[スレッド全体]

[23132] コロナ後の世界とベーシック・インカム返信 削除
2020/6/3 (水) 21:10:50 徳翁導誉

> > > 仮に、新型コロナ自体の影響は、結果として限定的であったとしても、
> > > 今回のコロナ禍がもたらした社会の変動は、歴史的に大きな転換点に成り得るかも?

> > まだ終息の目処どころか、どこまで拡大するか未知数な現状ですけども、
> > どんなに長期化した所で、感染拡大は数年の内には収まるでしょうし、
> > コロナ後の変革された社会の方が、それよりずっと長く大きく影響があるはずなので、
> > 今の内から考えてみたい気持ちはあるのですが、この状況下ですと尚早なのかなぁ?

> 「コロナが歴史を劇的に加速させる」ということは、私が勝手に頭の良いと思っている方々が
> 皆一様に口にするので、管理人さんにもぜひ詳しく話していただきたいです。
> 私自身もトランプ大統領の誕生であったり、引きこもり人口が100万人近い、などの
> ニュースを聞いているとこれから世の中変わっていくとは思っているのですが、
> それが具体的にどういう方向性で変化していくのか?ということに関しては全く見当がついていません。

とりあえず先週、全国的にも緊急事態宣言が解除されましたし、
まずは一段落という事で、この話題にも少し触れておきましょうかねえ?(笑)

まあ、短期的な予測から順に、長期的なモノへと書いていきますと、
まず最初は、新型コロナの流行は、今回限りで終わるものではなく、
今年の秋から春にかけて、来年の秋から春にかけてと、
第2波・第3波が襲ってくる可能性は、十分に有り得るという話でしたが、
これに関しては、緊急事態宣言が出される前から、
早くもコロナ疲れが見られた、3月下旬の当時ならまだしも、
既に今となっては、広く認識されてる事だと思いますので、詳しく述べる必要は無いかな?
その時の状況次第では、来年に延期した東京五輪の開催も難しいかも知れませんし、
ひょっとしたら、無観客や観客数を減らしての開催になるかも?
・・・って、ソーシャル・ディスタンスだとか、新しい生活様式だとか、
今の段階では言ってますけど、まあさすがに来年はまだ厳しいとして、
恐らく5年後の大阪万博の頃には、今まで通りに戻ってるんじゃないですかねえ?(笑)
というか、逆にこの調子のままだった場合、入場待ちの行列とか どうなるんでしょ?
もちろん、並ばずに入れるようになれば、それに越した事は無いですけども。

あとは、日本の悪平等主義と言いますか、事無かれ主義・責任回避主義と言いますか、
春の甲子園が中止に追い込まれた事で、夏の開催も危惧しましたけど、そうなりましたね。
一部の部活で、地方予選が行えてない競技があったのは、事前に把握してましたし、
その事で、横並びにインターハイ自体を中止してしまう恐れも感じていて、
高野連は高体連から独立していても、もう同調圧力には逆らえないだろうと?
正直な所、夏はやろうと思えば、出来たと思うんですけどね・・・・
また、部活だけでなく学業自体も、休校が4月までなら、何とかカバー出来たでしょうし、
逆に6月以降まで延びてれば、9月入学も本気で検討の必要があったでしょうけど、
2ヶ月(5月)というのが、帳尻合わせを無理強いさせられる形になりそう。
ただでさえ、ドタバタの教育改革や、五輪不況が就活を直撃しそうな世代なのに(泣)。
この世代は後に、「コロナ世代」とか呼ばれたりするんですかねえ?

続いては、これも最近では、見掛けるようになってきた意見ですけども、
「お金よりも命が大事」と経済を止めてしまった事で、
これから襲ってくる不況が、下手をしたらコロナ以上の被害をもたらす可能性ですね。
倒産や失業者が増えれば、どうしたって自殺者は増えてきますので、
その数が、新型コロナによる死者数を上回る事だって、十分に有り得るでしょうし、
自殺まで行かなくても、人生が狂わされる人は大勢出るかも知れません。
そういう意味では、目先のデメリットと、将来のデメリットを見据えた上で、
バランス良く政策が採れれば一番だったのでしょうが、現実的には難しいですよね。

あと、今回はリーマンショックや世界恐慌などと違い、
人為的に経済を止めただけなので、すぐに回復できるという意見もありますが、
世界規模で数ヶ月に亘り経済を止めて、ダメージが無いわけ無い気がしますし、
自粛生活によって、世界的に消費マインドが落ち込んでしまったり、
世界流通を基本とした現行の経済システムが、今まで通りに機能するのか?など、
経済分野に疎い私でも、そんな気安く楽観視できない状況にあると思うんですけどね。

