[スレッド全体]

[21527] 将棋界の一番長い日 2018返信 削除
2018/3/8 (木) 19:47:46 徳翁導誉

名人への挑戦権を賭け、1年に渡り行われたA級順位戦の最終一斉対局。
通称「将棋界の一番長い日」が、先週の金曜日に行われましたが、
いや〜、今年は過去に例がない程の激しい1日になりましたねえ!!
そして、1年半前に始まった「将棋ソフト不正騒動」も、これで1つの区切りが着いたかも?
あの騒動は当時、ここの掲示板でも結構話題として扱ってきましたので、
一段落という意味でも、記録がてらに、少し書き残しておこうかと思います。
http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=s20420#20420
http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=r20677

まず始めに、最終局の対戦と成績は以下のような具合でした。
 久保(6勝3敗) × 深浦(4勝5敗)
 豊島(6勝3敗) × 広瀬(5勝3敗)
 羽生(6勝4敗)   対局なし
 稲葉(5勝4敗) × 行方(3勝6敗)
 佐藤(5勝4敗) × 屋敷(2勝7敗)
 三浦(3勝6敗) × 渡辺(3勝6敗)

A級順位戦は、名人タイトル保持者を除くトップ棋士10名による総当たり戦なので、
本来であれば、対局のない空き番とかは無いのですが、
昨年度は、不正疑惑を掛けられた三浦九段が、出場停止処分により不戦敗を強いられた為、
本年度は、救済策として三浦をA級に残留させ、異例の11名による順位戦となっていました。
その為、例年だと下位2名がA級に降格する所が、今年は下位3名が降級する事となり、
告発を行った渡辺と、疑惑を掛けられた三浦が、最終戦でA級残留を賭けて直接対決する展開に!!
何かもう、これだけでも出来過ぎたシナリオなのですが(笑)、
名人への挑戦権を賭けた1位争いの方も、最終局の結果次第では、
上位陣の勝ち数が並び、最大で6名のプレーオフとなる可能性がありました。

そんな状況で始まった、2018年の将棋界の一番長い日。
まず最初に決着したのは、「広瀬×豊島」戦でした。
この一戦に勝利すれば7勝となり、挑戦権獲得に近付けた豊島でしたが、
数ヶ月前までの好調が嘘かのように不調期へと陥り、あっさり敗戦となりました・・・・
続いて、「稲葉×行方」戦では稲葉が、「佐藤×屋敷」戦は佐藤会長が勝利し、
何とこの時点で、全対局を終えた稲葉・広瀬・羽生・佐藤・豊島の5名が6勝で並び、
一方で、行方・屋敷のB級降格が決定して、降級者はあと1名という展開になりました。

その後、時計の針が午前0時を過ぎ、日付けが変わっても続いている対局は、
「久保×深浦」戦と、「三浦×渡辺」戦の2つを残すのみという状況に!!
可能性あるパターンは、以下の4つになりました。
 ○久保×●深浦 ○三浦×●渡辺 なら、挑戦者は久保。降級者は深浦。
 ○久保×●深浦 ●三浦×○渡辺 なら、挑戦者は久保。降級者は三浦。
 ●久保×○深浦 ○三浦×●渡辺 なら、6名の挑戦プレーオフ。降級者は渡辺。
 ●久保×○深浦 ●三浦×○渡辺 なら、6名の挑戦プレーオフ。降級者は三浦。

この順位戦のルールでは、もしも勝利数が並んだ場合には、前年度の順位が優先され、
救済処置でA級に残留できたとは言え、前年成績は最下位扱いとされた三浦にとっては、
冤罪による心身面のダメージだけでなく、条件的にも厳しい1年だったのですが、
復帰序盤の不調を乗り切り、「勝てば残留、負ければ降級」という所まで持ってきた訳です。
しかも相手は、その告発を行った張本人で、同じく降級の危機にあった渡辺ですから、
本当に痺れるような条件が揃っての一戦となり、結果、その勝負を制したのは三浦九段でした!!
プロ棋士側の大将として、600台以上のコンピューターを繋いだ東大の将棋ソフトを迎え撃ち、
そして敗れた あの5年前の電王戦の時から、個人的に応援する棋士の1人になってましたし、
あのような騒動に巻き込まれた件では、部外者な私でさえ、様々な感情が湧き起こしましたので、
勿論、実力が全ての世界ではありますけども、ともかく今は残留が決まって良かったと素直に思います。

こうして、あと残すは「久保×深浦」戦の一局となり、
久保が勝利すれば、自力で挑戦権獲得を決められて、対戦相手の深浦がB級降格。
逆に深浦が勝てば、自力で残留を決められて、降級者は渡辺となり、挑戦者決定は6名でのプレーオフ。
まあ個人的には、とにかく「三浦が残留できたら良いな」って事だけしたけど、
あの騒動の発端は、渡辺が抱いた疑念に、久保の事実誤認が加わって、暴走が生じただけに、
両名に対する厳しい声があるのも事実でしたからねえ。
「久保挑戦者&渡辺残留」か? 「6名プレーオフ&渡辺降級」か?
この残る一局の勝敗次第で、結果が大きく異なる状況でしたし、
対局自体が優勢と劣勢が激しく入れ替わる展開で、ネット上も異様な熱気に包まれてました・・・・
まあ私は私で、前代未聞の6名プレーオフを見てみたかったので、同じ結果を望んで居ましたが(笑)。

そして結果は・・・深浦が久保に勝利して、まさかまさかの「6名によるプレーオフ」が決定!!
それと同時に、「三浦残留&渡辺降級」という好対照な結果に、
日本勢のメダル・ラッシュに沸いた平昌五輪にも負けないくらい、熱狂の1日となりました。
まあ世間一般的には、ここ最近の将棋ネタとなると、
羽生さんの国民栄誉賞に、藤井くんのスピード昇進、そして2人の初対戦になるのでしょうけど、
この日の激闘を知らないというのは、何だか勿体ない気持ちにもなります(笑)。
(プロ野球に例えれば、「10・8」や「10・19」を見逃してる感じでしょうか?)
ちなみに、この挑戦者決定プレーオフ。
よくある一般的なトーナメント方式とは違い、かなり変則的なやり方でして、
同じ勝利数で並んでも、昨年度の順位に応じて、今年度の順位も付けられていき、
今回の6名プレーオフですと、まずは5位と6位が戦い、その勝者が4位と戦って、
更にその勝者が3位と戦い・・・という具合に行う方式なんですよねえ。
その為、対局開始前の段階では、既に6勝を挙げていた豊島&久保が一歩リードの状態でしたが、
この2人は昨年の順位が低かった為に、6勝で並ぶと一転して不利な5位&6位となり、
名人への挑戦権を獲得するには、今度は5連勝が必要な状況になってしまいました・・・・
しかも1ヶ月後には、本番である名人戦が始まるので、日程も本当にタイトになります。

更にはこの2人、王将戦の7番勝負を戦っている最中でして、
最終戦まで行った場合、この2日制の対局が今月中に3回もある訳で、
何だかもう、ご苦労様としか言い様の無い状況になっちゃってますね(苦笑)。
まあ今年度は、菅井が王位を、太地が王座を獲得するなど、
期待されてた20代の棋士が、ようやく初タイトルに辿り着いた1年でしたので、
その流れに乗り、残る王将と棋王のタイトルを、同じく20代の豊島と永瀬が初奪取すれば、
トップの顔触れが一気に若返り、2017年度は1つの転換点として記憶される事になるかも?
・・・って、そのすぐ後ろには例の天才中学生が、ひたひたと迫ってきてますけどね(笑)。


[21531] Re:将棋界の一番長い日 2018返信 削除
2018/3/14 (水) 16:42:24 ほのぼのさん

いやはや、ご無沙汰しております。将棋について熱い文章を目にしたので出てきてしまいました。

▼ 徳翁導誉さん
> 名人への挑戦権を賭け、1年に渡り行われたA級順位戦の最終一斉対局。
> 通称「将棋界の一番長い日」が、先週の金曜日に行われましたが、
> いや〜、今年は過去に例がない程の激しい1日になりましたねえ!!
> そして、1年半前に始まった「将棋ソフト不正騒動」も、これで1つの区切りが着いたかも?
> あの騒動は当時、ここの掲示板でも結構話題として扱ってきましたので、
> 一段落という意味でも、記録がてらに、少し書き残しておこうかと思います。
> http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=s20420#20420
> http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=r20677


「将棋界の一番長い日」、ほんと今年は盛り上がりましたね!
私もリアルタイムで深夜遅くまでチェックしていましたよ。
結果に関する感想は徳翁導誉さんと全く同じです!ほんと、将棋の神様はいるんだなと思いました。
これぞまさに現代の忠臣蔵。天網恢恢疎にして漏らさず。
下手なドラマや漫画よりも現実の将棋界のほうがはるかにダイナミックでスリリングです。

以前に紹介した「不屈の棋士」が発刊されたのはわずかに2年前。
思えばそこから遥か遠くの地に来たような気がします。
あの本では「千田六段の特異性」がクローズアップされましたが、
翌年には時の名人がPONANZAに負けて人間vs将棋ソフトに完全に決着がつき、
そして今やどの棋士も多かれ少なかれ将棋ソフトを駆使するようになって
千田六段が先進的というのではなくむしろ平均に埋もれてしまっているような最近です。
(それでも今年の順位性でC1級を勝ち抜けてB2級まで上がったのは快挙ですが)

将棋ソフトを使いこなすのに年齢は関係なく、中年棋士でも研究にソフトを活用すれば
年による衰えをカバーできているのではないかと思います。
むしろ、将棋界の一番長い日で三浦九段に負けてB1級に落ちた渡辺棋王のほうが
最近のソフトを活用した研究の流れについていけてないような。
そして、やはり藤井六段は凄まじい才能ですね。今年、来年あたりにはタイトルを取って、
数年先には複数タイトルが当たり前という羽生竜王と同じ道を歩むかと思います。
そういう意味では、羽生竜王には順位戦プレーオフを勝ち抜いて名人を奪取してもらいたいのですが、
現在プレーオフ3連勝中の豊島八段にも頑張ってもらいたいところです。

さて、最近読んで非常に衝撃的だった本として、
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」があります。
AIは万能ではなく、読解力に難があるというのはちょっとAIをかじった人であれば気づくことですが、
日本の中高校生も同じように文章を正確に理解できない人が増えているというショッキングな調査結果が提示されています。
最近の週刊誌等ではAIが人間の仕事を奪うという煽りが多々見られますが、
そうではなくて将来は人間が読解力に欠けることにより様々な問題が引き起こされるという
背筋の凍る未来が来ることになるかもしれないとのことです。
一昔前に「バカの壁」という本が流行りましたが、これからはもっと恐ろしい「同じ日本人同士で、意思疎通ができない」といった事態がくるかもしれませんね。
最近読んだ本の中で一番良かったので、もし興味あれば是非ともどうぞ。


[21539] 理想は「羽生竜王名人vs.藤井七段」の竜王戦?返信 削除
2018/3/16 (金) 19:41:24 徳翁導誉

> いやはや、ご無沙汰しております。将棋について熱い文章を目にしたので出てきてしまいました。
どうも、ご無沙汰してます。

> > 名人への挑戦権を賭け、1年に渡り行われたA級順位戦の最終一斉対局。
> > 通称「将棋界の一番長い日」が、先週の金曜日に行われましたが、
> > いや〜、今年は過去に例がない程の激しい1日になりましたねえ!!
> > そして、1年半前に始まった「将棋ソフト不正騒動」も、これで1つの区切りが着いたかも?
> > あの騒動は当時、ここの掲示板でも結構話題として扱ってきましたので、
> > 一段落という意味でも、記録がてらに、少し書き残しておこうかと思います。
> > http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=s20420#20420
> > http://tokuou.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/kjb/kjbn.cgi?tree=r20677

> 「将棋界の一番長い日」、ほんと今年は盛り上がりましたね!
> 私もリアルタイムで深夜遅くまでチェックしていましたよ。
> 結果に関する感想は徳翁導誉さんと全く同じです!ほんと、将棋の神様はいるんだなと思いました。
> これぞまさに現代の忠臣蔵。天網恢恢疎にして漏らさず。
> 下手なドラマや漫画よりも現実の将棋界のほうがはるかにダイナミックでスリリングです。

まあ、もしもドラマや漫画でこんな脚本を書いたら、
編集者に余裕でダメ出しされるくらい、有り得ないほど理想的な展開になりましたからねえ(笑)。
フィクションであれば、「ご都合主義すぎる」と一蹴されそうなモノが、
「事実だから仕方ない」となる所こそ、ノンフィクションの醍醐味なのかも知れません。

> 以前に紹介した「不屈の棋士」が発刊されたのはわずかに2年前。
> 思えばそこから遥か遠くの地に来たような気がします。
> あの本では「千田六段の特異性」がクローズアップされましたが、
> 翌年には時の名人がPONANZAに負けて人間vs将棋ソフトに完全に決着がつき、
> そして今やどの棋士も多かれ少なかれ将棋ソフトを駆使するようになって
> 千田六段が先進的というのではなくむしろ平均に埋もれてしまっているような最近です。

その当時、ほのぼのさんは↓と、おっしゃってましたものねえ。
> > > 個人的に興味を引き付けられたのは、自己の棋力向上を将棋ソフトに賭けている千田翔太のコメントです。
> > > 将棋ソフトが人間の棋力の向上に役立つかという命題について、
> > > 千田五段が5年以内にタイトルを奪取できればyes、そうでなければnoということができるのではないでしょうか。
> > > このような観点でみると、千田五段の今後の動きには目が離せませんな。

あれから2年も経たない内に、今やソフトを使わないと棋士も戦えない時代となり、
根本的な「棋力の向上」に繋がっているかは、現状だとともかく、
少なくとも「研究の成果」を活かす為には、既に必要不可欠な存在になってるように思えます。
ちなみに、千田六段が今後タイトルを獲得できるか否かは別として、
あの時の命題の答えは、もう「yes」という事で宜しいのでしょうか?(笑)

> 将棋ソフトを使いこなすのに年齢は関係なく、中年棋士でも研究にソフトを活用すれば
> 年による衰えをカバーできているのではないかと思います。

今回の混戦化も、これ↓の影響なんですかねえ?
> > > 最近思うのが、近年の将棋ソフトの進化は「トッププロの棋力の平準化」を招いているのではないかということです。
まあ他の世界でも、大きな技術革新が広まった後には、
全体的に実力が底上げされて、レベルの平均がアップする事が多いですから、
その変化の度合いで言うと、上位陣よりも中位・下位の方が実は影響が大きいのかも?
スポーツ界で言えば、頂点に立つような選手の能力の高さは、今も昔も大差ないのでしょうが、
それより下に位置する選手達のレベルが、技術革新により上がった事で、
トップの選手も、昔のように簡単には勝てなくなる状況が、よく見受けられます。
って、そこを考えると、藤井六段の凄さが更に際立ってきますね(笑)。

> むしろ、将棋界の一番長い日で三浦九段に負けてB1級に落ちた渡辺棋王のほうが
> 最近のソフトを活用した研究の流れについていけてないような。

私程度の棋力では、その真相を判断できるレベルには無いのですが、
そういった話は、しばしば耳にしますね・・・・
あとやはり、あの件による精神的な疲れも、意外と大きいんじゃないですかねえ?
「三浦九段は疑われても仕方なかった」というpdf資料を、昨年の最終局前日に作成できるくらい(笑)、
PCを使える人だからこそ、ネット上で自身への批判や中傷を目にする事は恐らくあったでしょうし、
その結果として、PC使用を避けるようになって、ソフト研究が後手となった可能性もあるかも知れません。
(一方で、同じく当事者だった久保王将が無影響なのは、ネットを使わないからという噂が・笑)
でもまあ、もし本当に精神的にヤラれているのだとしたら、こうした場合、
本人に直接よりも、子供が学校で嫌な思いをして・・・ってダメージの方が大きい気がしますね。

だからと言って、1年半前の騒動が起きる直前、竜王戦前のインタビューで渡辺棋王は、
米長会長なき今、将棋界の置かれている現状と、棋士としての自らの立場を考慮しつつ、
「早めに一線を退き、連盟を取り仕切っていくような今後も、既に覚悟している」
みたいな事を語ってましたけど、まだ33歳ですから、さすがにその選択は早過ぎるでしょうし・・・・
来期のB級1組の顔触れを見ても、1年でA級に戻ってくる確率は高そうですし、
降級により一定の禊ぎは済んだ見なされれば、ここから復調する事も十分に有り得そうかと。

ただ、一棋士としての復権はともかく、将来の会長候補という点では、どうなんですかねえ?
永世竜王という実績や、マスコミや支援者への対応力、そして年齢面を考えると、
黙っていても10年後20年後には、長期政権を築いていた可能性が高かったと思いますけど、
例の騒動を起こした事で、コチラに関しては、そう簡単な話では無くなったような気がします。
あの件も、強い自負心と使命感が生んだ結果だったのでしょうが、結局は暴走となりましたし・・・・
って、「この構図は最近も何処かで見たなぁ?」と思ったら、相撲界と貴乃花親方ですね(苦笑)。

> そして、やはり藤井六段は凄まじい才能ですね。今年、来年あたりにはタイトルを取って、
> 数年先には複数タイトルが当たり前という羽生竜王と同じ道を歩むかと思います。

五段から六段になるまで速かったですけど、
今度の竜王戦で2連勝すれば、すぐにも七段ですからねえ(笑)。
七番勝負や本戦トーナメントでの連勝条件ならまだしも、
今やってるのは予選5組でのランキング戦ですし、連勝する可能性はかなり高そう。
早めにタイトルや挑戦権を獲得し、段位で呼ばれる事も無いまま、
九段まで行ってしまう展開も考えてましたが、それ以上に昇段のスピードが速い!!
半年あまりで四段から七段まで駆け上がった例って、過去にあるのでしょうか?

