、
作業着を着て、ヘルメットを被るような事をしてますが、結局は滑稽に見えるのが常です(笑)。
しかしゼレンスキーの場合、そこは本業が「役者」として、見せ方を熟知しているので、
滑稽に見えるどころか、本当に勇ましく見せるのが上手いと思います。
で、それは政治家として強力な武器だとは思いますけど、
どう使われるかによって、禍すら招きかねない武器ではあると・・・・
だからこそ、見る側は細心の注意を払うべきでしょうけど・・・まあ無理でしょうね。

ちなみに、英語字幕ではあるものの、ゼレンスキーを大統領にまで導いた
ドラマ「国民のしもべ」は、YouTubeでも公開されてるみたいで、
ウクライナ国民ですら、このドラマを見て、リアルに大統領に選んでしまう程なので、
第3国の視聴者だと、今の状況も相俟って、役柄と本人を重ね合わせちゃう人は非常に多そう。
https://www.youtube.com/c/sluga95/playlists
https://www.youtube.com/playlist?list=PLSoP62RB3ymnt6ct60SF-2ZsSpC_Mbrjv
https://www.youtube.com/playlist?list=PLSoP62RB3ymkxF5L17oKZp_xBzNRstdRU
さすがに全編通してとかは見てないですけど、作品紹介のダイジェスト映像を見たら、
使われてる言語はロシア語なので、それだけウクライナにロシア語話者が多い事が解ると同時に、
プーチン風刺は鉄板ネタらしく、ロシア語話者でも反プーチンな昨今の国民感情が伝わります。
ドラマと言っても、日本のアニメのように1話25分ですし、日本語字幕があれば結構見ちゃうかも?

> > 更に言えば、ウクライナ国民が、ロシア側に逃げたって良いじゃないですか。
> > それで国民の命が救えるのなら、それだって1つの方法だと思いますし、
> > 百歩譲って、ウクライナ国民はまだしも、外国人に対しては それも認められて然るべきはずで、
> > そうした選択肢を遮断してしまうのは、守る事よりも、戦う事を優先しているからだと感じるんですよね。

> おそらくウクライナが恐れているのってロシア側に逃げた人が、
> ウクライナの捕虜になったロシア兵のような使われ方をすることだと思うんですよね。

国家の体面的に、敵国側への避難なんて認め難い事は、私にも充分解るんです。
また、それだけでなく、戦争となれば相手国を信頼できなくなれば、
安全性を担保できないとか、人質やプロパガンダに利用される恐れなども抱く事でしょう。
ですが実際、兄弟民族であり、同じロシア語を話す市民に対して、
アウシュビッツの二の舞みたいな事が起こる危険性は、まず無いだろうと私は見てますし、
その辺りのデメリットを勘案しても、やはり多くの人命を救えるメリットの方が大きいと思います。
そして最終的な判断は、戦果にあえぐ市民1人1人が決めれば良い事であって、
初めから、国家に殉ずる選択肢しか用意させないと言うのは、個人的には違うと思うんですよね。

それこそ最近も、数千人の市民をロシア側へと避難させた事に対して、
「拉致だ!強制連行だ!」という騒ぎになってますけど、
もちろん、ウクライナ国家の側から見れば、そういう理屈になるのは解りますし、
避難した市民にしたって、本心では敵国側になど逃げたくない人が恐らく多数派でしょうが、
それでも、自分や家族の命を守る為には、そうした苦渋の選択だってアリだと思うんです。
更に、もっと戦略的に物事を考えるのであれば、国民の命を守るために敵国の後方へと避難させつつ、
100万人単位で避難させる事で、ただでも苦しいロシア側の兵站を消耗させ、
どうせプロパガンダ目的であり、尚かつロシアが国連から離れてない事を逆に利用して、
難民支援を行う国連UNHCRスタッフと、海外メディアとを、ロシア側の避難民キャンプに入れさせる事で、
国際監視の下に置いてしまうという牽制の仕方だって、割り切って考えれば、あったと思うんですよね。

それなのにウクライナ政府側として、徹底抗戦と言えば聞こえは良いものの、
市民の犠牲が大きくなる方向で、いろいろと動いてしまっていますし、
それはそれで、双方に犠牲者を増やす事が、戦争勝利を目指す1つの有効な手段なだけに、
訝しんでみてしまう所も、正直あったりします。
意図的なのか? 無意識なのか?は別にして、言うなれば、
「地獄への道は善意で舗装されている」といった所でしょうか?

ただ、ここへ来てゼレンスキーが、停戦交渉における「国民投票」という単語を出してきた事で、
全く自覚のないまま、国民を危険に晒している訳では無さそうな事が解ったと同時に、
当然ながら、自ら甘んじて汚名を被る覚悟で、和平を導く気も無い事が解りました。
もう少し詳しく述べれば、認知不足や自己陶酔で状況把握が出来ていない訳では無く、
かと言って、国民の屍の上に勝利を掴もうと考えているほど異常者でも無く、
現状のヤバさは重々承知した上で、それでも自らが火の粉を被る大胆な決断は行えると思えず、
結局の所、ズルズルと犠牲者ばかり増えてしまう展開に陥りそうだなぁ・・・と。

> 正直士気が高いのってそう続かないと思うんですよ。
> 自分が住んでいた町が破壊されていく様に最初は怒りを覚えても、
> ずっと戦い続けるとどんどん疲労は溜まっていくでしょうし…
> その中でロシア側に逃げた人の状況が入ってきて「ロシアも友好を望んでる降伏して」
> みたいなプロパガンダが行われると心が折れる人も出だすでしょうし、
> それを恐れているのかなと。

それに関しては、現実的に有り得る話だと思いますし、
そろそろ移行されるであろう「第2フェイズの戦争」においては、
ウクライナ市民の心を挫く攻撃が、ロシア軍によって行われ始めると思いますよ。
ロシア軍が加勢しているシリア内戦とかも、そうですけど、
戦争が長引き、悲惨な状況が増えるほど、支配に抗う崇高な信念よりも、
支配を受け入れてでも、安全に日常を過ごしたいという思いが、一般市民には強くなります。

そして、冷酷な言い方をすると、安全な後方のロシア側に避難させるよりも、
戦地であるウクライナ国内に留まらせて、凄惨な思いを数多く負わせる方が、
市民感情がそちらに早く流れますし、ロシア側の負担も少なくて済みます。
そういう意味では、プロパガンダ目的で避難民を使うとかは、あまり無さそうかな?
どちらかと言えば、占領統治における現地協力員を育てるという方が、可能性的にはあるかも?

> すいません、途中なのですが残りは次の日曜日にでも返信しようかと思います。
まあ、最近の長文癖の悪化は、自分自身も「酷いな」と感じてますので(苦笑)、
返信はいつでも結構ですし、全てに返信しようと思われなくても大丈夫ですよ。
以前までは、投稿文を読んで、頭に浮かんだ内容の2〜3割を返信文に起こしてたのですが、
最近は、ほぼ無編集に9割方、読んで思い浮かんだまま垂れ流してる感じ・・・・
ハッキリ言って、LINEやTwitterが全盛の時代に、この長文は苦痛な人も多いはず(笑)。

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