また、特に日本に関して言うと、五輪特需の反動による五輪後のリスク、
加速する人口減少と少子高齢化、下降線を辿る日本の国際競争力、
AI普及と外国人労働者の流入、アベノミクスのツケとインフレ爆弾などなど、
これらの不安要因が折り重なって、ついには東京でさえ人口減少が始まる2025年頃から、
日本経済は不況に見舞われる可能性が、かなり高いのでは?と見ていたのですが、
今回のコロナ禍があり、そして東京五輪も延期(中止も?)となった事で、
その危機が前倒しで襲ってくる危険性が、少なからず有る気がするんですよね。
私も詳しくないですけど、とりあえず金でも買っておくべきなのか?(苦笑)

そして、これは世界各国も同様・・・というか、日本以上なのですが、
今回のコロナ禍を「有事」と捉え、惜しみなく資金を投じましたから、
これからの財政問題が、それこそ世界規模で心配ですよね。
特に最近は、「現代貨幣理論(MMT)」という甘い誘惑が広がり始めており、
昨今のポピュリズム傾向とも相俟って、ジャブジャブと赤字国債を刷りまくる
無自覚に綱渡りを始めてしまう国が、出てくるのでは無いでしょうか?
まあ正直な所、私も必ずしも「財政健全化しなければ財政破綻する」とは考えておらず、
MMTに関しても、そんなにトンデモ理論だとは思っていないです。
貨幣の価値は信用によって生まれ、紙切れにさえ価値を与えていますし、
結局、景気は「気」次第ですから、どんなに危なそうに見えても、
みんなが大丈夫と思えてる限りは、大丈夫なモノだと思うんです。

とは言え、どんな状況になっても、みんなが大丈夫と思い続けられるかは・・・・
MMTというのは、インフレ危機が生じない範囲内においては有効だと思いますけど、
国債をジャブジャブ刷って、インフレを考慮しないなんて理論は、不完全でしょうし、
インフレは増税と国債発行でコントロールできるという見方も、私は甘い気がします。
そんな簡単な話なら、人類の歴史からインフレが無くなりますよ(苦笑)。
また、日本国債の場合は円建てですし、購入層の大部分も日本人なので、
デフォルトの心配は無いという意見もありますけど、
敗戦直後の時のように、ハイパーインフレを起こして、国債が紙切れとなり、
日本国民の多くが資産を失った事実も、「問題ない」と思うなら、成り立つ意見でしょうね。
私は、日本がそんな状況になっても、デフォルトはしてないから大丈夫とは思えませんけど。

って、話がちょっと脱線気味になってしまいましたので、話を戻すと、
ポピュリズムの台頭、自国第一主義、対立の扇動、格差と差別の問題などなど、
コロナ禍の前から、世界中でいろいろとトラブルが生じつつあった中、
今までは抑えていく方向に進んできた、国家による強権の発動が、
今回のコロナ対応により、一転して解除される実例が生まれてしまい、
この流れだと、本当に、危険な火遊びに乗り出す国が出て来かねないというか、
コロナ以前に比べると、その確率はグッと上がってしまった気がするんですよね。
30年以内に、大国間で戦争が起こる可能性も、決して無くは無いと思います。

あと、ネットで世界が繋がり、国際企業が国家以上の存在になっていた流れも、
国家は強権を発動しない前提での力関係でしたので、それも変わってくるのかな?
コロナ前後で最も変わった事としては、長らく続いてきた国家権力の弱体化という傾向が、
ここで一転して、強まる方向に変わり始めた事なんだと思います!!
進捗著しいAIやデジタルの技術、ビッグデータなどと合わさる事で、
国民を監視したり、コントロールしたりする方向に進みそうな気がしますし、
それに対する国民側の警戒感や嫌悪感も、コロナ対策の中で薄らいだ気がするんです。
まあ、安心で合理的で、コントロールされる社会の状況を、
ユートピアと捉えるか? ディストピアと捉えるか? は、国民の気持ち次第ですけど。

ただ、こうした流れになった時に、
人権というブレーキが働かない中国は、やはり有利だと思いますし、
抱える膨大な国内市場と、成長著しい技術発展とが相俟って、
国際社会における中国の存在感がピークに達するのは、
今回のコロナ禍の影響もあって、10年か20年は早まるかも知れません。
そうなると、従来の見立てにあった、中国がピークを迎える頃には、
同時に、1人っ子政策のツケで、急激な人口減少と少子高齢化に襲われるという予想も、
社会全体が成熟しきる前に、成長の下降線を迎えるという予想も、修正が必要なのかな?
もちろん、前者に関しては、必ず訪れる中国の危機ではあるのですが、
後者に関して言うと、成長が早まれば、多少なりとも状況が変化するかもしれませんし、
そうして、中国の好調期が長く続くようだと、国際社会にも大きな影響を与えますよね。
アメリカ1強の時代から、Gゼロへの流れというのは、トランプ自身が進めちゃってますので。