ただ、七段から八段へのスピード出世となると、竜王タイトルを獲るしか無いので、
これ以上は、なかなか難しい所でしょうけど、今の勢いであれば有り得ない話では無いのかも?
もちろん大変でけど、一方で下剋上が起こりやすいのも、竜王戦の特徴ではありますからねえ。
って、四段で竜王位を獲得し、いきなり八段という展開も少し見てみたかったのが正直な所(笑)。

> そういう意味では、羽生竜王には順位戦プレーオフを勝ち抜いて名人を奪取してもらいたいのですが、
通算100期目の記念すべきタイトルを、名人位奪還で飾れれば、ストーリー的には理想ですしね!!
そして、竜王名人として竜王位の防衛戦に臨み、その挑戦者が藤井六段改め七段ともなれば、
先日の一番長い日に勝るとも劣らない、出来過ぎた展開をやはり期待してしまいます(笑)。
師弟対決ですら、一般ニュースで大きく扱われるくらいなので、
竜王戦で「羽生vs.藤井」の七番勝負ともなれば、注目度はその比では無いかと?
この前の公式戦初対局の時ですら、NHKでこんな番組↓が作られました程ですからねえ。

「プレーバック2.17 羽生善治vs.藤井聡太 最強の極意」
https://www.youtube.com/watch?v=RaWT-ZTU_n8

あと、こうして一般報道でも将棋が扱われる時、コメンテーターとかが真顔で、
「AIも強いらしいが、羽生さんや藤井くんなら勝てるんじゃ?」
と、冗談抜きで語ってるケースを、意外とよく見掛けるので、
直接対決を避けた選択は、思いのほか最善手だったのか?と思わなくも無かったり(苦笑)。
ファンはまだしも、世間一般というのは、やはりその程度の認識に留まるモノでしょうね。
羽生さんと国民栄誉賞を同時受賞した、囲碁界の井山七冠に対しても、
「AIも強いらしいが、井山さんなら勝てるんじゃ?」というコメントを目にしましたし・・・・
(DeepZenGoに敗れてたり、あの柯潔を国際棋戦で破ったりは、世間的に全く認識されてないと・泣)
そもそも、国民栄誉賞の時に初めて、井山さんの名前を知った人も多い気がします。
羽生さんにしても、七冠独占が20年以上前ですので、若いと知らない人も珍しく無さそう。
身近な例だと、昨年結婚した弟の奥さんは、羽生さんの事を知らなかったんですよね。

> 現在プレーオフ3連勝中の豊島八段にも頑張ってもらいたいところです。
私としても、電王戦に登場した棋士は応援したい気持ちが強いですね!!
あの対局って、棋士側にはメリットよりもデメリットの方が大きかったはずで、
それでも敢えて対戦を受けた棋士には、やはり報われて欲しい思いがありますし、
実際に好成績を残している出場者が目立つのも、嬉しい状況ではあります。
まあ単純に、出場者には有力な若手や中堅が多かったという事もあるのでしょうけど、
一足早くソフト活用を始めた事が、今の成績に活きているのであれば良いんですけどね。

ただ、豊島八段に関しては、ソフト研究に入れ込み過ぎるあまり、
成績自体は良いものの、精神力を問われる大一番が苦手になってる印象も・・・・
やはり対局って最後の最後は、「人間vs.人間」の勝負ですからねえ。
ここまで迫りながら、結局は今回も王将タイトルを逃してしまいましたし、
そもそも論で言いますと、現行の将棋ソフトが幾ら強いと言っても、
基本的にコチラは「コンピューターvs.コンピューター」を念頭に作られており、
特に劣勢時の状況判断とか真似てしまうと、人間同士の対局では却ってデメリットになる事も?
平昌五輪でのカーリング競技を見ていて、改めて思い知らされましたけど、
やはり人間の行動にはミスが必須である以上、ミスを減らす事はもちろん大事ですけど、
相手のミスを誘い、自らのミスをカバーできる能力こそ、真の勝負強さのような気もしますね。

> さて、最近読んで非常に衝撃的だった本として、
> 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」があります。
> AIは万能ではなく、読解力に難があるというのはちょっとAIをかじった人であれば気づくことですが、
> 日本の中高校生も同じように文章を正確に理解できない人が増えているという
> ショッキングな調査結果が提示されています。

う〜ん、実際に本の内容を読んでいないので、何とも言えないんですけど、
著者の人は、AIが東大合格を目指した「東ロボくん」のプロジェクト・リーダーですか・・・・

キチンと論文とか読んだ訳では無いですけど、これまでの関連記事を読む限りでは、
将棋AIのボナンザ(Ponanzaにあらず)や、囲碁AIのZEN(DeepZenGoにあらず)のレベルで、
技術的には行き詰まっていた印象があるんですよねえ。
もちろん、明確なルールが存在する囲碁や将棋と違って、
試験問題を解くというのは、一筋縄で行かないのは解りますけど、だからこそ工夫は必要でしょうし、
海の向こうでは、米国・マイクロソフト社のAIと、中国・アリババ社のAIが、
スタンフォード大学の作った読解力テストに挑み、共に人間を上回ってる時点で・・・・
何だか、米国・Google社のアルファ碁や、中国・テンセント社の絶芸が登場して、
いきなり置いていかれた日本産のZENの記憶と被り、デジャブっぽく感じてしまいました。
アリババ社はAI開発に3年間で1.7兆円を投入なんて聞くと、無理な勝負なのかも知れませんけど、
電王手くんならぬ「東ロボ手くん」みたいな方向に進んでた時点で、研究としてどうだったのか?

ただしZENの方は、プロジェクトを続けてDeepZenGoへと進化して、
今では、絶芸と一進一退の勝負が繰り広げられる所まで辿り着けたのですが、
東ロボくんのプロジェクトの方は、後追いであっても進化を目指すのではなく、
「子供達への教育に活用」という、全く別の方向に話が飛んじゃいましたからねえ(笑)。
しかも、教育方面に関しても、「自分たちは専門家だ」と振る舞っているのですが、
本職の教育者たちからは、どうも芳しくない評価をされてるなんて話も・・・・
インタビュー記事とかを読んでみても、特に教育方面の話に関しては、
何だか決めつけや感情論に走りがちで、しかも妙に上から目線で語っており、
「自分の考えが絶対」と言いますか、「他人の考えを認識できない」タイプに感じられ、
科学者としてはまだしも、教育者を名乗るのにはどうかな?といった印象を受けるんですよね。
正直な所、個人的には、一昔前に「ゲーム脳」という疑似科学をやってた日大の森教授と、
雰囲気的に少し似通ったモノを感じてしまいます(さすがに、ゲーム脳よりマシとは思いますが)。

> 一昔前に「バカの壁」という本が流行りましたが、
父親の本棚にあるので、その気になればいつでも読めるのですが、未だに読んでません(笑)。
どうも私は性格が天の邪鬼なもので、世間一般的に流行ったモノって、
よほど食指が動かない限り、まずに触れたがらないんですよねえ・・・・
どうでしょう、今からでも内容的に読んだ方が良い1冊でしょうか?
別に、養老孟司が嫌いという訳では無いですし、
脳科学者11名との対談をまとめた「養老孟司・学問の挑発(日経サイエンス)」や、
宮崎駿との対談集である「虫眼とアニ眼(新潮文庫)」は、悪くない1冊でしたから、
(巻頭カラーの宮崎駿が考える理想郷イラストだけでも、見る価値はあろうかと)
氏の著作を読むこと自体に、そこまでの抵抗感はありませんので。

> これからはもっと恐ろしい「同じ日本人同士で、意思疎通ができない」といった事態がくるかもしれませんね。
それは、半分正しくて、半分間違っているかも知れません(笑)。
そもそも、あの方法で本当に人間の読解力が計れるかは、まあ置いておくとして、
「意思疎通」というのは、言い換えれば「相互理解」をする事であり、
更に言うと、「相手の意思を理解し、自分の意思を理解させる」事であります。
そして、人と人というのは、例え同じ言語を使っていても、
世代差・地域差・環境差などにより、誰もが多かれ少なかれギャップを抱えてるモノです。
つまり意思疎通とは、お互いのギャップを上手く越えていく作業だとも言える訳です。

そういう意味では、意思疎通ができない人同士なんて、将来的にとか関係なく、
今の世にも、昔の時代にも、既に普通にある事でしょうし、
上述のスポーツ発展の話とかしましたけど、それはどの分野においても言える事で、
基本的に人間社会というのは、時代と共に少しずつ進化や変化をしていくモノだと思うんです。
そして、そこで生まれるズレこそが、世代間ギャップと呼ばれるモノなのでしょうが、
そのギャップ自体を、「劣化だ」「低下だ」「○○の所為だ」と断じてしまってる時点で、
もうその人は、相手を理解する事も、相手に理解させる事も、放棄しているように感じられます。
要するに、意思疎通が出来ない事態は、時代や環境では無く、その当人に原因がある事が多いと。

例えば「読解力」に関して言うと、昨今は活字離れ(読書離れ)が進んでおり、
確かに、長文を読み解く力という意味では、若い世代は少し見劣りするのかも知れません。
しかし一方で、ここ10年あまりで急速にネット利用が一般化した事により、
文字を読む機会という面で考えると、今の若い世代の方が断然高いはずなんですよね。
これを、「読書とネット閲覧とでは中身が違う」と切り捨てるのは簡単ですけど、
では果たして、読書だから内容が有り、ネットだから内容が無いかと言えば・・・・
小説とマンガの関係にしても、小説だから読解力が養われ、マンガだと無理という事ではなく、
小説だと文章だけで読み解く力が、マンガだと絵と文字から読み解く力が養われるのであり、
そこには個々人ごとに慣れ親しんだ方法の違いがあるだけで、そこに優劣がある訳ではありません。
つまり、人はそれぞれ置かれた状況の中で、それぞれに「理解の最適化」しているだけの事であり、
言い換えると、長文の読解能力が低下しているのは、長文の需要が低下しているだけとも言えると。

それに、脳が物事を理解するシステムを考えれば、文字がそのまま脳に刻まれるのでは無く、
脳が処理できるイメージへの変換が必須な訳で、そこには多様性があった方が理想だと思うんです。
長文から物事を理解するというのは、あくまで数ある手段の中の1つに過ぎず、
「若者は読解力に劣る」と安易に決めつけてしまうタイプの人は、
絵文字であったり、LINEスタンプであったり、インスタの写真であったり、
そういった若い世代の表現方法を、果たして理解できているのでしょうかねえ?
「何にでも、ヤバイと言う」とか、「マジ卍とか、意味不明だ」などと否定するのは簡単ですけど、
彼らはそれで意思疎通が出来ている事を思えば、結局はその人も「読解力不足」なんですよね。
まあ別に、その事自体に問題がある訳では無いのですが、ギャップの存在を認識する所か、
自らの価値観を基準に定め、そこから優劣を決めつけてしまう事が、何より問題なのだと思います。

> 最近読んだ本の中で一番良かったので、もし興味あれば是非ともどうぞ。
まあ私も、実はAIよりも教育方面の方が関心的に強いですし、
人間とコンピューターの知能を融合させる事は、長らく気になってる分野なので、
(「AIとビッグデータ」と「集合知と衆愚」の関連性について、最近は少し考えたりも)
物凄く興味のある題材ではあるのですが・・・やはり著者への先入観が邪魔してしまう(笑)。
それでも、当人がどのような事を語っているのか、実際に確認してみたい思いは湧きましたし、
今すぐ読んでみたいとまでは行かずとも、「機会があれば読んでみよう」リストには入りましたね。
紹介していただき、ありがとうございました!!

お返しに何か、紹介できる本があると良いんですけど・・・最近、ほとんど読んでないんですよねえ。
まあ強いて挙げるとすれば、年末に読んだ、この1冊↓でしょうか?

「サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム 勝利の方程式(光文社)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4334979335/
https://bookmeter.com/books/11989235

タイトルは文字通り、「サッカー+数学」の造語ですね。
イギリスの数学者が書いた翻訳本ですが、とくに読み辛さとかは感じませんでした。
ロシアW杯での対戦相手が決まり、代表戦もあり、サッカー気分が高まってた年末に読みました。
昨年11月の欧州遠征、12月の東アジア選手権など、日本代表の試合を見ていて、
1試合1試合では、いろいろと違和感や消化不良感が残ったのですが、
その全体を通して考え直した時に、全てはW杯本番への実験であるかのように思えてきて、
「実はハリルホジッチって、優秀な戦略家タイプなのでは?」と気になってる所でしたので(笑)。
W杯予選でも、勝負所となるホームでのサウジ戦と豪州戦では、キッチリ結果を残してましたしね。
最初は、「サッカーをチェスの要領で表現できないか?」という所から考えが始まり、
続いて、「ミスの確率を織り込んだ上で、戦術の最適化をAIで行えないだろうか?」という発想になり、
元日本代表監督のオシムは数学科の出身ですし、元U-17監督の吉武博文も数学教師でしたから、
まずは、「野球だけでなくサッカーも、意外と数学との親和性があるのではないか?」が気になって、
そんなタイミングで、たまたま見付けた1冊でしたから、なかなか興味深く読めましたね。
(欲を言うと、もう少し踏み込んだ内容を期待したものの、そこは未開拓な分野なので仕方ないかな?)


P.S.
あの後、紹介されてた「ビッグデータ・ベースボール」を一応読んでみたのですが、
やはりそれでも、私としての意見は変わりませんでしたね(申し訳ありません)。
昨シーズンのMLBで流行した「フライボール革命」とかも、そうでしたけど、
物理学を始めたキッカケが、野球が上手くなる為だった私のようなタイプからすると、
納得できる部分も多くあったものの、それは既に私も認識している事だったり、
(誤った価値観を一掃するという部分では、まさしく革命だとは思いますけどね)
また、「統計データがそう示しているから」と言って、それを鵜呑みにしてしまうのは、
「それが常識だ」とか「誰それが言った」と盲信するのと、同じ事のように思えるんですよね。

別に、膨大な統計データによって得られた結論が「間違っている」とは言いませんけど、
それはあくまで、MLBのプレースタイルを前提条件とした上でのデータである以上、
その結論が普遍的に当てはまるかと言うと、決してそのようには思えないんです・・・・
あの時に例として挙げた、昨年のWBCで見られた極端な守備位置シフトの件にしても、
打者のプライドが優先され、それでも強引に打つMLBの流儀があればこそ成り立つモノであり、
選手個人よりもチーム全体を優先する日本が相手なら、単なる穴にしかならないような気がします。
言うなれば、「やあやあ我こそは」と鎌倉武士が名乗りを上げても、
元寇で攻めてきたモンゴル兵には、そんなの関係ないって感じでしょうか?(笑)
要するに、状況に応じた適用が出来てこそ、本当の意味でのデータ活用になるのでは無いかと。

・・・って、ほのぼのさんが相手だと、ついつい語り過ぎてしまう。
久々だというのに、いきなり長文になってしまい、申し訳ありません(笑)。


[21554] Re:理想は「羽生竜王名人vs.藤井七段」の竜王戦?返信 削除
2018/3/23 (金) 21:41:41 ほのぼのさん

すみません、徳翁導誉さんの長文を読ませていただき、いろいろこちらもお返事したいのですが
いかんせん時間が取れないのでAI関連はまた今度で。

前回の書き込みの後から、羽生竜王が豊島八段、稲葉八段を破って名人戦挑戦を決めましたね!
通算タイトル100期、名人10期を今回の名人戦で決めるかと思うと胸熱です。
そして藤井六段も元竜王の糸谷八段を破って16連勝。
去年の29連勝が決してフロックではないことを証明していますね。
藤井六段の連勝記録が藤井四段の連勝記録を超えることができるかどうかというギャグみたいな世界です。
竜王戦予選もあと2つ勝てば本線出場なので、いよいよ今秋には羽生竜王(羽生名人竜王?)vs藤井七段の戦いが見れるかも?

「サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム 勝利の方程式(光文社)」、ご紹介ありがとうございます。
kindleにさっそく入れたので今度時間のあるときに読んでみたいと思います。
あと、ハリルホジッチは私もW杯本番に向けて着々と布石を打っていると思っています。
ジーコやザッケローニのように本番前にピークがきてしまって
敵に研究されて本番ではやられるってのが敗退のお決まりのパターンなので、
その轍を踏んでいないだけでも期待できそうです。マスコミによるバッシングも馬耳東風ですし。

「ビッグデータ・ベースボール」について。
なかなかうまく言葉にできていないのですが、この本で書かれている戦術の進化は、
まさに製造業のIoT革命と同じだと思うんですよね。
IoT革命でも今まで計測することができなかったデータを大量に集めることができ、
しかもそれを分析する技術がAI等によって進化し、
今まで職人的な勘と言われていたものが数字で示すことができるようになった。
私も仕事でそのあたりにどっぷりからんでいるので、ああメジャーリーグでも
同じようなことをやっているんだなあと共感を持った次第です。

極端な守備位置シフトの件についても、やはりリーグ戦全体で数多くの事例を平均すると、
やはり数字の言う通りに従うのがベストな戦略のような気がします。
MLBの流儀とか、日本の勝利至上主義とか、毎回の試合でのそういうのを全部ひっくるめて平均化したのが
分析結果としての数値だと思いますし。
そういう意味では、100試合を超える長丁場ではビッグデータは有効だが、
プレーオフの短期決戦では数字よりは個々の選手のその場の判断を尊重した方が勝率は上がるかもしれません。
ビッグデータを駆使するチームが、最後のプレーオフでは勝てないのっても、「平均」はその場の波の変動に勝てないのが原因のような気がします。


[21563] ロシアW杯を前に、歴代の日本代表を振り返る返信 削除
2018/3/29 (木) 20:11:41 徳翁導誉

▼ AI本の話
> すみません、徳翁導誉さんの長文を読ませていただき、いろいろこちらもお返事したいのですが
> いかんせん時間が取れないのでAI関連はまた今度で。

いやいや、まあ年度末ですし、その辺は全く気にしてませんよ。
それ所か、せっかく紹介して戴いた「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」に対して、
読む前から辛辣な意見を述べたのは、正直失礼だったかと少し気になっており、
とりあえず、不愉快な思いをさせたとか無かったみたいで良かったです(笑)。

ちなみに、途中から斜め読みになったものの、一応読了しましたけど、感想としては・・・・
インタビュー記事とかですと、いろいろと制限もありますし、記者を介してのモノですから、
そこは大目にと言いますか、ある程度は差し引いて今まで見ていたのですが、
いざ著作を読むと、朧気だった第一印象が補強されるに止まらず、却って悪くなっちゃいましたね。
国立の研究所ですし、もう少しマトモな方が、プロジェクトを率いてると想像していたので。
先述のゲーム脳の教授と印象が被ったのも、経歴を見ると両人とも、
大学卒業後に、理系へと転じた方だからなのかも知れません。
「観察してから、物事を定義する」研究者ではなく、
「定義してから、物事を観察する」タイプのように見受けられました。
行き過ぎたAI幻想を否定するのはまだしも、「シンギュラリティは到来しない!」と断言して、
その根拠が「数学者だから解る」と言うのじゃ、まるで説得力など感じませんでしたし、
他者の否定と、自己の肯定を、全く同じ論法で行っているのは、素直に「えっ!?」となりました。
子供達の読解力低下よりも、こうした方が要職にある事実の方に、危機感を抱かされた1冊でした。

・・・って、ほのぼのさんが相手なので、私も思ったまま正直に書いてしまいましたけど、
「失礼かと気にして」いたのなら、もう少し遠慮しつつ感想を書くべきでしたかねえ?
どうも私自身が、ハッキリ言ってもらえた方が嬉しいタイプなもので、
この人なら大丈夫と思い、ついつい相手の許容範囲を踏み越えてしまう失敗も多くて(苦笑)。


▼ 将棋の話
> 前回の書き込みの後から、羽生竜王が豊島八段、稲葉八段を破って名人戦挑戦を決めましたね!
> 通算タイトル100期、名人10期を今回の名人戦で決めるかと思うと胸熱です。

もうヤル前から、羽生竜王の名人位奪還が決まったかのような書き方に(笑)。
でもまあ、最近の佐藤名人の成績を考えると、そう見られるのも致し方ない所なのかな?
一時の竜王戦での渡辺棋王みたいに、タイトル防衛を最優先して、
手の内を隠しているとかなら、また別なのでしょうがね。
(そんな渡辺棋王も、今度の棋王戦・最終局を落とすと、十数年ぶりに無冠に)

> そして藤井六段も元竜王の糸谷八段を破って16連勝。
> 去年の29連勝が決してフロックではないことを証明していますね。

いや〜、本当にそうですよね。
3年前には竜王を獲得し、新年度からはA級で戦う糸谷八段は、
いまの将棋界でも、トップ棋士の1人と言って良いと思いますけど、
そんな実力者を破った訳ですからねえ(優勝した朝日杯のような早指しでも無いですし)。

> 竜王戦予選もあと2つ勝てば本線出場なので、
> いよいよ今秋には羽生竜王(羽生名人竜王?)vs藤井七段の戦いが見れるかも?

とは言え、ここから更に9人連続で倒さなければ、
竜王戦の挑戦者にはなれませんので、やはり現実的に考えると相当困難ですけどね。
ただ、それを「有り得るかも?」と思わせるのが、本当に凄い所!!(笑)
もしも本当に、挑戦権獲得が実現したならば、これはもう、
タイトル奪取がならなくても、「トップ棋士の1人」と見なして良いように思います。


▼ サッカーの話
> 「サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム 勝利の方程式(光文社)」、
> ご紹介ありがとうございます。
> kindleにさっそく入れたので今度時間のあるときに読んでみたいと思います。

お〜、電子書籍を使われているんですね!?
こういう時に、「自分は古いアナログ派なんだなぁ」と再認識させられます(笑)。
未だに「紙媒体でしか読まない」「本屋でしか買わない」って具合ですので。
どうも私は、現物を実際に手にしないと、どうも駄目なタイプみたいです。
古本屋や図書館でも見つからない絶版本が、電子書籍なら簡単に入手できるようなら、
食指が動くのかも知れませんけど、現実はそうじゃ無いですしねえ・・・・
(絶版となる本は需要が少なく、権利関係の手間は逆に大変で、採算など取れないでしょうから)
ちなみに、ほのぼのさん的には、電子書籍の使い勝手ってどんな感じなのでしょうか?

> あと、ハリルホジッチは私もW杯本番に向けて着々と布石を打っていると思っています。
> ジーコやザッケローニのように本番前にピークがきてしまって
> 敵に研究されて本番ではやられるってのが敗退のお決まりのパターンなので、
> その轍を踏んでいないだけでも期待できそうです。

一言で言うと、前回のザックJAPANは「自分たちのサッカー」を目指したのに対して、
今回のハリルJAPANは「相手ありきのサッカー」をやろうとしてますからねえ。

W杯予選の鍵となる試合でもそうでしたが、とにかく事前に対戦相手を調べ上げ、
相手の長所を消し、相手の欠点と突く事を前提に、日本の戦い方を決めると。
口癖のように多用される「デュエル」に関しても、別にそれを武器にしようという訳ではなく、
欠点として相手に突かれない程度に、駒としての強度を求められてる感じでしょうか?
(どんなに技術やスピードがあっても、簡単に潰されては、それを披露する事すら困難なので)
ですから極端な話、W杯で対戦する3ヶ国が決まって以降、ハリルホジッチは、
日本の事よりも、その3ヶ国(特に初戦のコロンビア)の事を考え続けていると思います(笑)。
そして日本側に関しては、監督からすると、長所を消せて短所を突ける駒(選手)があれば良い訳で、
W杯では対戦相手に合わせて戦い方を変える以上、選手の連携や、戦術の成熟を深めるのでは無く、
とにかく本番までの強化試合は全て、駒探しと駒の性能チェックに徹している印象を受けます。
今回は20年ぶりに、多めに選んで最後に篩い落とす選考方法が採られる以上、
それこそ選手選考は、大会直前での調子の良さを最優先に選ぶでしょうし、
W杯のスタメンも、対戦相手の分析に応じて決めるでしょうから、
恐らく現時点では誰も(監督すら?)予想してないメンバーで、初戦に挑んでると思います(笑)。

あと、「弱者のサッカーをやれ」という声も、以前より結構耳にしますけど、
弱者のサッカーとは何も、ドン引き戦術だけじゃなく、こうした戦略的な方法もあるんですよね。
ただ、戦略的方法の場合、そこまでの過程が見ていて解り難いという難点がある上に、
もしも読みが外れた場合は、ドン引き時みたいに結果を取り繕う事も出来ず、無惨に散る事も有り得ます。
結果を求めて弱者の戦い方をして、それで結果が酷ければ、本当に何も残りませんし、
なかなか理解を得にくい方法なので、非難の声は相当に酷くなると思います・・・・
南アフリカ大会での岡田JAPANに比べれば、あの時のように行き当たりばったりでは無い為、
結果を確率は今回の方が高そうですけど、如何せん勝負事は時の運次第ですからねえ。
(岡田は元々、帳尻合わせが得意な監督でしたが、あの大会は幸運もかなり味方しました)
しかもハリルホジッチという監督は、
戦術的に幅のあるタイプでは無い為、試合途中に軌道修正とかは望み薄なので、
おおよその試合結果は、スタメン発表や開始10分くらいで、かなり見えてくるかも?
(前任のアギーレは全方面でソツの無い感じでしたが、ハリルホジッチは長所と短所が極端・笑)

ですが一方で、自分の選手を駒と見なす、冷徹な戦略家タイプの指揮官でありながら、
人間的には物凄い激情家タイプなので、意外とモチベーターな側面も持っているんですよね。
前回のブラジル大会では、アルジェリア代表を率いてましたけど、
黒星発進ながらグループ・リーグを突破し、決勝トーナメントでもドイツ相手に善戦したのは、
戦略的な分析だけでなく、監督の熱さが選手達にも伝染した事が大きかった気がします。
(心理的なフォローをする事も無いので、熱血漢の部分が無ければ、ただただ嫌な上司かと・苦笑)。
とは言え心配なのは、これ程までに強化試合で勝てず、選手達も危機感から疑心暗鬼に陥っていると、
本番でモチベーションを上げる前に、選手達の心が監督から離れてしまう事だったりします。
日韓W杯のトルシエJAPANの時にも、こうした事態は少し見受けられたものの、
あの時は4年間植え付けた基本戦術があったので、却って良い方向に転がりましたけど、
今回はあの時のように、選手間での共通理解とかも無いので、そうなれば本当に悲惨な事に・・・・

ちなみに、「敵に研究されて本番ではやられる」という言葉が、
最も当てハマる例こそ、この日韓W杯のトルシエJAPANだと私は思います。
圧倒的な実力でアジア杯を制した2000年の日本代表は、AFCからも歴代最強と評されてる反面、
フラット3のような特殊な戦術を4年間も続けていれば、当然その穴を突かれてくると。
だからこそW杯本番では、高いライン設定を選手達の独断で放棄しちゃいましたからねえ。
一方で、ジーコJAPANやザックJAPANに関しては、「本番前にピークがきて」と言うよりも、
ピーク調整などあまり念頭になく、強化試合でも常に勝利を目指して戦っていたように思えます。
なので過程の試合結果は良いのですが、その為に課題を直視しにくく、修正もままならないまま、
勢いだけでW杯の本番に突入してしまった感が、両チームとも強かったんですねえ。
(個人的には、「守備ヤバい、守備ヤバい」と不安を募らせたまま、突入した大会でした)

それでもまだ、勝負事は時の運が大きく左右するので、初戦さえ取れていれば、
勢いに乗って快進撃なんて展開も有り得たんでしょうけど、やはり現実はそう甘くはなく、
両大会とも、初戦は共に先制点を上げて、前半をリードで折り返しながら、
後半に失点を喫すると、そこでテンパってしまい、最終的に逆転負けとなり、
残る2戦も負のスパイラルに巻き込まれて、あのような残念な結果に終わったと・・・・
決して勝てない試合では無かっただけに、やはり大きな後悔が残る挑み方になったと思います。
特にブラジル大会の場合は、移動距離や会場の気候を度外視して、
大スポンサー・キリンのブラジル工場があるイトゥを、大会拠点に選んだ協会の判断も、
今更ながら、大きく影響した事は否めませんでしたし・・・・
とは言え、最終選考時のザックJAPANは、ジーコJAPANの時よりもバタバタしたので、
結果は変わらなかったかも知れませんけど、それでも最善は尽くすべきだっただろうと。

> マスコミによるバッシングも馬耳東風ですし。
ただ個人的には、W杯に向けて、こうして気分も高まって来ており、
試合を観戦すれば、感想だったり疑問点だったりが生じる訳なのですが、
それを解消してくれる記事や意見などが無いと、凄くモヤモヤしちゃうんですよね(苦笑)。
私より詳しい人など、それこそ、ごまんといるはずですし、
一昔前だと、そうした方々の意見をネットで探すのが、観戦後の楽しみの1つだっただけに、
サッカーに限らず、そういう空気がネットから消えた現状は、やはり悲しい所があります・・・・

あと、ロシアW杯まで残り2ヶ月半という事で、このサイトとしても、
「ロシアW杯 予想大会」の準備を、少しずつ始めている所なのですが、
いや〜、仕方ない実状とは言え、やはりアジア勢の評価が本当に低いですねえ(泣)。
海外ブックメーカーの複数のオッズを参考に、各国のポイントを設定しているのですが、
アジア5ヶ国は、どこが来ても、大穴的中クラスの配点になってしまっています(苦笑)。
英国スポーツ紙による、W杯出場32ヶ国の採点でも、
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180324-00262316-footballc-socc
韓国26位、イラン27位、日本28位、豪州30位、サウジ32位って感じだそうですし。
まあ確かに、最近の出来や成績を見れば、低評価なのも致し方ない面はあるものの、
アジア勢の潜在能力も知っているだけに、ここは一発逆転の結果を是非とも見てみたい所!!


▼ 野球の話
> 「ビッグデータ・ベースボール」について。
> なかなかうまく言葉にできていないのですが、この本で書かれている戦術の進化は、
> まさに製造業のIoT革命と同じだと思うんですよね。
> IoT革命でも今まで計測することができなかったデータを大量に集めることができ、
> しかもそれを分析する技術がAI等によって進化し、
> 今まで職人的な勘と言われていたものが数字で示すことができるようになった。

はい、それは解ります。
今までは漠然としていた経験則が、大量の統計データを取る事で、
数値的な後ろ盾を得られたり、思い込みだったと気付かされたりとか。
私個人としては、別にそれに対して抵抗感とかは特に無いんです。
と言いますか、出来れば数式化したくなるようなタイプの人間ですしね(笑)。

ただ一方で、あくまでスポーツのデータは、ルール下での行動の集積である以上、
キチンと物事を分析できていれば、驚くような新事実が見つかる事は少ないとも考えているんです。
逆に、感覚とデータに大きな齟齬がある場合は、経験則の精度が低いとも言えるでしょうか?
「今までの常識を大きく覆す」なんて言うのも、常識の中身を自ら精査しないまま、
定石や格言などを鵜呑みにして、無批判に信じ込んでいただけのような気がしますし、
そういうタイプですと、新しい常識を再び同じように鵜呑みにしてしまうように感じるんです。

どうも私は、転勤族として日本各地を短期間で転々とした事により、
「ある地域での常識は、その地域でしか通用せず、それを誰も気が付いていない」という体験を、
何度も繰り返しながら育った所為か、常識だからと頭から信じ込む事が出来ない性格な一方、
トラブル回避の為に、何が常識とされ、なぜ常識とされるのか? を観察する癖も根付いていて、
こうした事には神経質と言いますか、妙に客観的な見方をしてしまうんですよねえ・・・・
ですから、少年野球とかでも、「正面で捕球しろ」とか「叩き付けて打て」という、
理屈に合わない指導は、ハイハイと適当に聞き流してました(我ながら嫌なガキですね・苦笑)。

> 極端な守備位置シフトの件についても、やはりリーグ戦全体で数多くの事例を平均すると、
> やはり数字の言う通りに従うのがベストな戦略のような気がします。
> MLBの流儀とか、日本の勝利至上主義とか、毎回の試合でのそういうのを全部ひっくるめて平均化したのが
> 分析結果としての数値だと思いますし。

いやいや、そんな満遍なくデータを収集して、分析結果を出している訳ではありませんよ!?
データ分析は別に、野球の普遍的な法則を調べたくて行われているのではなく、
MLBならMLBで、NPBならNPBで、有効に使えるモノがあれば十分な話であり、
WBCにおいても、それらのデータをそのまま流用しているに過ぎません。

あと一応、念の為に説明しておきますと、
昨今MLBで流行っている守備シフトというのは、本当に極端でして、
引っ張り専門の左打者ですと、一二塁間に野手4人を並べて、二三塁間をガラ空きにするんです。
当然ながら、ガラ空きのサード側にバントでも何でも転がせば、全てヒットになるのですが、
MLBの流儀と言いますか、メジャー・リーガーのプライドとして、意地でも引っ張るんです。
だからこそ、この極端なシフトの成功率も、統計的には高くなる訳なんです。
しかし、これはジャンケンに例えますと、10回連続でグーを出してる人に対して、
何もしなければ、11回目もグーを出す可能性が高いというのは確かでしょうけど、
現在のシフトは、相手よりも先にパーを出して待ち受けてるようなモノかと?(笑)
ですから実際、短期決戦の試合終盤、もう1点もやれない場面で極端なシフトを敷いた際には、
ボテボテのサード・ゴロを狙い打たれ、それが長打となり試合が決まるなんて展開も見られました。

統計とは、あくまで統計(過去のデータの積み重ね)なんです。
10回連続そうだったからと言って、11回目もそのようになると保証するモノではありません。
そして、ある特定の条件下の元で集められたデータというのは、
その条件が外れた場合や、全く異なる条件の下でも、同様に役立つとは言い切れません。
例えば自動運転の技術開発で言いますと、右側通行の国で集められた実証データが、
そのまま何の手も加えず、左側通行の国でも全て有効だとは言い切れないのと同じです。
しかもMLBの場合、先にパーを出されれば、後からチョキを出せば良いという方向ではなく、
そのパーを打ち破るようなグーを出せば良いという方向に進んでますからねえ(笑)。
具体的に言えば、一二塁間がギュウギュウ詰めなら、全て右中間に打ち上げれば良いと!?
いや〜、ショウとしては確かに面白いんですけど、これで勝率が高まるとは正直思えないんです。
こうした極端なシフトを敷けば、打ち損ねでガラ空きの方向に飛ばないよう、
投手の攻め方もイン一辺倒になりがちで、そうなれば狙い打たれる確率も当然増しますので。

また、アメリカのベースボールには、点差が付いた試合終盤に勝っている側は、
「盗塁しない」「バントしない」「有利なカウントで強振しない」という不文律が存在し、
当然ながらMLBの統計データも、その不文律を前提とした結果が残ります。
だからと言って、国際試合であるWBCでも、その不文律がそのまま罷り通る訳ではありません。
攻撃側からすると、試合の勝利をより確実にし、しかも得失点率の事まで考えれば、
試合終盤で点差があっても、1点でも多く取りに来るのは、当然予測できる作戦なのですが、
自分たちの不文律を世界のルールと疑わず、統計的にもそうした攻撃のデータは無い為、
無警戒なまま、まんまと盗塁やバントを決められると、
守備側は激昂して、故意死球を連発し、そのまま大乱闘なんて事が実際にあったんです・・・・

そしてアメリカのベースボールの場合、そこまで極端なシフトでは無くても、
状況に応じた配球や守備位置の面でも、首を傾げる場面が多いのは確かな気がします。
統計データを活用する事で、改善されてる面はあるのですが、それでもまだまだな印象ですね。
それは恐らく、データをまとめる上での変数が少ないからだと思うんです。
データ的には、イニング・カウント・点差・走者などが同じなら、同じ場面かも知れませんが、
双方の投手と打者の調子や、試合の流れなど、それ以外の様々な要素を加味すれば、
「単打ならOKだが、長打はNG」「単打すらNG」「とにかくアウトを稼ぐ」など1つ1つ異なります。
日本ですと、この辺は経験則から無意識に、大量の変数を処理して対応するのですが、
アメリカの場合ですと、それらの違いは余り意識されず、
全て同じ条件下として、統計的にアウト確率の高い選択を行う事が珍しくありません。
要するに現状では、ある程度のレベルまで行くマニュアルとして、統計データは役立っていても、
一定のレベルを超えると、経験則に劣る段階にしか、未だ到達していないように見えるんです。
だからこそ、経験則をも上回る高度な統計的マニュアルの登場を期待している反面、
現時点でのマニュアルを、そこまで盲信する気にはなれないという事ですね・・・・

最後に1つ、エピソードを紹介しますと、もう40年近く昔の事ですが、
当時、あの稲尾が中日の投手コーチにいた際、ミーティングの場で、
「9回2死満塁、フルカウントなら何を投げるか?」という質問をしたそうです。
すると、ほとんどの投手が、自らの決め球を答えていく中で、
18歳の高卒ルーキーだった牛島だけが、「分かりません」と答えたそうで、
その理由を稲尾が再度尋ねると、牛島はこう返したのだとか。
「そこまでの経緯を無視して最後の球は決められないし、点差や打者次第でも変わる」と。
つまり、私が求めているのは、そこまで考慮して出てくる統計データなのですが、
まだ今の段階ですと、アウトにする確率が高い「決め球」が返ってくる気がするんですよね。

・・・って、何だかこのまま終わると、現在のデータ革命に対して、
まるで評価していないみたい誤解されかねないので、最後の付け加えておきますが(笑)、
軍事レーザー技術(スタット・キャスト)の導入により、投球や打球などのデータは本当に詳細になり、
今や選手の得手・不得手は完全に丸裸になったのは、まさに驚くべき変革だと思います。
また、今までは感覚的にしか解らなかったモノが、目に見える数値として表れるようになったので、
それを有効活用できる選手には、物凄く便利な時代になりました。
あと、投手の球質が完全再現できるようになった事で、
今やVR技術で、試合前に相手投手と疑似対戦できる時代にもなり、
既に日本のプロ野球でも、楽天や横浜などがVR打撃練習を採用していましたね。
プロ仕様のVR疑似対戦だなんて、ファン的にも、様々なスポーツで体験したいはず!!(笑)
VRによるスポーツ観戦の技術開発も、ここ数年で劇的に進んできてますし、
これからは観戦方法も一変してくるかも?(東京五輪でも是非挑戦してもらいたい所)


▼ 大河ドラマの話
話題を脱線させ、サッカーや野球について長々と語ってしまった上に、
(脱線した話題に関しては、別に無理して返信されなくてもOKですよ・笑)
こうして新たな話題を振るのは、正直どうかとも思ったのですが、
少し気になったので尋ねてしまいますけど、今回の「西郷どん」はご覧になってます?
今年は「明治維新150年」という事で、題材に選ばれたみたいですが。


[21625] すみません、なかなか時間が取れないです返信 削除
2018/4/19 (木) 22:30:11 ほのぼのさん

▼ 徳翁導誉さん

すみません、リアルがかなり多忙でして、いろいろお返事したいのに
まとまった時間が取れなくて申し訳ないです。

> 読む前から辛辣な意見を述べたのは、正直失礼だったかと少し気になっており、
> とりあえず、不愉快な思いをさせたとか無かったみたいで良かったです(笑)。
>
> ・・・って、ほのぼのさんが相手なので、私も思ったまま正直に書いてしまいましたけど、
> 「失礼かと気にして」いたのなら、もう少し遠慮しつつ感想を書くべきでしたかねえ?
> どうも私自身が、ハッキリ言ってもらえた方が嬉しいタイプなもので、
> この人なら大丈夫と思い、ついつい相手の許容範囲を踏み越えてしまう失敗も多くて(苦笑)。


私も本音の意見大歓迎ですよ。全然失礼とか気にしませんので。
ただ、私は著者の新井紀子の言うことは多少鼻につくところがあるものの
概ね趣旨には賛同しているので、そこは徳翁導誉さんと私の見解の違いですね。

その他、ハリルホリッジ監督解任の愚行、今の大河ドラマ西郷どん、
そして2020年の光秀大河ドラマについて大いに語りたいのですが、
いかんせん今は時間がないので時間のできたときにでもまた議論したいですね。


[21631] 読解力の問題・ハリル解任・明智光秀が大河に返信 削除
2018/4/26 (木) 19:51:18 徳翁導誉

> すみません、リアルがかなり多忙でして、いろいろお返事したいのに
> まとまった時間が取れなくて申し訳ないです。

いえいえ、コチラは全く気にしてませんよ。
どちらかと言えば、そうした相手方の事情を理解していながら、
ついつい長文で返してしまう私の方こそ、少し申し訳ない気分だったり(笑)。


> > > さて、最近読んで非常に衝撃的だった本として、
> > > 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」があります。
> > > AIは万能ではなく、読解力に難があるというのはちょっとAIをかじった人であれば気づくことですが、
> > > 日本の中高校生も同じように文章を正確に理解できない人が増えているという
> > > ショッキングな調査結果が提示されています。

> > ちなみに、途中から斜め読みになったものの、一応読了しましたけど、感想としては・・・・
> > 行き過ぎたAI幻想を否定するのはまだしも、「シンギュラリティは到来しない!」と断言して、
> > その根拠が「数学者だから解る」と言うのじゃ、まるで説得力など感じませんでしたし、
> > 他者の否定と、自己の肯定を、全く同じ論法で行っているのは、素直に「えっ!?」となりました。
> > 子供達の読解力低下よりも、こうした方が要職にある事実の方に、危機感を抱かされた1冊でした。
> > ・・・って、ほのぼのさんが相手なので、私も思ったまま正直に書いてしまいましたけど、
> > 「失礼かと気にして」いたのなら、もう少し遠慮しつつ感想を書くべきでしたかねえ?
> > どうも私自身が、ハッキリ言ってもらえた方が嬉しいタイプなもので、
> > この人なら大丈夫と思い、ついつい相手の許容範囲を踏み越えてしまう失敗も多くて(苦笑)。

> 私も本音の意見大歓迎ですよ。全然失礼とか気にしませんので。
> ただ、私は著者の新井紀子の言うことは多少鼻につくところがあるものの
> 概ね趣旨には賛同しているので、そこは徳翁導誉さんと私の見解の違いですね。

先日たまたま、この本がテレビでも扱われているのを見たのですが、
なかなか売れ行きも良く、かなり好評のようですね・・・・
ちなみに同番組でも、ほのぼのさんが「ショッキングな調査結果」とおっしゃられた
高校生の7割が間違えたという、例のメジャーリーガー問題が登場して、
東大の新入生を数十人ほど集めて解かせた所、実に半数が間違える結果となり、
「東大生まで読解力不足が深刻に」と嘆かれる演出になっていました(笑)。

・・・って、AIは読解力がないから東大に合格できないとされる一方で、
その東大合格者も半数が読解力が無く、高校生に至っては7割が読解力が無いのなら、
果たして「読解力のある人」というのは、いったい何処に大勢いるのでしょう?
読解力が低下しているという事であれば、中高年なら高い正答率が出るんですかねえ?
正直言って、高校生の正答率が3割、東大生でも5割という時点で、客観的に見れば、
これは解答側の読解力よりも先に、まずは出題側の文章力を疑う方が、妥当だと思うんです。
別の問題では東大生も全員正解だった事からも、この問題のマズさが表れてると思いますし、
専門的な話ならまだしも、一般的な話で7割が理解できないなら、それは話し手側の問題だろうと。

しかし、そういう結論に至らないのは、
「読解力が低下している」という前提条件から、考え方がスタートしているからでしょうし、
結局の所、若者およびデジタル社会を否定したい感情が、その根底に隠れている気がします。
そして、自らの責任を相手の所為にして改善しなければ、もちろん意思疎通も困難になると。
でもまあ、いつの世であれ、新しい時代への不安や、新しい世代への不満などは、
変化に置いてかれがちな大人が抱きやすい感情ですし、だからこそ売れるのは解ります。
「近頃の若い者は」という文句は、いつの世にも需要があるモノですし、
しかもこの本の場合、「新時代は怖くない・・・というか到来しない」という、
ある意味で2段構えに、そうした読者の欲求を満たしてくれる構成ですからねえ(笑)。
ですが、それこそ週刊誌の記者がAIの恐怖を不必要に煽るみたいな事を、
国立研究所のセンター長みたいな肩書きの人が、真面目な顔して行うのは・・・・
当人には自覚も悪気も無く、そして影響力がある所が、却って深刻なように私には思えますね。
まあ流石に、ナチス・ドイツが行った優生政策みたいな例は極端にしても、
教育関係に首を突っ込むのは、ゆとり教育同様、ろくな結果を招かない気がしてなりません。

ちょうど昨日も、「水曜日のダウンタウン」というバラエティー番組で、
那覇を漢字で書けない那覇市民を捜すという企画があり、
その過程で「自分の住所や生年を知らない中学生」が多く見つかった結果、
ネット上では「沖縄ヤバいw」と、ちょっとした騒ぎになってますね(笑)。
でも、こうした短絡的な嘲笑は、たまたま調査値が沖縄だったという条件を無視しており、
批判的な意見の多くには、基地問題の事も絡めてバカにしていると・・・・
これって本当に、沖縄の通学生が愚かで、その批判者が賢いのでしょうか?
また、こうした傾向は全国的なモノだという発言が増えてくると、
今度は「いまの中学生ヤバいw」となる訳ですが、これも要は自身の物差しで語ってるだけで、
スマホの登場や、年賀状の衰退など、今と昔の環境の違いを理解できていないんですよね。
日常生活で困るというのも、役所に行かなければ、通販もしない、子供の日常で考えてないんです。
大人は全員、昔は子供だったはずなのに、他人どころか自分の記憶すら辿れていない。
子供が公式な書類にそれらを記入するなんて、基本的に高校受験の時が初めてかも知れません。
生年月日を知らないと言うのも、誕生日や年齢は分かってるけど、生年はという話でしたし、
そもそも昭和世代の場合、自分の生年を西暦で言えない人は掃いて捨てる程いるはずです(笑)。
私からすると、こうした人たちと、あの本に賛同する人は、似た様なタイプに映ってしまいますね。


ところで、例のメジャーリーガー問題は、なぜ正答率が低かったのでしょうか?
まずは実際、その出題文を書き出すと、こんな感じ↓です。
「メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の選手であるが、
 その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多くおよそ35%である。」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20171106003794_comm.jpg

で、この出題文の何処に問題があったかと言いますと、
2行目の「その出身国」の「その」という指示代名詞は、
正解とされる「アメリカ合衆国以外の選手」だけでなく、
「メジャーリーグの選手」を指す事も、文章の構成的に有り得るからですね。
今回、その両解釈を防いでいるのが、「28%」と「35%」という数字の存在ですけども、
例えば28%の部分が「70%」であれば、2つの意味が成り立ってしまう悪文なんです。
まあ、算数の知識があれば判断できるのは確かでしょうけど、
そこまで含めて、国語的な読解力と言うのかは?(笑)
少なくとも、読解力テストとして適当ではない出題文のように感じます。

また、細かい点まで指摘しますと、解答として選ぶ円グラフの方では、
「国(アメリカ)」と「人(外国人)」という、異なる対象が一纏めにされており、
「アメリカ出身の外国人」「二重国籍者」「帰化者」などは、どこに属するかが解りません。
(WBCがアメリカ人ばかりに見えるのも、こうした人々が各国代表に入っている為)
つまり、この円グラフだと、必ずしも合計が「100%」で収まるとは限らないんです!!
文化庁の調査によると、日本人の8割は神道信者で、7割は仏教徒だそうですが、
それを単純に合算して、日本の人口が1.5倍に増える訳ではありませんので(笑)。

そして、地理の予備知識があれば、「プエルトリコ」の存在も気になる所です。
アメリカの保護国(自治領)であるプエルトリコ人は、アメリカ出身に含むのか否か?
国としては保護国なので、アメリカ出身とは言えないかも知れませんし、
プエルトリコ人には市民権が与えられている為、アメリカ人とは言えるかも知れません。
実際、メジャーリーグには無視できない人数のプエルトリコ人選手がいますし、
こういうデータを取る時は、基本的にプエルトリコはアメリカ本国と別枠扱いになります。
読解力の判定として、正解する為に算数の知識が求められる一方で、
地理の知識が邪魔をして不正解になるというのでは、正直おかしな話ですからねえ・・・・