って、何だか政治の話ばかりになってしまいましたので、市民生活の話に戻しますと、
今までは なかなか進まなかった、リモートによる労働や教育への転換が、
今回の世界的な外出自粛により、一気に進んだというのは、みなさん御存知の通りでしょうけど、
メディアも、ショッピングも、ネットが当たり前となった時代、
労働や教育の流れも、一旦始まれば後戻りはしないでしょうし、
逆に言えば、いち早く波に乗れた所が、1人勝ちできる状況になるかも?
そして、それは世界規模で同時に起きていて、そもそもネットは世界中に繋がってますから、
競争相手も、選択先も、全てが世界基準になっていくんですよね。
そうなると顧客側からすれば、質も上がり、選択肢も増え、メリットは大きいのですが、
サービスを提供する側、つまりは消費者目線から労働者目線に転じると、
グローバル化が更に加速する訳で、一部の人にはチャンスでも、大部分の人にはピンチでしょうね。

リモート・ワークとなれば、通勤に無駄な時間を使う必要が無くなりますけども、
つまりそれって、都会でも地方でも仕事が出来る訳で、能力がある人であれば、
田舎で暮らしながら、リモートで仕事とか、有意義な生活が送れそうでしょうが、
競争相手が増える訳で、そうじゃ無い人たちは大変ですよね・・・・
しかも、都会と地方に限らず、競合は世界にまで広がる訳ですし、
更には、デジタル向きに仕事内容が最適化されると、AIすら競合関係となります。
これだと、中間層の消滅に拍車が掛かり、格差は広がる一方になるのかな?
ギグ・エコノミーといった、労働力の切り売りが普及すると、労働単価も下がってくるでしょうし。
(いや勿論、1つの作品をみんなで作り上げるギグ・セッション自体は、価値があると思いますが)
あと、日本は全面的な都市封鎖は行わず、一部の休業要請に止めた為、
諸外国に比べると、オンライン化への大転換に乗り遅れた可能性はありますが、
とは言え、それでも日本で、ここまで急激に広まるとは、私的にも予想外でしたね。

その一方で、これは後述するのですが、
こうしたグローバル化や、AI技術の進歩などもあって、
近年では、「ベーシック・インカム」導入の意見を、耳にするケースが増えてきましたけど、
この政策は、それ自体の有効性よりも、実現の為の障壁の方が高くて、
実現性に関しては、なかなか難しいモノが今まではあったのですが、
今回のコロナ対策により、世界各国で現金給付という政策が行われましたし、
また同時に、失業者の急増や大不況、格差拡大の加速化などが重なるようだと、
上手く行くかは別として、導入に前向きな国が現れてくるかも知れませんね。
少なくとも その確率は、今回の件をキッカケに急上昇したように思われます。


> 唯一、堀江貴文さんだけが「これからは収入と仕事が減っていき、
> 余った時間で(お金を使わない)余暇を充実させる方向に変化していく」と具体的に未来像を提示しています。

ホリエモンは、都知事選に出るんですかねえ?
まあ今回は小池再選が濃厚で、自民党も独自候補の擁立を見送りましたし、
野党側も統一候補を出せ無さそうな状況なので、結果は火を見るよりも明らかですが、
それでもホリエモンが出馬してくれれば、賑やかし程度にはなりそうですからねえ(笑)。
少なくとも、都知事選が無関心にスルーされてしまうよりは、遥かにマシかと?

ちなみに、「仕事や収入が減り、金を使わない余暇が増える」というのは、
未来像と言いますか、十数年前と見比べると、そのまま現在の実状ですけどね。
まあ、仕事が減れば収入が減り、収入が減れば余暇にお金を使えないのは、
当たり前と言えば当たり前の事ですし、その傾向は今後、更に顕著になっていくでしょうが、
その一方で、「仕事が減れば時間は余るのか?」「無料や格安でも余暇は充実するのか?」
というのは、必ずしも一筋縄では行かない話のように思えます。