これがまだ、「正解を1つ選べ」という事であれば、最も無難なモノを選べば良いですが、
「適当なモノを全て選べ」という、引っかけ的な出題文になっている以上、
上述のような可能性を考慮して、複数回答を行ったとしても不思議ではありません。
しかし正解は1つだけというのは、はっきり言って、出題文を読み解く力ではなく、
出題者のレベルを推し量りつつ、その意向を忖度する力を求められる問題となります。
しかも、そうした忖度読解が最も得意であろう、東大に合格したばかりの受験生が正答率5割と!?
まあ、そこまで含めて、大きな意味での「読解力」だと言えば、そうかも知れませんけど(笑)、
解説の方では、「○○以外」を読み解くテストという事になってますからねえ。
あと、AIは「○○以外」みたいなのが苦手で、ネット検索でも出来ないと書かれてましたが、
「Aを含まないB」とか、「AかつB」とか、「AもしくはB」などは、
まさに数学の範疇であり、コンピューター処理が得意とする分野な訳で、
ネット検索でも普通に使われてる機能なはずなんですけどね・・・・


と、これ以上1つ1つ指摘し続けると、終わらなくなってしまいますので、
今回はメジャーリーガー問題に話を止めますが、ただ個人的には、
「シンギュラリティは到来しない」と断言する論拠に、研究者としての不誠実さを感じましたし、
「知的障害者が裁判を通して、論理的な思考力を手にした」という論法には、不快感を覚えました。
売上寄付と言いつつ寄付先が自分の会社だったり、留学経歴の詐称疑惑を指摘されたりなど、
そうした著者自身の問題点は、個人的には別にそこまで気にしてないのですが、
脳への理解が神秘主義だったり、コンピューターの仕組みを理解していなかったりと、
科学者としての問題点が山積ですし、教育者としては他者の考え方を推し量れない時点で・・・・
世知辛い現在、上手いことカネを集められる人材は確かに貴重ですけど、流石にこれはねえ。
東ロボくんプロジェクトの成果はさておき、少なくとも、この本の内容に関して、
科学っぽさと、道徳っぽさで、自己利益を包装するやり方は、まさに疑似科学のそれです。
皮肉な言い方をすれば、反面教師的に「読解力を養える」1冊だとは思えました(苦笑)。
いつもなら、ここまで厳しくは言わないのですが、それだけ危機感を抱かせる存在という事ですね。


> その他、ハリルホリッジ監督解任の愚行、
まさか、このタイミングで監督交代劇があろうとは・・・・
言うなれば、ここまで3年間コトコト煮込んできたスープを、あとは皿に盛るだけという時に、
いきなり目の前でブチ撒けられて、「ウマいか? マズいか?」を味わう事すら出来ないまま、
替わりに、冷蔵庫の残り物で作られた即席の賄い飯が出てくるようなモノですからねえ。
まあ確か、その3年の間にW杯予選などで数える程の味見しか行えず、
前回大会では良い料理を作ったコックとは言え、疑心暗鬼になるのは十分に理解できます。
しかし、出てくる料理を待っていた客(ファン)からすると、正直やりきれない所でしょうし、
この料理はマズそうだと期待してなかった客も、既に着席した状況でこれでは不満も出ようかと。

私も、W杯が近付き高まっていたワクワク感やドキドキ感が、これで一気に吹き飛ばされてしまい、
もちろん応援はしますけど、そこに期待感は無く、残されたのはモヤモヤ感だけという感じに(泣)。
で、それ以上に、今後の日本サッカー界にとって、どちらに転んでも非常に拙い決断だったと思うんです。
会長本人はリスク・マネジメントだと考えてそうですけど、私にはリスクの増大にしか見えませんでした。
もともと私の中での田嶋評は最低でしたけども、まさかここまで酷い行動を取ろうとは・・・・

世間の関心度が低かった南アフリカ大会の時と同様、私も少しでも盛り上げに協力したいと、
代表フォーメーションの動画↓に、ザック・アギーレ・ハリルの8年分を追加しようか考えてましたが、
https://www.youtube.com/watch?v=o758JF_CmGU
その辺りのモチベーションも、今回の一件で雲散霧消してしまいましたね。
ただ、それでも一応、予想大会の方は既に準備してありましたので、GW前に設置しましたけども、
オマケで加えたConIFA W杯の1行チーム紹介の方に、私の熱も回ってしまう結果に(苦笑)。
http://tokuou.s500.xrea.com/cgi/yosou/world_cup2018/russia2018.cgi
・・・って、このまま綴っていると、またダラダラと長文になってしまいそうなので、
気持ちをほぼ代弁してくれたコラム記事↓を貼って、今回は終わりにしておきます(笑)。

「突然奪われたW杯での楽しみ ハリル監督の電撃解任は何をもたらすか」
https://russia2018.yahoo.co.jp/column/detail/201804100001-spnavi/

ちなみに明日27日には、午後にハリルホジッチの記者会見がある一方で、
午前中には南北首脳会談もあり、何だか大忙しな1日に!!
しかも、5月下旬か6月上旬には米朝首脳会談が予定され、それに付随する様々な噂もあり、
W杯までの繋ぎと言っては何ですが、東アジア情勢の方もいろいろ動きそうな感はありますね。
また、この東アジア情勢というのは、中東情勢とも微妙にリンクしている事を思うと、
世界の人々がW杯に熱中している最中に、国際情勢も大きく変化していたなんて事もあるのかも?

> そして2020年の光秀大河ドラマについて大いに語りたいのですが、
まさか、まさか、明智光秀が大河ドラマの主人公になる日が来ようとは!!
同じ「悪役系」であれば、石田三成の方が先かな?と思っていたのですが、
まあ三成の方は、真田丸や天地人でも扱いが良かったので、
イメージ刷新という面では、逆に光秀の方が向いていたのかも(笑)。
それに光秀であれば、1540〜80年代という、最も人気の高い戦国中期を描けますしね。
実際、作品的にも、戦国の英傑達が成り上がっていく群像劇の側面も持たせたいのだとか。
(まあ無いでしょうけど、もし光秀=天海説を採用すれば、島原の乱まで描けます・笑)
また何気に、この時代の京都が主要舞台の1つとなるのは、大河でも初めてな気がします。
戦国ドラマだと京都って、やはり上洛を目指す対象という扱いになりがちなので。

そして、やはりドラマの出来というのは、脚本の出来に大きく左右されるモノですが、
なんと今作では実に29年ぶりに、大御所である池端俊策が大河に戻ってくるのだとか!!
いや〜、大河視聴歴が30年を超える私のNo.1大河は「太平記」なのですが、
その太平記こそ、まさに池端脚本による作品だったんですよねえ。
池端さんも既に齢70歳を超え、これが恐らく作家人生でも集大成の1作となるでしょうし、
最新の研究成果を取り入れ、従来の通説を書き換えたいと、当人も意気込んでいるので、
放送開始は1年半以上も先の話になるのですが、今からスタートが楽しみです(笑)。

あと、太平記は勿論の事、古代史3部作や松永安左ェ門などのNHKドラマでも、
池端作品は配役の当たりが多かったので、その辺りも抜かりは無さそうな気がします。
「八重の桜」でも好演が光った長谷川博己が、主役を任されたのも良いと思いますし、
池端&長谷川ですと「夏目漱石の妻」の時みたいに、尾野真千子も重要な役で起用されそう?
光秀との関係性から足利義昭&細川藤孝や、斎藤道三&織田信長の配役は凄く気になりますし、
また群像劇として、戦国大名たちが英傑に成長していく様子も描きたいとなれば、
主役周辺だけでなく、大物の脇役陣たちの配役に関しても、今から楽しみになってきます!!
私のハンドル名も、太平記で陣内孝則が演じた佐々木道誉あっての所があるので(笑)。
(「徳翁導誉」というのは、佐々木道誉の法名である勝楽寺殿徳翁導誉より採りました)

> いかんせん今は時間がないので時間のできたときにでもまた議論したいですね。
そうですね、時間が取れましたら、その時にまた!!
もう、その頃には、羽生さんが名人に返り咲いているかも(笑)。
(関係ないですけど、「W羽生」のツーショット↓って、初めてなのかなぁ?)
https://www.jiji.com/jc/p?id=20180425154737-0026869054


P.S.
昨年のゴールデン・ウィークの時、NHKが国産アニメ100年記念の特番をやるという事で、
互いに、個人的なアニソン・ランキングを発表し合いましたけど(笑)、
今年のNHKは、「ガンダム40周年」の記念特番をやるらしいですよ。
https://www.nhk.or.jp/anime/gundam/
先日、「歴史秘話ヒストリア」のスピンオフで、
ガンダム40年史を扱った番組は、地味に良かったです。


[21638] AI本・ハリル解任・光秀大河返信 削除
2018/4/30 (月) 01:17:29 ほのぼのさん

▼ 徳翁導誉さん
> > すみません、リアルがかなり多忙でして、いろいろお返事したいのに
> > まとまった時間が取れなくて申し訳ないです。

> いえいえ、コチラは全く気にしてませんよ。
> どちらかと言えば、そうした相手方の事情を理解していながら、
> ついつい長文で返してしまう私の方こそ、少し申し訳ない気分だったり(笑)。


全然そんなことないですよ!私も徳翁導誉さんの長文をいつも楽しみにしています。


▼「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」
この本に対する評価は徳翁導誉さんと私で意見が真っ二つに割れましたね。
元々は私はこの本の著者である新井紀子さんに対して何の先入観もなかったのですが、
(この本を読むまでは新井紀子さん自身を知らなかった)
徳翁導誉さんの今回の批判を読んでも、amazonの低評価レビューを見ても、
この本を批判するブログの記事を読んでも、私のこの本に対する高評価は変わらないですね。
むしろ、今まで私がAIに対して漠然と考えていたことを、この本でよくぞ文章にしてくれたという感じです。

例のメジャーリーガー問題も、読解力を見る良問だと思いますよ。
まず、徳翁導誉さんの指摘のうち、2行目の「その出身国」の「その」という指示代名詞は、
この文章では正解とされる「アメリカ合衆国以外の選手」しか指さないと思います。
「その出身国」の「その」が「メジャーリーグの選手」を指すってのは、文章の読み方として間違っていると思います。

そして、「適当なモノを全て選べ」という引っかけ的な出題文も問題ないと思います。
4つの選択肢を見て、回答者がまずすべきは明らかに「メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身の選手である」
(すなわち、メジャーリーグの選手のうち72%はアメリカ合衆国出身の選手である)に反するB、Cを除外することです。
(厳密にはこの時点で@も除外されるが、まあそこは保留)
そして、後半の「その出身国、すなわちアメリカ合衆国以外の出身の選手の出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多くおよそ35%である」
という文章で、@を確実に除外できて、Aが残ると。結局「適当なモノを全て選べ」でも、「正解を1つ選べ」とやっているプロセスはそう変わらないです。
(「正解を1つ選べ」という問題文であっても、まずは前半でB、Cを除外して後半で@を除外するという方法でこの問題を解きます)

さらに、「アメリカ出身の外国人」「二重国籍者」「帰化者」「プエルトリコ」は、問題文や選択肢からすればそこまで考えるのは題意を外しているかなと。
入試や資格試験等、どんな問題でも重箱の隅をつつけば例外は出てくるものであって、問題文の本筋から外れたことを考えるのは
「題意から外れる」として試験本番ではやってはいけないってのが試験を受ける心構えの一つかと思います。

まあこの本に対する徳翁導誉さんの否定的な評価も論理としては分かりますし、まあそこは両者の見解に大きな違いがあって
それは埋められないってのが結論ですかねえ。

▼ハリル解任

> 「突然奪われたW杯での楽しみ ハリル監督の電撃解任は何をもたらすか」
> https://russia2018.yahoo.co.jp/column/detail/201804100001-spnavi/

これは私も読んでいました。概ね共感できる部分が大きかったですね。
ほんと、ハリル監督でロシアW杯を観たかった気持ちは今でも変わらないです。
最後の2か月のハリル監督の詰めの凄さを見たかった。。。

そしてハリル監督の記者会見と、槙野選手のハリル擁護。
https://www.nikkansports.com/soccer/news/201804280000814.html
槙野選手によれば、監督と選手との間のコミュニケーションにも問題はなかったようで。

ハリル解任について、真理に迫ろうとしたのが宇都宮徹壱氏の以下のコラム。
https://russia2018.yahoo.co.jp/column/detail/201804280001-spnavi/
(個人的にはこのコラムが今回のハリル解任の真相に一番迫っていて、私は高く評価しています)

>今回の会見によって、田嶋氏や西野氏の会見では語られなかった部分に光が当てられたことは、
>大変意義があったと思う。だが、依然として謎も残る。FIFA(国際サッカー連盟)の理事も務め、
>外国人とのタフな交渉にも長けていたはずの田嶋会長が、なぜハリルホジッチ氏に対して円滑な関係性を
>築けなかったのか。そして、「選手とのコミュニケーションや信頼関係」というふわっとした理由で、
>今回の決定が世論に受け入れられると本当に信じていたのだろうか。私には田嶋会長が、
>かように無謀な人物であるようには思えない。むしろ、いまだ語られない解任の「本当の理由」が
>あったのではないか、とさえ勘ぐりたくもなる。


宇都宮氏のコラムも最後はぼかした書き方をしているが、ああこれは深く切り込みたいが
いろいろな事情があり深く切り込めないんだなと。闇の深さを感じました。

今回のハリル解任の不自然さについて、もやもやした気持ちがあり、この苦い気持ちは以前にも何かの事件のときにも
味わったことがあったと思っていたのですが、それがやっと分かりました。
今回の事件は、ああ将棋の三浦九段冤罪事件のデジャブなんだと。

将棋界では、三浦九段が竜王戦第1局の数日前に挑戦者の座から不可解な理由で引きずりおろされた。
サッカー界では、ハリルがロシアW杯の2か月前に監督の座から不可解な理由で引きずりおろされた。

三浦九段が挑戦者の座から引きずり降ろされたのは、当時の竜王による「三浦九段が不正をしている」という言いがかり、
言葉を変えると誣告によるものであり、将棋連盟トップはそれを鵜呑みにして誤った処分を行ってしまった。
ハリルが監督の座から引きずり降ろされたのは、ハリル監督が最後の記者会見の場で語った不満を抱える2名の選手による
サッカー連盟首脳陣への直訴によるものとみられており、サッカー連盟トップはそれを鵜呑みにして不可解な処分を行ってしまった。

当時の竜王の背後には竜王戦の大スポンサーが控えており、将棋連盟にとってはこの大スポンサーの機嫌を損なう措置は取れなかった。
三浦九段が不正をしているか否かは関係なく、三浦九段を切り捨てて当時の竜王に正当性を与えることにより大スポンサーに対しての体裁を守ろうとした。
2名の選手の背後には巨大広告会社のスポンサーが控えているとされ、サッカー連盟にとってはこの大スポンサーの機嫌を損なう措置は取れなかった。
ハリル監督がロシアW杯で勝てるか否かは関係なく、ハリル監督を切り捨てて2名の選手を代表に復帰させることにより大スポンサーに対しての体裁を守ろうとした。