仕事が減っても収入が必要なら、ダブルワークやトリプルワークを強いられ、
それこそ「貧乏 暇なし」で、時間的にも、精神的にも、経済的にも、
とても余暇なんて楽しめる余裕は、なかなか持てなさそうです・・・・
また、確かに以前に比べると、無料や格安で楽しめる娯楽の質はグンと上がりましたけど、
しかし一方で、質の高い娯楽を生むには、相応の投資が必要なのは明らかであり、
逆に、そこそこ値段で楽しめる娯楽の質は、却って落ちてきている印象がありますね。
一部の金持ちであれ、多くの大衆であれ、文化を支えるにはパトロンの存在が不可欠なので。

これは何も娯楽産業に限らず、全ての業界でも言える事で、
ユニクロの服も、ダイソーの100円グッズも、安い値段でそこそこの商品が買え、
それは今までに比べると良い事である反面、高い値段で凄く良い商品との間にあった、
そこそこ値段で買えた、なかなか良い商品が消えてしまったという側面があります。
まあ要するに、1億総中流から、2極化の時代に入ったって事なんでしょうけど、
それを「充実」と呼べるかは、甚だ疑問な所がありますね・・・・

でもまあ、その2つの課題が解消される事こそ、
ホリエモンが描く未来像って事なのかも知れませんし、
恐らく、その解消法として念頭にあるのが、ベーシック・インカムの導入なんでしょうね。
ベーシック・インカムとして、最低限の生活が行える程度の金額が支給されれば、
「生きていく為の仕事」から、「充実感を得る為の仕事」に変わっていき、
生活する為に、余裕なく働く環境からは、ある程度解放されるかも知れません。
また、多少なりとも、時間的・精神的・経済的に余裕が生まれてくれば、
「娯楽への投資」も増えていき、質的にも充実する方向に進む可能性は有り得ます。

ですけど厳しい言い方をすれば、理想像を思い描くだけなら、誰にだって出来るんです。
なので、ここで重要となってくるのが、
「どうすれば、それを導入できるのか?」という方法論と、
「どうすれば、導入したモノを持続できるのか?」とい方法論なんですよね。
ハッキリ言ってしまうと、その辺りの能力が欠けている為に、
ホリエモンは、企業家としても、実業家としても、失敗してしまった訳ですし、
知らない人が聞けば、実に凄そうに思える話も、
知ってる人が聞くと、酷く薄っぺらい印象しか与えなかったので、
球団買収の件も、フジテレビ買収の件も、金の臭いに吸い寄せられた人間しか集まらず、
小泉郵政選挙で刺客候補として擁立されるも落選して、
最後は、粉飾決算で逮捕され、有罪となって刑務所送りでしたからねえ・・・・
前にも言いましたけど、常識に囚われない見方が出来る人なので、決して無能では無いですし、
良くも悪く目立つ、その行動力やアピール力というのも、別に嫌いじゃないですけど、
ただし、自分を大きく見せようというか、自らを過大評価しているタイプの人ですよね。
言動の大きさの割に、これと言う成果を何も残せていませんし、評価すらされていませんので。

まあホリエモン評は、これくらいにしておくとして、
ベーシック・インカムというのは、どうやって実現させるかのが、非常に難しい政策なんです。
まず最初に指摘されるのは、やはり財源の問題ですよね。
ぶっちゃけ、大増税をして、再配分の割合を増やす以外に、
まともな方法論は無いと思いますけど、それを大多数の有権者が納得するか否か?
それに、働かなくても生きていけるなら、怠け者ばかりの社会となり、
堕落して活力が失われる事を心配する意見も、決して少なくはないでしょう。
それらの反対意見を押し退けて、導入に持ち込むのは、並大抵の努力では出来ません。
また、仮に導入が果たせても、それが上手く回り続けられるかは別問題です。

例えば100年前にも、「共産革命」というモノが世界中を席巻しました。
正直、ベーシック・インカムよりも更に進んだ考え方ですし、理想論と言えば理想論でした。
では、それほど難しい政策が、一体どのようにして導入に至ったかと言えば、
2度の世界大戦の後に、暴力によって成し遂げられているんですよね。
そのような非常な手段が、ベーシック・インカム導入でも可能でしょうか?
(ただし今回のコロナ禍も、ある意味では有事であり、日本で言えば10万円給付のように、
 世界的にも同様の政策が採られたので、それが導入実現の端緒になる可能性は有り得ます)
そして、もし仮に、その導入が実現できたとして、
果たしてそれは、長い期間 継続して行えていけるモノなのでしょうか?
実際、ソ連も、東欧の社会主義国も、今では残ってませんよねえ?
そもそも、国家が存続していた時から、制度上の不備をいろいろと抱えており、
戦後昭和の日本こそが「世界で最も成功した社会主義国」とか言われたりしましたから(笑)。