・・・。
まああくまで私の妄想ですけどね。けど、宇都宮氏のコラムはこのことを言いたかったんだと思っています。

▼大河ドラマ光秀

光秀が大河ドラマってのは面白いと思いますよ。
ここは是非、さんざん見飽きた司馬遼太郎の光秀像ではなく、新しい光秀像に迫ってほしいです。
ただ、光秀が主人公となると、彼の後半の人生は戦国時代のストーリーのど真ん中を歩むことになってしまい、
話の筋が見えてしまうってのが脚本家として大変なところだと思います。
真田丸もラスト10話はだいたい史実通りなので結論が見えてしまい、史実をなぞるだけというところからどこまで
話を膨らませるかが難しかったですが、今回の光秀もラスト10話くらいはもう話が見えてしまっているので
光秀の人生の前半でどこまで惹きつけられる話をできるかにかかっているかと思います。
いやあ、戦国3傑を外したのはいいですが、光秀はちょっとメジャー過ぎて脚本が難しいんじゃないかと危惧しています。
私も大河ドラマ太平記は大好きだったので、池端俊策さんの今回の脚本は楽しみですが。。。
個人的には、戦国時代ど真ん中をやるうえで光秀を主人公にするよりも「細川藤孝」主人公の大河ドラマが見たかったですな。
「細川藤孝」主人公の大河ドラマを脚本にすると、
◎第1クール(1月〜3月)
第13代将軍足利義輝の配下として三好三人衆との死闘。義輝が第9話あたりで討たれて第10話で義昭を幽閉先から救出。
その後、貧窮の中、義昭の復権を目指し明智光秀と第13話あたりで知り合う。
◎第2クール(4月〜6月)
織田信長が義昭を担いで上京。その後、義昭に離反の気配が生じたため藤孝は信長に密かに伝えて信長配下に。
嫡男の忠興と光秀の娘ガラシャとの結婚。光秀の配下に。丹後国攻略。
◎第3クール(7月〜9月)
第28話あたりで本能寺の変。山崎の戦いで光秀の誘いに応じず。ガラシャの幽閉。
秀吉が光秀を破ると秀吉に近づく。藤孝は千利休らとともに秀吉時代の絢爛文化を担う。
◎第4クール(10月〜12月)
第38話あたりで秀吉死去。ここから怒涛の展開で、石田三成挙兵、忠興が徳川陣営へ参加、ガラシャ自害の悲劇。
田辺城の籠城戦。第49話で勅命による講和。最終話で関ケ原をダイジェスト。1610年に京都の自邸で死去。
###
光秀よりは藤孝の方が脚本に変化を出せるし、最後はハッピーエンドなので真田丸、西郷どんに続く敗死エンド
よりもいいと思うんですけど、光秀が主人公をやるともう藤孝が主役をやることはなさそうですな。


[21652] Re:AI本・ハリル解任・光秀大河返信 削除
2018/5/10 (木) 19:22:12 徳翁導誉

> > > すみません、リアルがかなり多忙でして、いろいろお返事したいのに
> > > まとまった時間が取れなくて申し訳ないです。

> > いえいえ、コチラは全く気にしてませんよ。
> > どちらかと言えば、そうした相手方の事情を理解していながら、
> > ついつい長文で返してしまう私の方こそ、少し申し訳ない気分だったり(笑)。

> 全然そんなことないですよ!私も徳翁導誉さんの長文をいつも楽しみにしています。

では、お言葉に甘えて、長文癖は あまり気にせず行きますね(笑)。
まあ私自身も、今まで思うがまま漠然としていた考えや感想などが、
こうして改めて文章として纏めてみる事により、意外と整理されたりもするので。


▼ 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち(新井紀子著)」
> この本に対する評価は徳翁導誉さんと私で意見が真っ二つに割れましたね。
> 元々は私はこの本の著者である新井紀子さんに対して何の先入観もなかったのですが、
> (この本を読むまでは新井紀子さん自身を知らなかった)

まあ私も、東ロボくんプロジェクトに関しては、事前に幾らか情報を持っていたものの、
著者である新井さんの事は、正直ほとんど知らなかったので、そこまでの先入観はありませんでしたし、
それ所か、いろいろ疑問点のあった同プロジェクトの中身が詳しく知れるのでは無いかという期待感が、
「AIは既にMARCHレベル」や「シンギュラリティは到来しない」などの刺激的な煽り文句とも相まって、
実を言うと、読む前は逆に、結構楽しみだったんですよね(笑)。
米中に大きく水をあけられている日本のAI研究の現状が、果たしてどんなモノなのかと?
で、実際に手に取り読んでみると、その内容は・・・悪い意味で、想像を大きく裏切るモノだったと(泣)。

> 徳翁導誉さんの今回の批判を読んでも、amazonの低評価レビューを見ても、
> この本を批判するブログの記事を読んでも、私のこの本に対する高評価は変わらないですね。
> むしろ、今まで私がAIに対して漠然と考えていたことを、この本でよくぞ文章にしてくれたという感じです。

う〜ん、結局は、どの部分に重点を置いて読んだかの違いなんですかねえ?
この本は、以下の4つの異なるテーマが、1つに纏められた内容になっています。
「1.現時点でのAI技術」「2.今後のAI」「3.読解力の低下」「4.教育へのAI活用」

まず1に関しては、そこは東ロボくんプロジェクトのリーダーだっただけあって、
特に瑕疵は無いと言いますか、比較的に良くまとめられた内容になっていると思います。
ですから、もし仮に本書の内容が1のみであったなら、批判の声はなど出なかった気がしますね。
ただ、これが1だけの内容の本であれば、ここまで話題になり、売れる事もなかったでしょうけど。

続いて2に関しては・・・正直言って、内容がかなり いい加減です。
そもそも、自らの研究の限界を、科学全体の限界と同一視している上に、
しかも他分野への知見を真面目に得ないまま、憶測や感情だけで語っている為、
科学的な関心から、この2に重点を置いて読んだ人には、本当にダメダメな内容だと思います。
ちなみに私も、ここを1番楽しみに読んだので、評価が非常に辛くなっているのかも知れません。

そして3に関しては、何が正解なのかが難しい分野の話なので、
いろいろと意見が分かれる所だとは思うのですが、
少なくとも、「そもそも読解力は何か?」という考えが浅いまま、
自分基準で正解・不正解を判断している時点で、
実際の所、この著者は、読解力というモノに対して関心があるのか?と、
疑問に感じてしまうのが、正直な感想ではあります。

最後に4に関しては、東ロボくん研究で思った成果が上がらず、
いろいろ理由は挙げつつも、結局は紛れを求めて転戦してきた感じで、
しかも自らのビジネスまで絡めている為、どうも胡散臭い印象が拭えません。
これがまだ、単に胡散臭いだけならまだしも、
教育となると、対象である相手は子供ですからねえ。
教育的な関心から、この4に重点を置いて読んだ人は、2と同様にダメ出しをするでしょうし、
子供を餌にしていると感じた人なら、猛烈に批判してくると思います。

で、1〜4の各テーマ毎に、その内容の信用度はマチマチであると読めてれば良いのですが、
1の正しさを根拠に、2や4の内容まで肯定するような読者が居た場合は、
科学や教育を重点にした読者は、「そうじゃない!!」と声を大にして言いたくなる所。
更にはここ最近、この本が売れた事で、大手メディアにも肯定的に扱われる機会が増えた事で、
もともと問題視している人からすると、危機感を煽られるような状況になっていると。
例えば、嫌韓論や中国脅威論みたいなのが、実際の外交にまで影響を与え始めてくれば、
外交に関心を持つ層は、やはり強烈に危機感を抱かされるのと似ているかも?
実社会にまで悪影響を及ぼすようになると、「私は信じてるんだから良いでしょ」では済まない為、
「おかしい」と思う人の声は過激さを増すのですが・・・まあ、掻き消されるのが関の山でしょうね。
疑似科学にトンデモ医療、マルチ商法からカルト宗教まで、様々なビジネスが存在し、
それに対してヒステリックなまでに否定する層が居ても、無くなる気配など全く無い所か、
一般層からすれば、「何をそんなに怒ってるの?」となりがちですので。


> > ところで、例のメジャーリーガー問題は、なぜ正答率が低かったのでしょうか?
> > まずは実際、その出題文を書き出すと、こんな感じ↓です。
> > 「メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の選手であるが、
> >  その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多くおよそ35%である。」
> > https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20171106003794_comm.jpg

> 例のメジャーリーガー問題も、読解力を見る良問だと思いますよ。
> まず、徳翁導誉さんの指摘のうち、2行目の「その出身国」の「その」という指示代名詞は、
> この文章では正解とされる「アメリカ合衆国以外の選手」しか指さないと思います。
> 「その出身国」の「その」が「メジャーリーグの選手」を指すってのは、
> 文章の読み方として間違っていると思います。

ぶっちゃけた話、わずか2行の普通の文章を、
高校生で7割、東大生ですら5割が不正解という時点で、
聞き手側の問題か、話し手側の問題かの答えは、もう出ている気がするんですよね。
何せ これは「読解力」についての話であり、そして現実に間違えてる方が多数派なのですから。

とは言え、「間違っている」とまで言われてしまうと、文法的な話も加えみたくなる所(笑)。
まず最初に、「A B 代名詞 C」という文章構成の場合、
「AはB、BはC」というだけでなく、「AはB、AはC」となる事も普通にあります。
そこは、同意していただけるでしょうか?

で、この文章の場合、前者の「AはB、BはC」しか有り得ないと解釈されるのは、
「以外」という単語の存在なのだと思います。
実際、この文章から「以外」の部分を除き、1行目を「アメリカ合衆国の選手」とすると、
今度は「AはB、AはC」と解釈する方が、文章として自然になりますからね。
つまり「以外」が無ければ、その代名詞は「メジャーリーグの選手」を指す文章となります。
これも、同意していただけますよね?

では、再び「以外」という単語を文中に戻した時、
果たして本当に、「AはB、AはC」という解釈は成り立たなくなるでしょうか?
逆説的に問いますと、文中に「以外」が付く事によって、
「AはB、AはC」という解釈が否定される、根拠というのは何でしょうか?
まあ確かに「以外」というのは、文中においても強い存在感をもつ単語ですから、
まずは「AはB、BはC」と解釈するのが、自然な流れではあると思います。
しかし「AはB、AはC」という解釈を、完全否定するだけの強さまでは持ってないはずです。
(これがまだ、文中で「“以外”」と強調されているのであれば、話は変わってきますけども)

> まあこの本に対する徳翁導誉さんの否定的な評価も論理としては分かりますし、
> まあそこは両者の見解に大きな違いがあって
> それは埋められないってのが結論ですかねえ。

恐らく、これ以上続けても、話に進展は無さそうですし、
そういう結論で、この話題は良いと思います(笑)。


▼ サッカー日本代表監督
> ハリル解任について、真理に迫ろうとしたのが宇都宮徹壱氏の以下のコラム。
> https://russia2018.yahoo.co.jp/column/detail/201804280001-spnavi/
> (個人的にはこのコラムが今回のハリル解任の真相に一番迫っていて、私は高く評価しています)
> > 今回の会見によって、田嶋氏や西野氏の会見では語られなかった部分に光が当てられたことは、
> > 大変意義があったと思う。だが、依然として謎も残る。FIFA(国際サッカー連盟)の理事も務め、
> > 外国人とのタフな交渉にも長けていたはずの田嶋会長が、なぜハリルホジッチ氏に対して円滑な関係性を
> > 築けなかったのか。そして、「選手とのコミュニケーションや信頼関係」というふわっとした理由で、
> > 今回の決定が世論に受け入れられると本当に信じていたのだろうか。私には田嶋会長が、
> > かように無謀な人物であるようには思えない。むしろ、いまだ語られない解任の「本当の理由」が
> > あったのではないか、とさえ勘ぐりたくもなる。

> 宇都宮氏のコラムも最後はぼかした書き方をしているが、ああこれは深く切り込みたいが
> いろいろな事情があり深く切り込めないんだなと。闇の深さを感じました。

いや〜、宇都宮さんのコラムは日韓W杯の時からですから、
私もかれこれ16年に渡り、愛読してきてはいますけど、
まあ、あの人は、サッカー・マスコミを一般紙の新聞記者に例えたなら、
政治部どころか社会部でもない、文化部の記者みたいな立ち位置ですからねえ(笑)。
本職はカメラマンなので、サッカー記者というよりも、サッカー紀行文のエッセイストといった感じで、
基本的には一般サポーターと同じ目線で、日本だけでなく世界各地を取材している人ですから、
協会内部の政局がどうこうとかは、私たちと同じで、本当にほとんど解らないんだと思いますよ。
そして、そうした陰謀論的なゴシップには、あまり乗ってこないタイプでもあろうかと?

> 今回のハリル解任の不自然さについて、もやもやした気持ちがあり、
> この苦い気持ちは以前にも何かの事件のときにも
> 味わったことがあったと思っていたのですが、それがやっと分かりました。
> 今回の事件は、ああ将棋の三浦九段冤罪事件のデジャブなんだと。
> 将棋界では、三浦九段が竜王戦第1局の数日前に挑戦者の座から不可解な理由で引きずりおろされた。
> サッカー界では、ハリルがロシアW杯の2か月前に監督の座から不可解な理由で引きずりおろされた。

う〜ん、この2件が似ているという心情的な部分は解るんですけど、
決定的に異なるのは、もし仮に、この件が裁判に持ち込まれたとして、
前者は将棋連盟が負ける案件なのに対して、後者はサッカー協会が勝てる案件なんですよね。
正当な理由も無しに、挑戦権を取り上げるというのは流石にアウトですけど、
正当な理由は無くても、違約金さえ支払えば監督を解任できる権限を有しているので。

まあサッカー界の方で、三浦九段の一件とイメージ的に被るとなると、
2007年に発生した「我那覇ドーピング冤罪事件」だと思います。
オシムJAPANの初戦で先発出場を果たし、沖縄出身者として初の日本代表選手となった我那覇が、
それからわずか数ヶ月後に、いい加減なスポーツ紙の記事を鵜呑みにした協会側により、
ちゃんと調査せず即座にドーピング違反で処分され、それに対して潔白を主張した事で、
1人の代表選手のサッカー人生が、大きく狂わされて行くという事件があったんですよ・・・・
コアなサッカー・ファンの間では、それこそ本当に大騒ぎにとなった一件だったものの、
三浦九段の時と同様、世間的にはほとんど認知されていないトラブルでしたので、
もし御存知ないようでしたら、この1冊↓を是非ともオススメしておきます。

「争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール」
https://www.amazon.co.jp/dp/4797672013

> ハリルが監督の座から引きずり降ろされたのは、
> ハリル監督が最後の記者会見の場で語った不満を抱える2名の選手による
> サッカー連盟首脳陣への直訴によるものとみられており、
> サッカー連盟トップはそれを鵜呑みにして不可解な処分を行ってしまった。

正直な所、今回の騒動で個人的に最も危惧していたのは、
こうした悪い噂話が面白おかしく、まことしやかに語られて、
選手たちの名誉(ブランド価値)を傷つけてしまう事だったんですよね・・・・

まどろっこしいんで、その「2名の選手」は、本田と香川だという前提で話を進めますが(笑)、
まず初めに、直前に行われた3月の欧州遠征において、
本田は代表に召集されていますし、香川も負傷離脱中でなければ召集予定でした。
その事実から考えても、最終的に本戦メンバー23名に入るかは別として、
少なくとも直前合宿のメンバーに入る可能性は、2人とも非常に高い状況でしたし、
従来の日本のやり方に反して、締め切り直前までメンバーを絞り込まない方式を採用したのは、
ハリルホジッチが最後の最後まで、各選手のコンディションを見極めて選考したがった為です。
その辺を考えると、既に2名が外れる事になっていたというのは、下衆の勘ぐりでしか無い気がします。
しかも香川に関しては、2月上旬に故障してから、現在も未だに長期離脱中で、
実戦復帰どころか、本格的な練習すらなかなか出来ておらず、監督どうこう以前の現状です。

続いて、スポンサーが本当にそこまで、選手選考に対して強い影響力があるというのであれば、
初出場となった1998年大会でカズが、自国開催となった2002年大会で中村が落選したり、
2010年大会で中村&内田がレギュラー落ちした過去の事例は、いったい何だったのでしょうか?
また、そもそも論として、スポンサーが莫大な金額を支払うのは、
企業のイメージを上げ、自社の商品を買ってもらう宣伝効果を期待するからであって、
自分たちのゴリ推しで落選危機の選手をねじ込み、その所為で惨敗を喫したとなれば、
どれだけ世間の注目度を高めた所で、それは「マイナスの宣伝効果」にしかなりません!!
海外の途上国みたいに、金持ちのパトロンが個人的に支援しているならまだしも、
日本の場合、スポンサーの担当者だって単なるサラリーマンですからねえ・・・・
常識的に考えて、そんな不合理な行動を取るとは、まず有り得ない話かと?
そして、スポンサーを介して一選手が協会に圧力を掛けられるかと言えば、尚更の話です。
スポンサーの発言力が強いのは、選手の背番号くらいだそうですよ(レプリカを売る為・笑)。


> 2名の選手の背後には巨大広告会社のスポンサーが控えているとされ、
> サッカー連盟にとってはこの大スポンサーの機嫌を損なう措置は取れなかった。
> ハリル監督がロシアW杯で勝てるか否かは関係なく、
> ハリル監督を切り捨てて2名の選手を代表に復帰させることにより
> 大スポンサーに対しての体裁を守ろうとした。
> ・・・。
> まああくまで私の妄想ですけどね。

もし仮に、サッカー協会の田嶋会長が配慮したのだとしたら、
それは選手背後のスポンサーではなく、協会自体に付いているスポンサーの方でしょうね。
近年の代表戦が「勝てない」「つまらない」「人気ない」というだけでなく、
「視聴率が取れない」というのは、協会にとって悩みの種だったのは事実ですし、
しかも、3月に田嶋会長が無投票で再選を果たしての、本年度からの新体制では、
岡田元監督が副会長を退任をして、新たに電通の元執行役員が就任してますからねえ。
「ハリルJAPANは絶対勝てない」と考えて居れば、1%でも2%でも勝率を上げる為ではなく、
1%でも2%でも視聴率を上げたいと、スポンサーに忖度して動いた可能性は有り得そうです。
ただこれも、スポンサー側が望んだり、迫ったりという事ではなく、
あくまで協会側・・・と言うよりも会長個人が、それで喜ぶと思って行動した事だろうかと。

でもまあ、この辺の可能性でしたら、古くからのサッカー・ファンですと、
「田嶋なら有り得る話だな」とは、多くの人が感じてると思います(苦笑)。
世田谷育ちのおぼっちゃまで、人当たりも良く、事務方としては有能な人物なのですが、
その一方で、未だに院政を続ける川淵最高顧問の小間使いとして出世してきた為、
どうしても一般的には、「川淵の腰巾着」というイメージが強く、
しかも、物腰は柔らかいけど優柔不断で、病的なまでに責任回避が目立つんですよね。
と言いますか、自己保身の時だけ、形振り構わずに独断即決をする所が嫌われてまして・・・・

まあ、腰巾着で出世するタイプというのは、どこの世界にも居るモノですし、
行為自体が嘲笑の対象となる事はあっても、個人的には別に批判する事とは思わないんです。
ただ、この「自己保身時に見せる権力の濫用」というのが、私も許せない所ではあるんですよね。
十数年前、彼が年代別の代表監督を務めていた時、結果を残せなかった事があったのですが、
その直後に、田嶋監督時代の年代別代表に関する記事やデータが、
公式サイトや大手メディア・サイトから、一斉に削除されるという事件が起き、
しかも、批判の声が大きくなると、全ての時代の公開データが削除されるという暴挙に出たんです。
(表向きの理由は、公式サイトを一新する為との事でしたが、信じた人はほとんど居ません)
まあ勝敗は時の運ですから、大会で結果を残せなかったのは仕方ない事と許せたとしても、
それまで積み上げてきた歴史を巻き添えに隠蔽する行為は、幾らなんでも許される事ではありません。
腰巾着イメージ以上に、田嶋が嫌われるようになったのは、これキッカケだったと記憶しています。
(当サイトの「日本代表・歴代フォーメーション」も、田嶋時代だけ情報不足で不正確に・泣)
http://tokuou.daiwa-hotcom.com/index.html#2000

ちなみに、今回と似たように、監督への不信感と批判が高まっていたのが、
8年前の南アフリカW杯における岡田JAPANですけども、
 「3年ぐらい積み上げてきて、残り4ヵ月で新しい人(監督)が
  新しい選手で新しい戦いをするというのは考えられない」
 「(抗議電話が)200件しかないの? 2000件かと思ったよ。
  たった200人しか反対してないということじゃないのかな。
  (日本の人口は)1億2000万人もいるんだから」
と、当時の犬飼会長は、調子の上がらないチームを完全擁護してるんですよね。
そして勿論、W杯本番での結果は御存知の通りと。

組織のトップに立つ人間というのは、下の人間に仕事を任せたら、
あとは信じて待ち、もし結果が出なければ責任を取るというポジションなはずで、
浦和レッズで成功を収め、協会へとヘッド・ハンティングされた犬飼会長は、
その独断専行なやり方により、確かに賛否両論あった人物なのですが、両者を比較すると、
結局の所、田嶋会長というのは「トップの器」に無かったという話なんだと思います。
「監督とのコミュニケーション不足と信頼関係の低下」という解任理由も、
要するに、「監督と選手」との事ではなく、「監督と会長」との事なのは明らかですしね。
で、それならそうと別に正直に言えば良い所を、例の自己保身癖が出ているのか、
理由を選手に置き換える、もしくは選手も巻き込む形にして、会見してしまっていると・・・・
もし仮に、実際に選手達との関係が悪かったとしても、解任を決断するのは会長ですから、
本来であれば、選手達を守る為にも、自らが泥を被ってしかるべき立場なはずが、
意図的なのか無自覚なのか、逆に自らを守る為に、選手達に泥を被せた訳です。
いや本当、トップに立つ人間が行うべき言動では無いと思いますよ!!

しかも対応のマズさにより、電撃解任など日常茶飯事なサッカー界において、
解任された監督が来日して会見を行うという、異常事態まで招いてしまった事で、
結果が出なかった場合の悪影響というのは、更に増大させてしまった気がするんです。
以前にも、ジーコが腐敗撲滅を訴えて、FIFA会長選挙に立候補しようとした時に、
日本サッカー協会に対して、ジーコは推薦の依頼を行ったのですが、
「断るのに、あれこれ述べても」と返信をせず、結果的に無視する形になったですよね。
ジーコ自身も、日本には日本の立場があるので、推薦を受けられない可能性は想定してたものの、
さすがに「無視」という対応をされると想像しておらず、大変ショックを受けたようでした。
そして今回も、わざわざフランスまで会長が赴き、面と向かって解任を告げながら、
解任理由を問われると、「今更あれこれ述べても」と、何も説明せずに帰国するという、
ジーコの時から全く進歩のない対応を再び見せてしまったと・・・・
要は、相手の心情を慮ってと言いつつ、単に逃げているだけで、しかも招く結果は最悪なんです。


とは言え、監督と選手の間に、何の問題も無かったかと言えば、決してそうでも無いんですよね。
特に3月の欧州遠征と時は、今までに無かったほど、選手達の不安や不満が表に出てましたし、
しかもこの時は、キャプテンである長谷部まで、そうした発言を出してましたから、
端から見ていても、かなりヤバい状況だなと感じられたので、私も以前このように書いたと↓
> > > とは言え心配なのは、これ程までに強化試合で勝てず、選手達も危機感から疑心暗鬼に陥っていると、
> > > 本番でモチベーションを上げる前に、選手達の心が監督から離れてしまう事だったりします。

正直言ってハリルホジッチという人物は、非常にプライドが高い性格でして、
いやに尊大で、常に上から目線なのはまだしも、
自らを持ち上げる為に、無自覚に相手を下げる発言もしがちだったので、
選手や協会だけでなく、マスコミとも上手くコミュニケーションが取れていないのは事実でした。
ですが、それでもここまで3年間やって来れてましたし、
不満なども時期的に今がピークで、もう後は本番しか無い以上、嫌が上でも纏まるとも見ていたので、
乗り越え可能なトラブルを理由に、この時期での監督解任というのはねえ・・・・

ぶっちゃけた話、もうそれくらい、田嶋会長はハリル監督を信頼してなかったのだと思います。
ハリルの監督就任は、田嶋の会長就任よりも前であり、
自分で選んだ監督ではなく、前体制から引き継いだ監督だったので、
「ハリルと心中」という覚悟を持てなかったのかも知れません。
(ただし、犬飼会長と岡田監督の時も、就任のタイミングは今回と同様でしたが)
そして何より、ザック・アギーレ・ハリルを連れてきた原&霜田が、
FIFAの指導により、初めて行われた この時の会長選挙の際に、対抗馬として立ち、
(「日本に選挙は馴染まない」と反論するも、当然ながらFIFAに跳ね返されました・苦笑)
しかも田嶋圧勝が予想される中で、まさかの接戦となってしまったんですよねえ。
で、田嶋当選の直後、相手陣営には報復の降格人事が行われ、
それまで代表監督をサポートしてきた面々が、一気に協会から離れてしまったんです。
(余談ですが、会長就任の後、妻を代表チームのドクターにねじ込む人事はしました・笑)
要するに、もうこの時点で、ハリルホジッチは協会内で孤立無援だった訳で、
そこまでやるなら、会長交代時や予選突破後に監督を交えれば良かったものを、
ここまでズルズル引っ張っておきながら、いまさら「信用できない」と言うのも・・・・

ちなみに、前述の犬飼元会長は、南アフリカW杯から数ヶ月後、
当時、協会No.3の専務理事だった田嶋により、会長の座から引きずり降ろされるんですよね。
そして会長退任の直後、犬飼が雑誌「サッカー批評」で行ったインタビュー記事が、これでした↓
https://pbs.twimg.com/media/DahIDv7UQAE9J1g.jpg
https://pbs.twimg.com/media/DahJTcdVAAEbWLM.jpg

 「僕が決定的に嫌だったのは、僕の次の会長のことも考えていかなきゃいけないと
  川淵さんに言ったら 『田嶋しかありえない』と言ったんです。
  僕は『えっ!?あれは一番ダメですよ』と言った。
  基本的に方針がブレるし、その場その場でいろんな人にいい顔をしてるだけでアイデアもないし、
  二年間付き合ったけどサッカーに対する提案一つない。『あれこそダメです』と僕は言ったんです。
  そうしたら川淵さんは ものすごく不満そうな顔をしてね。」

 「彼のような目的のはっきりしていない人間がもしリーダーになったとしたら、
  しょっちゅう方針がブレて大変な事になると思いますよ、言うことがしょっちゅう変わるんだから。
  そういう人間をトップに据えてはいけないと思いますね。」

 「田嶋が僕のことを『スポンサーに態度がでかくて ないがしろにしている』
  と言ったらしいんだけど、ちょっと待てよ、と。
  お前みたいに都合の悪いことに揉み手して スポンサーに頭を下げるのがいいんじゃなくて、
  スポンサーのためには 日本の代表がいいサッカーをやって人気を上げることが一番なんだと。
  揉み手してペコペコしたってそんなものはちっともスポンサーのためにはならないって言ったんです。」

こんなトラブルが8年前にあり、そんな人物が現在の会長なのですから、
確かに、このタイミングでの監督交代劇には驚かされましたけど、
「まあ、田嶋だからなぁ」と、その言動自体は妙に腑に落ちてる部分もあるんです(苦笑)。
ちなみに、このインタビュー記事を書いたフリー記者は、
その後、田嶋氏への公開質問状を送った事などが、彼の逆鱗に触れ、
協会から出入り禁止処分を受けて、取材が行えないようになると共に、
起用した雑誌側も協会への謝罪を強いられた結果、表舞台から姿を消す事となりました。
協会は日本サッカーの全てを統括してますので、ここから出禁を喰らってしまうと、
記者はもちろんの事、出版社さえも、おまんま食い上げになってしまいますからねえ。
だからこそ、圧倒的に強い立場の協会側から、強権的な行動に出る事は稀なのですが、
どうやら若干1名、例外的な人物がいるみたいです。


・・・と、ここまでダラダラと、田嶋会長に関する長文を書いてきましたけど、
正直言って私も、この手の話にはあまり興味が無いので、
この交代劇の責任問題とかは、まあ大会後にでもすれば良いと思っており、
いまはロシアW杯に向けて、西野JAPANについてもっと語りたい所ではあるんですけどね(笑)。


▼ 見てみたい大河ドラマ
> 光秀が大河ドラマってのは面白いと思いますよ。
> ここは是非、さんざん見飽きた司馬遼太郎の光秀像ではなく、新しい光秀像に迫ってほしいです。

「イメージ刷新」が1つのテーマである以上、恐らく そこは大丈夫だと思われますけど、
如何せん 大河ドラマの主人公ですから、善人補正みたいなモノは避けられない気がします。
でもまあ、近年の大河において、明智光秀の扱いが比較的マシになったとは言え、
石田三成ほど好転した訳でも無いですし(真田丸や直虎でも、あんな描写でしたから・苦笑)、
単純に主人公補正を掛けるだけでも、光秀像というのは随分と違ったモノになるようにも思えます。

> ただ、光秀が主人公となると、彼の後半の人生は戦国時代のストーリーのど真ん中を歩むことになってしまい、
> 話の筋が見えてしまうってのが脚本家として大変なところだと思います。
> いやあ、戦国3傑を外したのはいいですが、
> 光秀はちょっとメジャー過ぎて脚本が難しいんじゃないかと危惧しています。

まあ確かに、歴史の空白部分というのは、どうしたって創作で埋めるしかないので、
そこは作家の腕の見せ所であるというのは事実ではありますけども、
一方で、そのままで十分に魅力ある史実の部分を、いかに表現できるかというのも、
これもまた1つの、作家としての腕の見せ所では無いでしょうか?
ドラマにせよ、アニメにせよ、小説にせよ、様々なタイプの作品があって良いと思いますが、
王道は王道として描き切れてこそ、作品群の全体的な質も上がる気がしますしね。
要するに、変化球ばかりで攻めず、ズバッと直球勝負で行くのも、時には必要であると(笑)。

そういった意味では、この2020年の「麒麟がくる」で59作を数える大河ドラマの中で、
戦国の三傑が主人公となったのは、実は信長・秀吉・家康とも2回ずつしかありません。
単純に言えば、3人のうち誰が主人公になる事すら、10年に1度という具合ですから、
改めて考えてみると、逆に却って少ないくらいかも知れません。

> 個人的には、戦国時代ど真ん中をやるうえで
> 光秀を主人公にするよりも「細川藤孝」主人公の大河ドラマが見たかったですな。
> 「細川藤孝」主人公の大河ドラマを脚本にすると、
> ◎第1クール(1月〜3月)
> 第13代将軍足利義輝の配下として三好三人衆との死闘。
> 義輝が第9話あたりで討たれて第10話で義昭を幽閉先から救出。
> その後、貧窮の中、義昭の復権を目指し明智光秀と第13話あたりで知り合う。
> ◎第2クール(4月〜6月)
> 織田信長が義昭を担いで上京。
> その後、義昭に離反の気配が生じたため藤孝は信長に密かに伝えて信長配下に。
> 嫡男の忠興と光秀の娘ガラシャとの結婚。光秀の配下に。丹後国攻略。
> ◎第3クール(7月〜9月)
> 第28話あたりで本能寺の変。山崎の戦いで光秀の誘いに応じず。ガラシャの幽閉。
> 秀吉が光秀を破ると秀吉に近づく。藤孝は千利休らとともに秀吉時代の絢爛文化を担う。
> ◎第4クール(10月〜12月)
> 第38話あたりで秀吉死去。ここから怒涛の展開で、
> 石田三成挙兵、忠興が徳川陣営へ参加、ガラシャ自害の悲劇。
> 田辺城の籠城戦。第49話で勅命による講和。最終話で関ケ原をダイジェスト。
> 1610年に京都の自邸で死去。

う〜ん、でもそれだと第3クールまで、ほぼほぼ今回の明智光秀と被るのでは?
「将軍義輝の足軽衆・明智某は光秀である」という説を採用するつもりなのか、
NHKの紹介記事を読む限りでは、↓と書かれていますし、
> > > 主君として付き従った道三が息子義龍にうたれたのち、
> > > 美濃を追われ、京で細川藤孝、足利義昭と出会い

https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/2000/295435.html
それに光秀と藤孝は、出会った時期こそ諸説あるものの、
信長の麾下に入って以降の2人は、一心同体な存在でしたからねえ。
光秀を藤孝に替えても、本能寺の変までは、そんなに違いを出せないかと思います。

また、藤孝の人生のハイライトという点から考えると、
本能寺の変の後に、盟友であった光秀を見限って隠居した場面と、
関ヶ原の時に、古今伝授を人質(笑)にして助命された場面なので、
脇役としてなら面白い存在でも、主役となると正直いって厳しい印象も・・・・

あと、ドラマ的には関ヶ原後の京都での隠居時代は全カットで良いかも知れませんが、
でも実際の所、関ヶ原後の細川家中は結構ゴタゴタしてたんですよね。
まずは藤孝次男・興元が、当主である兄・忠興と不仲になり出奔し、
続いて忠興が長男・忠隆と衝突して廃嫡すると、三男・忠利を新たな跡継ぎに選び、
同時に次男・興秋を人質として江戸へ送るも、その途上で興秋は逃亡して出家。
しかも興元・忠隆・興秋の3人が、京都で暮らす藤孝の元に身を寄せた為、
悠々自適の隠居生活というイメージとは、なかなか懸け離れた状態でした。
ちなみに、これは藤孝死後の話ですけど、大坂の陣が勃発すると興秋は豊臣方として参戦し、
敗戦後は家康から許されるも、父・忠興によって切腹させられています。

って、ガラシャや千利休と絡みを描くのであれば、やはり息子の忠興が適役かも?
「利休七哲」に名を連ねているのも、幽斎(藤孝)ではなく、三斎(忠興)の方ですし、
忠興は妻・ガラシャを偏愛してましたけど、藤孝にとっては単に息子の嫁でしたからねえ。
そして上述の忠隆・興秋・忠利も、3人ともガラシャの産んだ子供でしたので、
ドラマとして考えた場合は、やはり忠興の方がキャラが立っている気がします。
(ちなみに忠興は長寿でして、島原の乱が勃発した際には江戸に詰めてました)
とは言え、忠興は性格が「難アリ」な人物なので、描く分には面白い対象ですが、
大河の主役として考えた場合は、ちょっと不適格かも知れませんね(笑)。

ただ、戦国時代を文化面から切るという視点は、非常に面白いと私も思っています。
戦乱の世の中というと、無秩序で暴力的で凄惨な時代だったのは事実ですけど、
それと同時に、古いしがらみに囚われず、自由で新しい表現が許される時代でもあり、
文化の面では「わび・さび」と「絢爛豪華」が共存する、実に活気ある頃でしたからねえ。
千利休に代表される茶道は言うに及ばず、絵画では狩野永徳と長谷川等伯が激しく競い合い、
小堀遠州や本阿弥光悦など、マルチな分野で活躍する総合プロデューサーもいて、
また、学問・文芸・医学なども大きな変化と、庶民への普及などがあって、
しかもそれらが、政治や軍事とも非常に密接に絡まっていた訳です!!