ただこれも、実は重要な示唆を含んでいまして、
フランス革命の有名なスローガンに、「自由・平等・友愛」というのがありますが、
この中の「自由」と「平等」というのは、共存のバランスが非常に難しいモノなんですよね。
つまり何が言いたいかと言うと、冷戦期には資本主義と社会主義の2つの考え方があって、
自由を求める資本主義は、競争によって活力を生む反面、貧富の格差が生じて平等が失われ、
平等を求める社会主義は、保護によって安定を生む反面、活力が失われて自由も抑圧されました。
まあ政治的にも、権力が集中する社会主義は腐敗しやすかったり、
財力が集中する資本主義も腐敗しやすかったりと、それぞれ問題を抱えていましたけど、
立場が異なる敵が実在するという状況には、実は良い面もあったんですよね。
それは、資本主義でも保護を採り入れたり、社会主義でも競争を採り入れたりと、
敵の存在を意識する事で自制が働き、バランスが取られるという事でした。
ですが、その冷戦構造が、社会主義陣営の自壊により、あっさりと幕を閉じると、
自制を失った資本主義が暴走し始め、そして現在の状況に至る訳ですね・・・・

そういう意味では、ベーシック・インカムの政策案というのも、
ある意味では、社会主義の良い面も採り入れようとしていた
バランス感覚のある資本主義時代への懐古運動なのかも知れませんし、
技術進歩に伴う「デジタル社会主義」や「AI共産主義」といった
リバイバル運動なのかも知れません。
ただ、そうは言っても、やはり実現への道は困難ですよねえ・・・・
再配分を充実させる条件というのは、みんなが相当に余裕が有るか、
逆に、みんなが限界なほど余裕が無いかの、2択でしょうし、
まあ前者は有り得ないでしょうから、基本的には後者のケースだと思うんです。
って、この条件を迎えてる時点で、かなりヤバい社会状況ですよね(苦笑)。
そして、その前段階として、社会全体は落ちてきても、
「自分さえ何とかなれば」という、利己主義が剥き出しの時期を迎えるはずで、
その頃は再配分に対して、最も厳しい状況となるでしょうから、
ベーシック・インカムというのは、実現へのハードルが、相当に高い課題だと感じています。

> 話が多少それますが、ベーシック・インカムなんかも最初は明るい話かと思って調べていたのですが、
> 調べれるうちにこれが階級制度であるというのがよくわかりましたし。

ベーシック・インカムが階級制度になるかは、運用の仕方次第でしょうけどね。
社会階級を固定化する為の、飼い殺しの制度としてベーシック・インカムを使うなら、
確かにそうなる可能性はありますけど、必ずしもそうだとは限らないと思います。
例えば中東の産油国とかだと、国民には毎月30万円とかを配る替わりに、
王族たちによる独裁と、富の集約を認めさ、一切の文句を言わせない方法とかは、
そういう意味では、階級制度的なベーシック・インカムかも知れませんね。

とは言え、制限のない自由主義や資本主義とかも、
社会の格差を拡大させ、それを固定化させる特徴を持っていますから、
その言い方であると、自由主義や資本主義が階級制度であるとも言えてしまいます。
ですが実際は、やり方次第で、そうならない方法論とかもあるんですよね。
なのでベーシック・インカムも、例えば学費無償化とセットであれば、
貧しい家庭の出身者でも、実力次第で立身出世が叶い、階級の固定化は避けられます。
実際、教育や福祉が充実していた社会主義国の方が、
世襲の多い資本主義国よりも、そうしたケースは多かったでしょうから。

あとは、実際に配る金額の多寡であったり、
どの部分を無償化したり、限度額を設けたりするかですよね?
ベーシック・インカムの利点としては、
年金・医療費・学費・雇用保険・生活保護などを一律に一括して渡す事で、
それぞれの運用経費で失われる、大幅な支出分を抑えられると共に、
これ以上は補償しないよという、制限を設ける制度でもあります。
その為、例えば支給額以上に医療費が掛かる場合、その人たちは切り捨てるのか?
それとも、限度額を設けて救済するのか?で、
同じ制度でも、意味合いがかなり変わってくるはずです。
また、どれだけの金額を配るかで、「最低限の生活」で言う所の
「最低限」の度合いが、やはり動いては来ますよねえ・・・・

要するに、ベーシック・インカム導入で、明るくなるか? 暗くなるか? は、
正直な所、全ては運用次第であり、制度自体で決まる話では無いという事です。

[▼次のスレッド]
INCM/CMT
Cyclamen v3.72