ですから、ドラマを見ながら視聴者も、そうした文化面を学べる作品というのは欲しい所ですね。
番組最後の観光案内コーナーも、その地に残る作品解説を加える事で、より魅力が増すでしょうし、
ドラマ用に作られるレプリカも、実際に触れられる道具として、教育的な意義があると思うんです。
昨年あった「茶の湯展」では、名だたる天下人や戦国武将が愛した名品の数々に加え、
それこそ細川三斎に、古田織部や千利休などが、自ら削った茶杓なども展示されていて、
確かに、それはそれで本当に充実した展覧内容ではあったのですが、
その一方で、隔絶されたガラス・ケースの中に置かれ、手の届かない実物の国宝だけでなく、
例えレプリカであっても、実際に道具として手に取れる機会があるのは、非常に重要だと思うんです。
飾って愛でるだけでなく、本来の使い方を体感してこそ、文化は引き継がれていくモノでしょうから。


> 光秀よりは藤孝の方が脚本に変化を出せるし、最後はハッピーエンドなので真田丸、西郷どんに続く敗死エンド
> よりもいいと思うんですけど、光秀が主人公をやるともう藤孝が主役をやることはなさそうですな。

でも、ハッピーエンド至上主義なハリウッド文化に比べると、
日本人の文化って、滅びの美学とか、潔い死に様とか、非業の最期とか好きじゃないですか?(笑)
勝利して畳の上で大往生よりも、敗れながらも華やかに散る方が、ドラマとして好まれる気がしますし、
源義経・楠木正成・織田信長・真田幸村・大石内蔵助・坂本龍馬・西郷隆盛などなど、
日本史のヒーローというのは、そうした最期を迎えるタイプがほとんどだと思いますよ。
逆に言うと、だからこそ人気が出るという側面もあるような気がします。
下手に長生きをすると、どんな偉人でも、あれこれ不祥事を起こするものですから(苦笑)。

ちなみに、人気ある戦国時代後半で、見てみたい大河の主人公という事ですと、
まずは無難な所で、今まで扱われていない関東・四国・九州あたりの題材ですかねえ?
関東なら、北条幻庵を語り部にして北条五代記とか、
四国なら、桑名吉成の目から見た長宗我部親子の物語を、
九州なら、龍造寺隆信or鍋島直茂で、島津・大友との三国志あたりでしょうか。
あと、実現しそうかは別に、個人的な趣味で行くと「内藤如安」ですね(笑)。

内藤如安は、松永久秀の弟・長頼を父に、丹波守護代・内藤氏の娘を母にもつ人物なので、
三好家についても描くことが出来ますし、勢力争いが激しかった丹波の国情も物語性に富みます。
またキリシタンとして、ルイス・フロイスより洗礼を受け(如安は、洗礼名ジョアンの当て字)、
義昭と信長が対立すると、如安は丹波の守護代家として義昭側に加担して籠城戦を戦い、
それに敗れて義昭が鞆に追われると、如安も共に同行。
その地で、遠縁にあたる小西行長と知り合うと重臣に取り立てられ、
朝鮮出兵の際には、講和の使者として北京の紫禁城へ赴き、
関ヶ原の際には、当地へ出陣した行長に替わり、本領を加藤清正より死守。
戦後、加藤家や前田家の客将となるも、大坂の陣を前に家康からキリシタン追放令が出されると、
如安は呂宋・マニラへと追放され、その地で日本人町を築き、同地で亡くなります。
(その縁により、如安が治めた丹波の南丹市は、マニラ市と姉妹都市になっているのだとか)
あの松永久秀の甥っ子が、あの時代に中国を訪れ、フィリピンで死ぬのですから、
まさにワールド・ワイドで、波乱に富んだ人生であったと言えるかと思います。

で、戦国時代という縛り無しで、最も見てみたい題材となりますし、
主人公リレー方式による「日本通史」だったりします。
やはり、こうした作りの方が、脈々と続く歴史の流れを、理解しやすいでしょうからねえ。
と言いますか、出来れば歴史Flashの方で出来たら良いなと、以前は考えていました(笑)。
だいたい西暦500年頃から現在まで、およそ1500年の歴史を、
20人前後の人物を描く事で、途切れる事なく日本史の流れを描けないかなぁ?と。
(ドラマ化の場合は、1人1クールとして、20人だと5年に渡る大作になりますか)
・・・って、誰を選べば、最少人数で上手にリレーできるかは、未だに結論を得られておらず、
もう恐らく作る事は無いのに、今でもたまに考えたりしちゃいます(苦笑)。

20人で1500年だと、単純計算で1人あたり75年ですから、空白無しで完璧に繋ぐ事は無理にしても、
前作に登場した若手が、次作ではベテランとして登場するような感じなら、
一応は歴史の繋がりを感じる事が出来ると思うんですよね。
例えば、古墳時代末期を描くのに「大伴金村」を主人公にしたとして、
そうなれば蘇我稲目や物部尾輿も話に絡んでみますから、息子の馬子や守屋も登場させ、
次の作品では主人公を「聖徳太子」にすると、馬子や守屋が今度は重鎮として話に出てくると。
また、中身の濃い戦国後期や幕末帝国期は、話を分断せず1人で描き切るとすると、
やはり主人公は「徳川家康」と「西園寺公望」しか居ないかな?とか、考えたりしますね(笑)。
あと出来る事なら、政治家や軍人だけでなく、外交・宗教・文化・経済・学問などなど、
幅広い分野から主人公を選べれば、時代という縦軸だけでなく、社会という横軸も描けるかな?と。
(更には、世界という軸を加えると、歴史は3次元的な膨らみを持ちますが、日本史だと限定的かな)


[21670] 日本通史・大河ドラマの主人公リレー25名案返信 削除
2018/5/17 (木) 19:59:58 徳翁導誉

> で、戦国時代という縛り無しで、最も見てみたい題材となりますし、
> 主人公リレー方式による「日本通史」だったりします。
> やはり、こうした作りの方が、脈々と続く歴史の流れを、理解しやすいでしょうからねえ。
> と言いますか、出来れば歴史Flashの方で出来たら良いなと、以前は考えていました(笑)。
> だいたい西暦500年頃から現在まで、およそ1500年の歴史を、
> 20人前後の人物を描く事で、途切れる事なく日本史の流れを描けないかなぁ?と。
> ・・・って、誰を選べば、最少人数で上手にリレーできるかは、未だに結論を得られておらず、
> もう恐らく作る事は無いのに、今でもたまに考えたりしちゃいます(苦笑)。

何だか、こんな事を書いたら、ザックリとでも纏めてしまいたくなったものの、
やはり1500年もあると20人では収まらず、結局は25人になってしまいました(笑)。

 大伴金村(480頃〜550頃)
 蘇我馬子(550頃〜626)
 天武天皇(630頃〜686)
 藤原不比等(659〜720)
 吉備真備(695〜775)
 最澄(766〜822) or 坂上田村麻呂(758〜811)
 藤原良房(804〜872)
 菅原道真(845〜903)
 平将門(900頃〜940)
 清少納言(966〜1025)
 源義家(1039〜1106)
 平清盛(1118〜1181)
 島津忠久(1160頃〜1227)
 安達泰盛(1231〜1285)
 佐々木道誉(1296〜1373)
 今川範政(1364〜1433)
 足利義政(1436〜1490)
 毛利元就(1497〜1571)
 徳川家康(1543〜1616)
 保科正之(1611〜1673)
 荻原重秀(1658〜1713)
 青木昆陽(1698〜1769)
 葛飾北斎(1760〜1849)
 西園寺公望(1849〜1940)
 松下幸之助(1894〜1989) or 瀬島龍三(1911〜2007)

まあ、教科書的な最重要人物を優先的に選ぶのであれば、
清少納言は藤原道長、島津忠久は源頼朝、佐々木道誉は足利尊氏が妥当なのかな?
とは言え、王道路線ばかりでは疲れてしまうので、多少は変化球もという事で(笑)。
(聖徳太子は蘇我馬子の婿であり、馬子より先に亡くなるので、主役を交代させました)
同じく、吉備真備の所も聖武天皇、最澄or坂上田村麻呂も桓武天皇の時代が主題ですけど、
やはりコチラも、主人公が天皇ばかりでは切り口が似通ってしまうかと思い、
そこで、「天皇から1人を選ぶのであれば、天武天皇かな?」という感じになりました。
正直言って、前半生に関しては、大化改新を行った兄・天智天皇の方が主役級なのですが、
天智死後の壬申の乱や、その後の政治改革なども扱うとなると、天武の方が適していたので。
って、この「リレー方式」というコンセプトで主人公を選びますと、
1つの時代をトータルで描ける「長命」な人物が、どうしても優先されがちになりますね(笑)。

戦国後期を通して描ける徳川家康や、幕末開国からWW2開戦まで描ける西園寺公望、
そして南北朝の佐々木道誉も、鎌倉末期から足利3代まで描けますし、
激動の時代だからこそ、途切れない1つの流れとして描ける人物が理想な気がします。
(この3人を2クールとすれば、丸7年のリレー大河ドラマになりますね・苦笑)
まあ道誉に関しては、政治や軍事の方面のみならず、文化の面も扱えますしね。
そう言った意味で、足利義政の人選というのも、その辺を考慮してのモノだったりします。
義政なら、応仁の乱を前後史まで含めて描けるというだけでなく、
文化人としても、今に残る日本文化を築き上げた、歴史上でも屈指の最重要人物なので。

また、同じ様な視点から、清少納言で文学と女性社会を、
荻原重秀で財政と経済、青木昆陽で学問と出世、葛飾北斎で大衆芸術と庶民生活を、
それぞれ切り取りたいなという観点から、少し変化球的に人選してみました。
特に昆陽と北斎については、あの時代に日本各地を転々としているので、
その当時の中心地だけでなく、地方に関しても同時に描けるかと思いまして。
他には海外も描きたい所ですが、この25名の中だと、実際に渡航経験があるのは、
吉備真備・最澄・西園寺公望・松下or瀬島しか居ないのが、ちょっと寂しい・・・・
でもまあ、島国である日本の事情を考慮すると、致し方ないのかな?
遣唐使の廃止以降、幕末に開国されるまで、日本が外国と深く関わったのって、
元寇と朝鮮出兵くらいですしね(逆に言うと、却ってグローバルだった古代が凄い・笑)。

ちなみに北斎の所は、障害者を焦点に、幼少時に失明しながら大学者となった塙保己一や、
シニアを焦点に、隠居後に五十の手習いで学問を初め、日本地図を作り上げた伊能忠敬など、
同時代の別人物も考えたのですが、長寿で幕末へ直に繋げられる北斎を選びました。
これがもしも、幕末から戦前までを西園寺1人で描く方法でなく、
2人の主人公に分けて描いたなら、忠敬や保己一でも良かったかも知れませんけどね。
日本各地を転々としたという点で行けば、忠敬に勝る人材は居ませんし(笑)、
例えば幕末・明治の主人公を伊藤博文にすれば、保己一に上手く繋ぐ事が出来ます。
幕末時、保己一の跡を継いだ息子・塙忠宝は、デマを信じた伊藤に暗殺されてますので・・・・
(明治になり、芸者が産んだ近藤勇の娘に、伊藤は一夜の共をさせたなんて逸話も残ってます)
って、日本の初代総理大臣であり、主人公としては適した人物であっても、
やはり大河化となった場合は、この辺のエピソードは割愛になりますかねえ?(苦笑)

それと、様々な分野を描く意味では、平安初期が「最澄 or 坂上田村麻呂」なのも、
最澄なら宗教を、田村麻呂なら蝦夷と呼ばれた東北を描ける為、どちらか決めかねていると。
ただ源義家の所で、東北の奥州藤原氏を存分に描けるので、最澄を第一候補としました。
(最初は空海にして、藤原良房を含まず全24名で構想するも、山城遷都の流れが描きにくく断念)
ちなみに、昭和が「松下幸之助 or 瀬島龍三」となっているのも、同様の理由でですね。
戦時中は参謀本部で数々の作戦を担当し、戦後は伊藤忠の会長&中曽根のブレーンとして、
軍部・財界・政界の中心に身を置き続けた瀬島なら、激動の昭和を1つに纏めて扱える一方、
戦前から家電を作り続けてきた松下幸之助の方なら、メインとなる実業面だけでなく、
家電の顧客層である一般庶民の生活も、戦前・戦中・戦後と一繋がりで描ける為、
そちらを重視して、松下を第一候補としました(瀬島は嫌われ者という理由もありますが・笑)。

あとは、紡がれていく「歴史の流れ」というモノも描きたいという主旨から、
日本史的に重要な一族に関しては、開祖にあたるような人物も優先的に選びました。
具体的には、藤原摂関家なら藤原不比等&藤原良房や、
平氏なら平将門&平清盛、源氏なら源義家(だったら源頼朝も選ぶべき?)とか、
関ヶ原や幕末への繋がりも考え、薩摩の島津・長州の毛利・会津の保科を入れてみたと。
もちろん、そうした物語的な布石だけでなく、各人物が各時代で重要な人物ですけどね。

ただ欲を言うなら、鎌倉期の北条執権家や、室町期の細川管領家あたりも、
蘇我氏や藤原氏と同じく、誰か1人くらいは主人公として入れたかった所ではあります。
まあ、入れ替えるなら、安達泰盛を北条泰時or時宗、今川範政を細川頼之or持之でしょうか?
ですが、やはり「リレー方式」という事情を考慮した場合、
時代が前後の主人公と被り過ぎていたり、重要人物だが短命であったりして、
だとしたら、準主役級として登場させる方が、却って無難かな?という結論に至りました。
それに泰盛であれば、幕府と御家人の関係性や内管領の確執、そして元寇も詳しく描けますし、
そして範政は、室町幕府と鎌倉公方の関係性や、大叔父・了俊を介して南朝方の九州も描けると。
(足利義政を細川勝元に、毛利元就を細川政元に替える案もありますが、既述の理由で却下・笑)

最後に、贅沢を言えば、近現代を通して描くなら西園寺ほどの適役は他に無いのですが、
やはり激動の時代ですし、幕末の外交や、明治の戦争、更には科学などの分野も、
折角なので詳しく扱ってみたい題材ではありましたけどね。
仮に候補を挙げるなら、「川路聖謨」「立見尚文」「大河内正敏」といった所でしょうか?
川路なら、天保の改革から無血開城直前の自害まで、江戸後期の幕政をじっくり描けますし、
立見も佐幕派側から、戊辰・西南・日清・日露の各戦争、そして赴任先の台湾の事も描けますし、
大河内は、理研の所長や貴族としてだけでなく、若き苦学生・田中角栄を引き立てた人でもあります。
それと、出来れば沖縄も扱いたいですが、無難な所となると・・・「上杉茂憲」あたりですかねえ?
米沢藩主から沖縄県令に転身し、わずか2年で解任されるも、温情政策と人材育成に努めた人なので。
と、まあドラマ的な都合もあり、圧倒的な勝者よりは、どうも敗者や復活者を人選しがちに(笑)。
この時代だと、ガチなら東京五輪&震災復興で「後藤新平」を大河に推したい所ですけど、
後藤なんて、岩手水沢の出身でしたから、明治時代では賊軍扱いだった上に、
蛮社の獄で殺された高野長英の親戚だった為、江戸時代も藩内で逆賊扱いでしたしね。

・・・って、最初は「25名分のリスト」だけ載せる予定だったのに、
簡単な選考理由を書き始めたら、またまた思わぬ長文になってしまいました(苦笑)。

[▼次のスレッド]
INCM/CMT
Cyclamen v3.72